映画『タリーと私の秘密の時間』感想。仕事・家事・育児、自分の時間のないあなたへ贈るヒューマンドラマ!
【シネマの時間】第34回は、『マイレージ、マイライフ』のジェイソン・ライトマン監督がオスカー女優のシャリーズ・セロンと『ヤング=アダルト』に続き再タッグしたヒューマンドラマ、映画『タリーと私の秘密の時間』をご紹介いたします。人生のリフレッシュムービー! 8月17日(金)よりTOHOシネマズシャンテほか全国ロードショー!
こんにちは。アートディレクターの諸戸佑美です。
読者の皆さんの中には、「仕事、家事、育児で自分の時間がなかなかない」という方も多いと思いますが、【シネマの時間】第34回では、そんな人にこそ観てほしい ”人生のリフレッシュムービー” 映画『ターリーと私の秘密の時間』をお贈りします。
本作は、「私、人に頼れないの」と自分で何事も完璧にこなそうとする3人の子どもの母親マーロと、彼女の元に現れた夜だけのベビーシッター・タリーの不思議な絆を描くミステリアスなヒューマンドラマ。
プロデューサーで脚本家のディアプロ・コディが、実際に3人目の子どもを出産した頃の体験から生まれたアイデアだそうで、『 JUNO/ジュノ』『マイレージ・マイライフ』の名匠ジェイソン・ライトマンに監督を依頼。
子育て真っ最中の家族の日常が痛いほどリアルに描かれ、かつタリーの謎も絡めてドラマティックに展開し、観る者の心に深い余韻を残します。
タリーとの絆を深めていくうちに輝きを取り戻していくマーロ役には、『モンスター』でアカデミー賞、ゴールデングローブ賞を受賞し、『アトミック・ブロンド』や『マッドマックス 怒りのデス・ロード』など、数々の出演作を大ヒットに導いてきたシャーリーズ・セロン。
今回、美貌を封印し体重を18キロ増やして役作りに挑み、がんばりすぎて疲れている女性たちに魂の声を届け、その心に優しく寄り添い魅力的です。
マーロの救世主となるベビーシッター・タリー役には、『ブラック・ビューティー』『ブレードランナー2049』のマッケンジー・デイヴィス。
タリーは、年上のマーロにタメグチでファッションやメイクもイマドキ女子ですが、仕事ぶりはパーフェクト、「あなたの人生をケアしたいの」とマーロの悩みも聞き、見事に解決してくれるのです。
自由奔放なタリーと不思議な絆を深めていくうちに、マーロも本来の輝きを取り戻していくのですが、タリーは何があっても夜開け前に姿を消し、自分の身の上は決して語りません。
はたして彼女は、昼間は何をしているのか? マーロの前に現れた本当の目的とは……?
最近では、家事や育児に協力的な男性も増え頼もしく感じてますが、男性にもぜひ観ていただきたい映画です。
8月17日(金)より、TOHOシネマズ シャンテほか全国ロードショー!
つかの間のリフレッシュにどうぞお楽しみください。
■映画『タリーと私の秘密の時間』あらすじーー"人に頼れない"3人の子どもの母親マーロと、彼女の元に現れた夜だけのベビーシッター・タリーの不思議な絆
もうすぐ3人目の子どもが生まれるマーロ(シャーリーズ・セロン)は、大忙しの毎日を送っています。
娘のサラ(リア・フランクランド)は手がかかりませんが、息子のジョナ(アッシャー・マイルズ・フォーリカ)は情緒が不安定。
今日も姉弟が通う小学校の校長に呼び出され、ジョナをサポートする専属教師を自分で雇ってほしいとまで言われてしまいます。
夫のドリュー(ロン・リヴィングストン)は優しいのですが、家事も育児も妻に任せっきりで、マーロもそれが当たり前だと思っていました。
ある日、事業で成功して贅沢な暮らしを送るマーロの兄のクレイグ(マーク・デュプラス)が、出産祝いに夜専門のベビーシッターを手配してくれると提案します。
見知らぬ人に赤ん坊を預けることに抵抗と罪悪感のあるマーロは断りますが、クレイグは妹に強引にシッターの電話番号を渡すのでした。
無事に女の子を出産したマーロでしたが、家事は膨大に増えるばかり。
さらに、再び校長に呼び出され、ジョナには違う学校へ行ってもらうと言われ、遂に感情が爆発し、校長を怒鳴りつけてしまいます。
帰宅したマーロは、もはや限界と夜間のベビーシッターを頼みます。
22時半に現れたタリー(マッケンジー・デイヴィス)と名乗る若い女性を見て、唖然とするマーロ。
おへその見えるTシャツにジーンズのファッション、いきなりタメグチのイマドキの女の子だったのです。
しかし、戸惑うマーロにタリーは、「私を頼って」と自信たっぷりに宣言し、2階でゆっくり眠るようにと促すのでした。
翌朝目覚めると、タリーの姿はすでになく、代わりに8年間まったく掃除していなかった1階のリビングとキッチンが、ピカピカになっていました。
マーロは夫に、「彼女は何もかも完璧。なんだか、世界が明るくなった」と、久しぶりに晴れ晴れとした顔で微笑むのでした。
それからというもの、タリーは“完璧”に家事や育児を手伝ってくれます。
さらに、「人生の全部をケアしなきゃ」と、昔話や愚痴を聞いてくれ、悩みごとの相談にまで乗ってくれ、いつしかふたりは信頼関係を結んでいくのです。
けれども、タリーは何があっても夜明け前に姿を消し、昼間は何をしているかなど自分のことは一切語らないのでした……。
■映画『タリーと私の秘密の時間』作品紹介
映画『タリーと私の秘密の時間』は、8月17日(金)よりTOHOシネマズシャンテほか全国ロードショー!
公式HP:Tully.JP
監督/製作:ジェイソン・ライトマン
原作:Tully/レイティング
製作:メイソン・ノビック、ディアブロ・コーディ、シャーリーズ・セロン、ベス・コノ、A・J・ディックス、ヘレン・エスタブルック、ジェイソン・ライトマン
製作総指揮:ジェイソン・クロス、アンディ・ポラック、ポール・テニソン、デイル・ウェルズ、スタン・トーマス、ロン・マクレオド、ジェイソン・ブルーメンフェルド
脚本/脚本:ディアブロ・コディ
撮影:エリック・スティールバーグ
編集:ステファン・グルーブ
美術:アナスタシア・マサロ
衣装デザイナー:アイーシャ・リー
音楽:ロブ・シモンセン
音楽監修:トリシア・ハローラン
日本語字幕:中沢志乃
製作国:アメリカ
配給:キノフィルムズ
上映時間:95分
映倫区分:G
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■映画『タリーと私の秘密の時間』キャスト
シャーリーズ・セロン=マーロ
マッケンジー・デイヴィス=タリー
マーク・デュプラス=クレイグ
ロン・リビングストン=ドリュー
アッシャー・マイルズ・フォーリカ=ジョナ
リア・フランクランド=サラ
【シネマの時間】
アートディレクション・編集・絵・文=諸戸佑美
©︎YUMIMOROTO
本や広告のアートディレクション/デザイン/編集/取材執筆/イラストレーションなど多方面に活躍。