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映画『欲望の翼 デジタルリマスター版』感想。ウォン・カーウァイ監督初期の傑作が13年ぶりにスクリーンに甦る!

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『恋する惑星』『ブエノスアイレス』などで知られるウォン・カーウァイ監督。第2作目にして各国の映画祭でセンセーションを巻き起こし、世界的な注目を浴びるきっかけとなった名作映画『欲望の翼』!【シネマの時間】第22回は、2月より全国公開中の『欲望の翼 デジタルリマスター版』をご紹介します。

映画『欲望の翼 デジタルリマスター版』感想。ウォン・カーウァイ監督初期の傑作が13年ぶりにスクリーンに甦る!

©YUMIMOROTO

こんにちは。アートディレクターの諸戸佑美です。

立春を過ぎたとはいえ、まだまだ寒いですがお元気でお過ごしですか?

シネマの時間第22回は、もうすぐバレンタインということで”恋愛映画”をピックアップ!

『恋する惑星』『ブエノスアイレス』などで知られるウォン・カーウァイ監督が、1990年に手がけた長編第2作『欲望の翼』。

1960年代の香港において、若者たちが織り成す恋愛模様を疾走感あふれる映像美で描き、カーウァイ監督の名を一躍世界に知らしめた青春群像劇『欲望の翼』をお送りします。

『欲望の翼』は、ウォン・カーウァイ監督独特のスタイルが確立された原点と言え、実際に本作のモチーフは名作『花様年華』『2046』へと引き継がれています。

「第10回香港電影金像奨」で最優秀作品賞・最優秀監督賞・最優秀主演男優賞(レスリー・チャン)を、第28回金馬奨で最優秀監督賞を受賞!

クエンティン・タランティーノや、昨年のオスカーに輝いた『ムーンライト』のバリー・ジェンキンスといった監督も影響を公言し、2015年にNY・メトロポリタン美術館で行われた「鏡の中の中国」展の芸術監督も任されるなど、ジャンルや国境をも超えて世界的に今なお注目されるウォン・カーウァイ監督。

劇中では、レスリー・チャン演じる主人公のヨディが「1960年4月16日3時1分前、君は僕といた。この1分を忘れない。君とは“1分の友達”だ。」とサッカー場の売り子スー(マギー・チャン)に話しかけ恋仲になる場面なども見どころで、ドラマティックな音楽やファッション性など女性に人気の映画だと言われるのも納得です。

豪華トップスターの織りなす、刹那的で疾走感溢れる演出と映像美をご堪能ください。

■映画『欲望の翼』 STORYー1960年代の香港を舞台に、若者たちの恋愛模様を描いた群像劇

1960年代の香港。

「1960年4月16日3時1分前、君は僕といた。この1分を忘れない。君とは“1分の友達”だ。」

サッカー競技場の売店の売り子スー・リーチェン(マギー・チャン)は、ある日ヨディ(レスリー・チャン)という青年にそう口説かれます。

1度は断ったスーでしたが、やがてヨディに惹かれはじめ恋仲になります。

けれど、結婚を望むスーに対してヨディにはそのつもりはなく、傷ついたスーはヨディの元を去ることに。

ヨディは実の母親を知らず、養母に育てられたのですが、そのことが彼の心に影を落としていました。

ある日、ナイトクラブのダンサー、ミミ(カリーナ・ラウ)と出会い一夜を過ごすヨディ。

部屋を出たミミはヨディの親友サブ(ジャッキー・チュン)と出くわし、サブはひと目で美しい彼女に恋をしてしまいます。

一方、スーはヨディのことが忘れられず夜ごと彼の部屋へ訪れ、夜間巡回中の警官タイド(アンディ・ラウ)は、そんな傷ついた彼女を慰め、想いを寄せるようになるのですが……。

60年代の香港を舞台に、ヨディを中心に交錯する生きることが苦手な都会の若者たち。

それぞれの愛、運命、そして異郷への夢。

「脚のない鳥がいるそうだ。飛び続けて疲れたら風の中で眠り、一生に一度だけ地上に降りる。それが脚のない鳥の最期の時だ」という物語の伏線ともいうべきヨディの台詞は、テネシー・ウィリアムズの小説『地獄のオルフェウス』の一節です。

香港映画史上最も美しく最もミステリアスな1本。

閃光のごとく疾走していく彼らの未来が、香港という街の魅力も合間ってパラレルに描かれ魅力的です。

■香港のバレンタインデー

もうすぐバレンタインデーが近いということで、香港の情人節についてもご紹介しましょう。

香港や中国では、バレンタインデーは「情人節」と呼ばれています。

情人は恋人を表し、この日のカップルたちは日本以上に盛り上がります。

愛し合うふたりにとっては、誕生日や結婚記念日の次に大切な日。

日本では、女性から本命のほか会社の上司や同僚など、女友達にもチョコレートを配るコミュニケーションの一環としての義理チョコ文化が定着していますが、香港では逆に男性から思いを寄せる本命にその気持ちを表し、花束などのプレゼントを贈ります。

情熱的な愛の表現を求める香港の女性たちのために、街中ではアクセサリーショップやデパートなどでバレンタイン商戦も盛んで、プレゼントを選ぶ男性やカップルで賑わうそうです。

世界各国、バレンタインデーひとつとっても違いがあって、面白いですね!

■映画『欲望の翼』作品紹介

2018年2月3日(土)よりBunkamuraル・シネマほか全国順次ロードショー公開!
オフィシャルサイト http://hark3.com/yokubou/

原題:阿飛正傳/DAYS OF BEING WILD
監督・脚本:ウォン・カーウァイ
製作:ローヴァー・タン
製作総指揮:アラン・タン
撮影:クリストファー・ドイル
編集:パトリック・タム
美術:ウィリアム・チャン
音楽:ザビア・クガート、ロス・インディオス・タバハラス
製作年:1990年
製作国:香港
上映時間:95分
字幕翻訳:寺尾次郎 
配給:ハーク
© 1990 East Asia Films Distribution Limited and eSun.com Limited. All Rights Reserved.

■映画『欲望の翼』キャスト

レスリー・チャン=ヨディ
マギー・チャン=スー・リーチェン
カリーナ・ラウ=ミミ
トニー・レオン=ギャンブラー
アンディ・ラウ=タイド(警官)
ジャッキー・チュン=サブ(ヨディの友達)
レベッカ・パン=レベッカ(ヨディの養母)

アートディレクション・編集・絵・文=諸戸佑美

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諸戸 佑美

本や広告のアートディレクション/デザイン/編集/取材執筆/イラストレーションなど多方面に活躍。

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