海老原 露巌(えびはら ろげん)書道家、墨アーティスト、文化庁文化交流使。1961年栃木県下野市生まれ。4歳より書を学ぶ。作品は在フランス日本大使館、在日本イタリア大使館、中国狭西省歴史博物館、カナダケベック州立文明美術館などに収蔵され、近年はパリ日動画廊、新宿伊勢丹にて展覧会を開催する。
5月の新月のメッセージ「もう隠せない自分の本能」
5月の新月のメッセージは、「自分の本能の解放」。これは、ただの欲望の解放という意味ではなく、この12年間ずっとがんばってきて、「こうあるべき」という抑制からの解放ともいえるタイミングです。(木星の公転周期が約12年なので、12年ごとにエネルギー、テーマが変わります)
■自分の感覚を研ぎ澄ますタイミング
「自分の本能のままに好きにしてもいい」と言われて、どれだけの人が本当にやりたいことができるでしょうか。実際には、
・自分自身がどうありたかったのか
・どうあることに違和感がないか
などの確認をしなければわからないことがほとんどです。
「好きなようにしてもいい」と言われても困ってしまうとはなんという皮肉なのでしょうか。
物質的豊かさを追求していた時代では考えなかったことですが、これからやってくるココロの豊かさを求める時代では、まさに活用しなければなりません。
残念ながら、ただ待っていても勝手に変化してくれるわけではありません。普段掃除をしていないのに、勝手にきれいになっていることなどないように、私たちの心も自ら意識して、磨いていかなければせっかくの良い流れに乗ることはできないのです。
ただし、個人レベルの変化ではないので、周りが変化していく姿をより目の当たりにしていく経験が増えていくかもしれません。そしてそれによって刺激され、ご自身が変化するきっかけになります。
このタイミングを活用して、ご自身の感覚を研ぎ澄ましずっと心に眠っていた本能を呼び覚ましましょう!
■自分の呪縛から解放する
「世界中の誰にも魔法をかけることはできません。魔法をかけることができるのは、実は自分自身にだけなのです」と、ある魔法使いのセリフを何かで聞いたことがあります。それは、良いことであれ悪いことであれ、自分を縛ることでもあります。
普段、どんなセリフを自分自身に言っているのか、またどんな思考を繰り返しているのか、そしてどんな行動パターンを選びがちなのか。それこそが、今の自分を創り出しているものなのだと、まず気づくことから始めましょう。
そして、自分が実は、過去に傷ついた経験から決めている行動パターンや言葉、に縛られていることに気づけたら、もう大丈夫。実は「過去をみていた」ということに気づけたら、過去のパターンから解放されるときでもあります!
それにはまず、
・実は嫌だな、と感じていたこと
・どちらでもいいけれど、していること
・相手の反応で決めていること
を、まずは一度断ちましょう。
1週間だけでよいので、やってみてください。
そして、毎朝「自分が本当に感じたい経験をさせてください」
そう、お願いするのです。
お願いをする、ということは、今自分にそれができていないと、認めることでもあります。
そしてそれこそがスタートです。創造の始まりでもあり、正直な自分の感覚であります。
■露巌先生の5月新月の作品
魂が溶け出していくような、本当は形なんて必要なかったのだ、ということに気づかされるようなフォルムが、私たちの本当の姿を現してくれているようです。
自由であることと、わがままであることは違います。
自由とは責任が伴い、そして孤独でもあります。
どこまでも制限のない感覚が伸びやかに広がっていき、境界線のない世界へ溶け込むのです。
自分自身の枠、他人の枠、世間の枠、世界の枠、なんて本当はなかったと感じるような気持ちの良さと、ただ美しいだけではない、すべての欲望も絡み合った真の融合という世界に、この「5月新月」の作品は連れて行ってくれるかのようです。
それは、自縛からの解放そのものではないでしょうか。
■私たちが本当に求めていること
露巌先生の5月新月の作品が表してくださっているように、私たちは勝手に自分で創り上げた自分の枠を飛び越えたくて、さらに耐えて抑えていた自分を解放したいという思いを持っています。
それは「自分からの解放」でもあります。自分で創ってきた自分からの解放。そしてさらに拡大していく、眠っていた本能の解放から生まれる新しい自分を経験することこそが、自分の心や魂レベルの喜びなのです。
5月15日の新月は、20:49です。この大きな時代の変わり目のタイミングに、自己解放のための魔法をかけてみてはいかがでしょうか。