資生堂パーラーのボンボン フロマージュ【Gift Story for DRESS#2】
「まぁ、よかったんじゃないの」砂糖もクリームも入れていない珈琲を、スプーンでかきまぜながらミヤタが呟く。旧友のよしみで、一年前に元彼を紹介してくれたので、顛末を報告したのだ。なにそれテキトー、と応酬しつつも、そのとおりだと自分に言い聞かせている。
「まぁ、よかったんじゃないの。」砂糖もクリームも入れていない珈琲を、スプーンでかきまぜながらミヤタが呟く。旧友のよしみで、一年前に元彼を紹介してくれたので、顛末を報告したのだ。なにそれテキトー、と応酬しつつも、そのとおりだと自分に言い聞かせている。
おもむろに、甘いの好きでしょ、と小洒落た包みを手渡される。やだ太る、と笑うわたしに、もうちょい太れよと妙に真面目な声で言うから、不意に涙が出そうになって押し黙る。ミヤタはそろそろ行くわと伝票をとって席を立ち、一瞬何か言いたげな表情をこちらに見やってから、指輪をした方の手をひらひらさせて去っていった。
■資生堂パーラー ボンボン フロマージュ
小粋なパッケージやキャンディのような個包装が、ちょっとした贈り物にぴったりの、キューブ型チーズケーキ。アクセントにゲランドの塩が入っているナチュール、いちごのピューレを混ぜ込んだフレーズ、クーベルチュールチョコレートのほろ苦さが絶妙なショコラの3種。濃厚なのにさわやかな風味で、珈琲や紅茶はもちろん、シャンパンとあわせても。
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