夏こそ大人女子はLAカジュアルをお手本に
ビーチだけでなくタウンもある西海岸のファッションは、日本でも真夏のコーディネートに取り入れやすいもの。そこで、LAカジュアルのスタイリングを得意とする平みなみさんに、大人のリラックス感があるコーディネートの作り方について伺いました。
■LAカジュアルのお手本は「一点豪華主義」
――平さんはLAカジュアルなスタイリングを得意としていますが、大人の女性はどのようなところを取り入れたら良いでしょうか。
夏こそLAのファッションをお手本にすると、タウンライクなカジュアルを作ることができます。コーディネートの基本は、「一点豪華主義」です!
インパクトがあるプリントのTシャツや柄のトップスを選んで、ボトムスはダメージデニムを履くことに抵抗があればマムデニム(お腹がすっぽり隠れるハイウエストのジーンズ)を合わせるだけ。または、デザイン性のあるスカートを取り入れて、手持ちのシンプルなノースリーブや無地のTシャツを合わせればOKです。
そして、「色を楽しむ」ことだと思います。柄×派手色だと難易度が高いですが、色の濃淡で組み合わせれば簡単にできますよ。例えば、ベーシックカラーのベージュに、オレンジやイエローを合わせるなど。トップスかボトムスどちらかに、ハッキリした色を持ってくるとよりLA風になります。
あとは、古着やヴィンテージアイテムを合わせてみてください。手持ちになければ長年愛用していて着古しているアイテムでも良いです。ひとつ取り入れるだけで、コーデのアクセントになりますよ。
(右から)Levi's501のデニムはヴィンテージ、「birthdeath」で購入したレオパードシャツは古着、ウエストポーチはあえてメンズライクなアイテムを「BEAMS」で購入、ブラックミュールは「CHARLES&KEITH」で手頃なプライスが◎/その他本人私物。(平みなみさん提供)
――現地の女性たちの着こなしを教えてください。
LAはファッション雑誌の撮影でよく訪れるのですが、ヘルシーでいながらセクシーさも合わせもつ女性が多いように感じます。健康的に日焼けを楽しみながらオーガニックフードを好んでワークアウトも忘れない! といった意識の高さを実感しますね。
それはファッションの着こなしにも現れていて、現地の女性たちからは「惜しみなく肌を出す潔さ」のようなものを感じます。自分の体型を臆せずに、二の腕や脚をパーンと見せている。自分の体のどのパーツを見せたら、スタイルが良く見えるかをわかって着こなしています。
だから、洋服で覆って隠すのではなく、自分の一番細いパーツを見つけてそこは絶対に出すことを意識してみてください。そういった視点が着こなしにおける「抜け感」となりますから。
■頑張りすぎないゆるアイテムは小物でプラスする
――LAカジュアルに外せない小物使いを教えてください。
わかりやすくフレンチカジュアルの鉄板イメージで「マリンキャップ・バレエシューズ・カゴバッグ」と比較すると、LAは「ベースボールキャップ・ビーチサンダル・布バッグ」になるでしょうか。
キャップは日本でもトレンドになっているので抵抗はないかと思いますが、ビーチサンダルは難しいですよね。トングタイプやビジュー付きのものなら、少し上品に合わせられると思います。あとは、ローカットのスニーカーも良いですね。おすすめは、ヴァンズ(VANS)のオールドスクールです。
そして、LAは夏でも涼しければショートブーツを履きます! 私もキャミや花柄のワンピースに辛さをプラスしたくて、ちょうど8月中旬ぐらいから取り入れていますよ。ローヒールのサイドゴアが一足あれば、シーズンレスで着用できるのでこちらもおすすめです。
LAだとカッチとしたバッグを持つ人は見かけなくて、ネットバッグやハンドルが長めの巾着をゆるっと手首に引っ掛けて持ちますね。布バッグでも持ち手が長いものであれば、合わせやすいと思います。
(右から)「GENERAL STORE」で購入したコットンメッシュバッグ、「Homeyland」のキャップ、サイドゴアのブーツ、パンチの効いたレオパードの「VANS」スニーカー/その他本人私物。(平みなみさん提供)
■真夏でもレイヤードスタイルを楽しむ
平みなみさん
――着こなし方のポイントはありますか。
真夏でもレイヤードスタイルを楽しむことだと思います。
例えば、Tシャツ×キャミワンピース、キャミソール×オーバーサイズのシャツ、サマーニット×タンクトップ……どれも共通していることは、体にピタっとフィットするものに、ゆるっとしたアイテムの組み合わせです。どちらか一方に、柄ものか明るい色を投入すると、より洗練した印象になると思います。
日本だと電車や室内外の温度差があるので、レイヤードスタイルを楽しみながら冷房対策にもなりますよね。
先ほど、ヴィンテージアイテムをおすすめしましたが、Tシャツやキャミソールこそ古着を取り入れてみてください。製造の年代によって色々なロゴやプリントのTシャツがありますし、海外の可愛いネグリジェのキャミソールも見つけることができます。一枚合わせるだけで、着こなしのアクセントになってこなれた印象になりますよ!
取材・Text/AKIKO
Photo/小林航平
平みなみさんプロフィール
スタイリストKOSEI MATSUDA氏に師事のあと独立。ファッション雑誌やWEBマガジンを中心に活躍中。LAカジュアルをベースにしたエッジの効くスタイリングに定評あり。リアルクローズの中にモードさを取り入れたミックス力で、同性からのファンが多い。
https://www.instagram.com/minami_taira/
雑誌&書籍の編集を経てフリーエディターに。ファッション・美容・カルチャーと幅広く担当。週2スイムと週3ゴールドジムで筋トレ好き。