セックスの悩み――私って普通なの? 実際のところみんなどうなの?
セックスに関する(セックスレスやイク感覚、マスターベーションについての)悩みを抱えてはいるものの、人にはなかなか相談できないと思ってしまう人は多いと思います。周りがどうしているかわからないからこそ「これって自分だけなのかな……」という不安に駆られてしまうのだと思います。ここでは、そんな性への悩みについて答えていきます。
以前に実施したDRESSアンケート結果を見ると、女性たちがセックスにおいてさまざまな疑問や悩みをお持ちなのがわかりました。そこには総じて「他の人はどうなの?」という言葉が……。
女性同士セクシャリティなことを明け透けに相談する機会も少ないのだと思います。
私は以前より女性の性を解放するイベントに登壇していたことがあり、そこで得た一般女性から伺ったお話がいくつかあります。
今回はそんな経験も踏まえた上で「私以外の女性たちの性」についてお話をしてまいりましょう。
1.一番多い悩みは「セックスレス」
前述のイベントで必ず話題になっていたのがセックスレスについてです。
正直、イベントに出させていただくまでこんなに多くの女性がセックスレスについて悩んでいたなんて知りませんでした。
セックスレスに悩んでいる女性は10代から50代、さらにその上の方と幅広く、交際期間も長いカップルばかりとは限らず、付き合って2カ月でセックスができなくなってしまったという方もいらっしゃいます。
ところでこの「セックスレス」とは日本性科学会の定義によると1カ月間ペッティングなどを含む性交渉がないことを指します。
1カ月と聞くと「あら! 私もだ!」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ただここで大事なのは、セックスをしていない「期間」ではなく「心の充実度」です。
お互い激務でセックスしている暇がないというカップルもいるでしょう。また、セックスより優先したいふたりの共通の趣味があるカップルもいます。
働きすぎといわれる日本では、基準(個人の事情を加味していない!)に当てはまらないカップルがいてもなんら不思議なことではありません。
セックスレスの解消法については別の機会にご紹介いたしますが、自分たちばかりがセックスレスで悩んでいるわけではなく、ましてや自分の性欲が強すぎるのがいけないことだなんて悩む必要は一切ありません。
2.女の人ってマスターベーションするの?
・自分のマスターベーション法は正しいのか
・回数は多すぎないか
・パートナーがいるのにマスターベーションを続けてもいいのか
……などマスターベーションに関する質問はかなり頻繁に寄せられます。
そしてその質問を聞いていると、「女性たちは一貫してマスターベーションに罪悪感のようなものを抱いていること」が多いのです。
それは恐らく幼いころに触っちゃダメ! と教育されてきたからでしょう。また、保健体育の教科書によっては、「自慰行為は男性特有のもの」と記してある大間違いもあります。
幼少期の記憶とは時に強烈にその後の人生に影響を及ぼします。幼いころに「みなさん、どんどん自分で性器を触って研究しましょう!」と教わっていれば(これは極端な例ではありますが……)マスターベーションの細かいあれやこれやに心悩ませることもないのにと思います。
とにかくマスターベーションは決して悪いことではありません。
むしろこの後お伝えする「オーガズム」に関してもマスターベーションはどんどんすべきだと思います。こうした悩みは多いですが「どんどんしたまえ」、これが常々私の回答です。
3.「イク」を体感できない
セックスレスに次いで多い悩みが「イク=絶頂」がわからない、できないという悩みです。
これについては経験が一番大きいと思います。相性もあります。
ひとりの人と回数を重ねて相性を高めていくか、たまたま数撃った鉄砲に引っかかった男との相性がバッチリだったのか……とにかくセックスしなきゃ絶頂を得ることはありません。
エロ漫画に出てくるような処女でいきなり絶頂体験! というのもまずないでしょう。身体がイクように開発されていないからです。
どうしてもイクことを大切にしたいのであれば、マスターベーションやセックスなど、たくさんの性体験を通してイク身体作りをすることが大事でしょう。
■セックスの悩み、話しにくいですよね……
女性が開放的に性の話をしづらい日本では、「自分だけがこんな浅はかな悩みを持っているんじゃないか」と考えて込んでしまう人もいます。
しかし、いまこのコラムを読みながら「私も同じ悩みを抱えていた!」という方も多いのではないでしょうか。私がイベントに参加するようになって気付いたのはたくさんの女性がほとんど同じ悩みを抱えていて、それを話せずにひとりで抱え込んでしまっているという現実です。
つまり、女性の性の悩みの大多数が「セックスレス」「マスターベーション」「オーガズム」についてなのです。
この現実って本当はとてももったいないことをしていると思います。少し勇気を持って相談すれば多くの女性はその悩みを理解してくれるのに、その機会を自ら逃し、悩み続けているということです。
今回ご紹介した3つの悩みの他にもセックスのテクニックについての悩みなど、悩みにまったく同じものはありませんが「私だけじゃなく、みんな悩んでいる」と知るだけで少しでも気持ちがラクになるようであれば幸いです。
※ こちらは2018年4月26日に公開した記事内のリンク切れなどを修正した上で再掲載したものです。