GWにまとめ観してみては? おすすめドラマ ベスト5
DRESSのドラマレビューを担当する小耳沢はさ美&バルサミコ瞬が、今クール(2018年春)の出演者や脚本家と関係のある作品に絞って、過去の名作ドラマをご紹介します。GWに人混みの中へ出かけるのは疲れる……という方はこの長期休みをドラマを観る時間にあててみてはいかがですか?
小耳沢はさ美(以下、耳)「さ、バルサミコさん、まずは頭をつるっと丸めて謝罪を」
バルサミコ瞬(以下、バ)「痛み入ります」
耳「いやいや、全然褒めてないんですけど。どうしたんですか、急にかしこまった口調で」
バ「痛み入ります。そのろくにアイロンもかけていないシャツのシミ、お取りして差し上げましょうか?」
耳「いやあなた、『家政夫のミタゾノ』にハマりすぎですよ。ミタゾノの決め台詞『痛み入ります』の使い方も思いっきり間違ってますし。それにこれはシミじゃなくて、こういう柄なんです、柄!」
バ「これは失敬。単なるダサい柄でございましたか。まあ、ないほうがいいことに変わりはありませんが。家政夫のバルサミコでございます」
耳「いつもより口調が丁寧なぶん、よりムカツキますね……いや話戻しますけど、ここで謝罪してもらいたいのは、先日『2018春に見たいドラマ3選』の記事で推したドラマがどれも、わたし的に消化不良だってことなんですよ」
バ「おっしゃる通りでございます」
耳「あ、そこはあっさり認めるんだ……。1推しの長澤まさみ主演『コンフィデンスマンJP』は1話で予算使いすぎたのか、3話あたりから一気にセット代節約し始めたし、2推しの坂口健太郎『シグナル』は過去と未来にタイムリープしすぎて話がわかんなくなってきたし。3推しの中谷美紀主演『あなたには帰る家がある』もね、中谷美紀、結婚とくれば思い出す名作がちょっと前にあるわけで、ついアレと比べちゃって……」
バ「『正義のセ』の吉高由里子様や『花のち晴れ』の杉咲花様あたりも含めて、たしかに今クールは俳優陣を活かしきれてない感が否めません。脚本家も力のある方が揃っているわりには、どうも本領発揮できていない感じがございます」
耳「でしょ~? GWでたっぷり時間もあることだし、彼らが輝いていた名作ドラマ、一気に観直したくなっちゃう」
バ「それではせっかくですので、本日は今クールの出演者様や脚本家様と関係のある作品に絞って、過去の名作ドラマをご紹介いたしましょう。そうすることで、今期ドラマの何が物足りないのかという問題点が、シャツについたシミのようにクッキリと浮かび上がってくること請け合いでございます」
耳「さすが、安定の意地悪目線ですね。今日はミタゾノ口調のせいで感じ悪さも倍増で」
バ「痛み入ります」
耳「だから褒めてませんってば! じゃ、いきますよ。小耳沢はさ美とバルサミコ瞬がおすすめする、GWにまとめ見したい名作ドラマ、ベスト5!」
1位『結婚できない男』阿部寛、夏川結衣、国中涼子、塚本高史ほか
今期の『シグナル 長期未解決事件捜査班』と同じく、「脚本家・尾崎将也×カンテレ」という黄金タッグが生み出した名作。こういうコメディでこそ本領が発揮されるのでは。
2位『夜行観覧車』鈴木京香、石田ゆり子、杉崎花、宮迫博之ほか
『花のち晴れ〜花男 Next Season〜』では、いまいちパッとしない杉崎花。しかしこの『夜行観覧車』で演じる娘役の狂気こそ彼女の真骨頂。「ツンデレ」の範囲には収まらない迫力。
3位『東京タラレバ娘』吉高由里子、榮倉奈々、大島優子、坂口健太郎ほか
『正義のセ』の吉高由里子と『シグナル』の坂口健太郎という両主演俳優が共演。検事や刑事といった骨太な役柄よりも、ラブコメが似合うふたり。
4位『私 結婚できないんじゃなくて、しないんです』中谷美紀、藤木直人、徳井義実ほか
『あなたには帰る家がある』も悪くないが、原作のせいか、ややおとなしくも感じられる中谷美紀。そんな彼女が全力でハジけていた「役に立つラブコメ」作品。藤木直人のドSっぷりも見物。
5位『王様のレストラン』山口智子、九代目松本幸四郎、鈴木京香、筒井道隆ほか
三谷幸喜臭マンマンの『崖っぷちホテル!』を観ていると、やはり本家はこちらかなと。歌舞伎俳優をポップな連ドラにキャスティングした最初の作品はこれかもしれない。
耳「Huluやアマゾンプライム、TSUTAYAとか、探せばどこかで過去作品も見つけられる。いい時代になりましたよね」
バ「まことに便利な時代でございます。ゴールデンウィークはどこへ行っても混んでいますし、やはりお家でのんびりドラマでも観ているのが一番かと存じます」
耳「家政夫が言うとなんか説得力ありますね。いやあなた家政夫でもなんでもないですけど。でもたしかに、映画なら1本2時間程度でしょ? 一方でドラマなら50分×10回分とか、見ごたえがすごいですからね」
バ「婚活迷子でGWも予定ゼロの小耳沢様なら、本日ご紹介したドラマ1位から5位まで、洗いざらいご覧になる時間が十二分におありになるのではございませんか?」
耳「まさに絵に描いたような慇懃無礼! でも『んなわけないっしょ』って言えない自分が怖いわ~。はは!」
バ「痛み入ります」
耳「神様、どうかこのエセ家政夫を痛い目に!」
小耳沢はさ美/よろず文案作成家。バルサミコ氏は『家政婦のミタゾノ』にハマッているようですが、同じ深夜枠で以前わたしがハマッたのはバカリズム作『架空OL日記』。しれっとフツーにバカリが信金のOLを演じる怪作。淡々、リアル、じわっとくる。おすすめです。
バルサミコ瞬/ライター兼放送作家。今期イチ推しは勿論『家政夫のミタゾノ』。パロディものと侮るなかれ。キャラ、設定、展開、台詞のすべてが一級品。遊び心と完成度の両立。『半沢直樹』の脚本家がオリジナルを書くと『家政夫のミタゾノ』になる、という振れ幅も規格外。