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映画『しあわせの絵の具 愛を描く人モード・ルイス』感想。人生は美しい色であふれている

【シネマの時間】第23回は、世界中の映画祭で観客賞を受賞した感動作。映画『しあわせの絵の具 愛を描く人モード・ルイス』をお送りします。カナダで最も有名な画家モード・ルイスが教えてくれる、人生で大切な喜びとは? 2018年3月3日(土)より新宿ピカデリー、Bunkamuraル・シネマ、東劇ほか全国ロードショー公開です!

映画『しあわせの絵の具 愛を描く人モード・ルイス』感想。人生は美しい色であふれている

©YUMIMOROTO

こんにちは。アートディレクターの諸戸佑美です。

カナダの小さな港町で、美しい季節の風景や動物たちを心の赴くまま、色鮮やかに描き続けた素朴派画家のモード・ルイスをご存知でしょうか?

その観るものを魅了する牧歌的で愛らしいフォークアートは、当時のアメリカ大統領ニクソンから依頼を受けたこともあったりと、小品でもオークションで500万円を超える人気を誇り、カナダで最も愛されている画家だと言われています。

幼い頃から若年性関節リウマチを患い、体が不自由だったモードでしたが、彼女にとって”絵を描くこと”は、生き甲斐であり生きる術でした。

そしてそんな彼女を不器用ながらも献身的にサポートしたのが、夫のエベレット。

孤独だったふたりがどんな風に運命的な出会いを経て、どんな風に夫婦の絆と真実の愛を育んでいったのか……?

「私は多くを望まないの。目の前に絵筆があればそれで幸せ」そして「あなたと暮らすのが私の幸せ」と言うモードの言葉が心に残ります。

【シネマの時間】第23回は、”人生は美しい色であふれている” 映画『しあわせの絵の具 愛を描く人 モード・ルイス』をご紹介します。

■映画『しあわせの絵の具 愛を描く人モード・ルイス』STORYー絵を描きながらあなたと暮らすのが私の幸せ

カナダ東部の小さな港町で叔母と暮らすモードは、買い物中に見かけた家政婦募集の広告を貼り出したエベレットに興味を抱き、彼が暮らす町外れの小屋に押しかけます。

子どもの頃から重いリウマチを患い、両親が他界した後は一族から厄介者扱いされてきたモードは、なんとか自立しようと思ったのでした。

孤児院で育ち、学もなく、魚の行商を営む無骨なエベレット。

電気も水道もなく、わずか4メートル四方の小さな家で慎ましく暮らすふたり。

そんなふたりの同居生活はトラブルの連続で、揶揄するような噂も広まるのでした。

ある日、魚の行商を営むエベレットの顧客であるサンドラがふたりの家を訪れます。

ニューヨークから避暑に来ている彼女は、モードが壁に描いたニワトリの絵を見て一目で才能を見抜き、絵の創作を依頼します。

そんな中、徐々に互いを認め合い、心を通わせていったモードとエベレットはついに結婚。

絵の創作に集中するモードに代わり、エベレットが家事や営業を担当したりと優しくサポートするようになっていったのです。

そしていつしかモードの絵の評判は広がり続け、やがてアメリカ合衆国大統領のニクソンから依頼が舞い込むまでに……!!

カナダの女性画家モード・ルイスと彼女の夫の半生を、『ブルージャスミン』(2013)
でアカデミー賞助演女優賞にノミネートされた演技派サリー・ホーキンスと『6才のボクが、大人になるまで。』などでアカデミー賞ノミネート常連組のイーサン・ホークの共演で描いた話題のヒューマンドラマ。

監督は、ホーキンス主演のTVドラマ『荊の城』を手がけたアシュリング・ウォルシュがメガホンをとっています。

「人生は、美しい色であふれている」

どんな境遇でも自分次第で一歩を踏み出せば、素晴らしい未来が待っていると感じさせてくれる愛の物語は、あなたにきっと夢と希望を与えてくれるでしょう。

■カナダカナダ大使館高円宮記念ギャラリー「しあわせの絵の具 愛を描く人 モード・ルイス」映画展も同時開催中!

カナダの小さな港町で幼い頃から、重いリウマチを患いながらも自分らしく前向きに生き、季節の風景や動植物などのフォークアートを描き続けた画家モード・ルイス(1903~1970)。

その生涯を描いた映画『しあわせの絵の具 愛を描く人 モード・ルイス』の公開に伴い、東京・赤坂のカナダ大使館では展覧会が開催されています。

劇中で実際に使用された小道具のほか、モードを演じたサリー・ホーキンスが描いた絵画も一堂に展示。

モード役のサリーはもともと両親が絵本作家で美術の素養があり、本作のためにロンドンの素朴派画家の絵画教室に数カ月間通って撮影に臨み、モードが壁や窓に絵を描くシーンでは実際に彼女が描き、映画の見どころとなっています。

会場ではこのほか、モードが実際に絵を描いたクッキー缶がノバスコシア美術館からお目見え。

日本ではなかなか目にすることがない、実物を見ることができるまたとない機会となっています。

どうぞ合わせてお楽しみくださいませ!

会期:2018年2月1日~3月13日
会場:カナダ大使館 高円宮記念ギャラリー
住所:東京都港区赤坂7-3-38
電話番号:03-5412-6304
開館時間:10:00~17:30
休館日:土、日
※カナダ大使館入館には政府発行の写真付身分証明書の提示が必須。 入館の際に手荷物検査あり

“Cape Islander Cove” by Maud Lewis. Courtesy of the Art Gallery of Nova Scotia, all rights reserved.

“Chickadees” by Maud Lewis. Courtesy of the Art Gallery of Nova Scotia, all rights reserved.

“Three Black Cats” by Maud Lewis. Courtesy of the Art Gallery of Nova Scotia, all rights reserved.

“Snowball” by Maud Lewis. Courtesy of the Art Gallery of Nova Scotia, all rights reserved.

“Winter Skiers” by Maud Lewis. Courtesy of the Art Gallery of Nova Scotia, all rights reserved.

“Deer and Fawn in Winter” by Maud Lewis. Courtesy of the Art Gallery of Nova Scotia, all rights reserved.

“The Carriage Ride” by Maud Lewis. Courtesy of the Art Gallery of Nova Scotia, all rights reserved.

“Summer Oxen” by Maud Lewis. Courtesy of the Art Gallery of Nova Scotia, all rights reserved.

“Sunday Ride” by Maud Lewis. Courtesy of the Art Gallery of Nova Scotia, all rights reserved.

■映画『しあわせの絵の具 愛を描く人モード・ルイス』作品紹介

2018年3月3日(土)より新宿ピカデリー、Bunkamuraル・シネマ、東劇ほか全国ロードショー!
公式サイト: http://shiawase-enogu.jp/
公式Facebook:https://www.facebook.com/shochiku.youga/
公式Twitter:https://twitter.com/shochiku_youga

原題・英題:MAUDIE
監督:アシュリング・ウォルシュ
脚本:シュリー・ホワイト
撮影:ガイ・ゴッドフリー
プロダクション・デザイナー:ジョン・ハンド
衣装デザイナー:トリシャ・バッカー
音楽:マイケル・ティミンズ
制作年:2016年
制作国:カナダ・アイルランド
日本語字幕:牧野琴子
後援:カナダ大使館、アイルランド大使館
上映時間:116分/英語/DCP/カラー
配給:松竹
©︎2016 Small Shack Productions Inc. / Painted House Films Inc. / Parallel Films (Maudie) Ltd.

■映画『しあわせの絵の具 愛を描く人モード・ルイス』キャスト

サリー・ホーキンス=モード・ルイス
イーサン・ホーク=エベレット・ルイス
カリ・マチェット=サンドラ
ガブリエル・ローズ=アイダ
ザカリー・ベネット
ビリー・マクレラン

アートディレクション・編集・絵・文=諸戸佑美

諸戸 佑美

本や広告のアートディレクション/デザイン/編集/取材執筆/イラストレーションなど多方面に活躍。

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