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映画『ナチュラルウーマン』感想。私らしく、私を生きる愛の物語!

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自分らしく幸せに生きるとは? 【シネマの時間】第21回は、パワフルでエモーショナルな愛の物語! 映画『ナチュラルウーマン』をお送りします。『グロリアの青春』のセバスティアン・レリオ監督が、差別や偏見に負けず凛々しく純粋に生きるトランスジェンダーの女性を描いた話題作です!

映画『ナチュラルウーマン』感想。私らしく、私を生きる愛の物語!

こんにちは。アートディレクターの諸戸佑美です。

あなたは、自分らしく幸せに生きていますか? あなたにとっての幸せとは?

【シネマの時間】第21回は、自分らしく生きたいと願うすべての人に贈るヒューマンドラマ、映画『ナチュラルウーマン』をご紹介します。

トランスジェンダーでナイトクラブの歌手マリーナは、歳の離れた恋人オルランドと暮らしていました。

ある夜、オルランドが突然亡くなり、マリーナは思いもかけないトラブルに巻き込まれます。

最愛の人を失った悲しみの最中に浴びせられる、不躾で容赦のない差別や偏見。

愛する人の思いを胸に、マリーナは前を向いて歩き始めるのですが……。

第67回ベルリン国際映画祭脚本賞受賞、第42回トロント国際映画祭SPECIAL PRESENTATIONS部門出品、第89回アカデミー賞外国語映画賞チリ代表作品となるなど熱い注目を集める話題作!

2018年2月よりシネスイッチ銀座、新宿シネマカリテ「YEBISU GARDEN CINEMA」ほか全国にてロードショー公開です!

■映画『ナチュラルウーマン』あらすじーー私らしく、私を生きる

チリ、サンティエゴ。ウェイトレスをしながらナイトクラブで歌っているトランスジェンダーのマリーナは、テキスタイル会社を経営する年の離れた恋人オルラルドと誕生日を祝います。

一緒に暮らす家に戻ったふたりは体を重ねますが、その夜中突然ベッドでオルラルドの具合が悪くなってしまいます。

マレーナは、玄関を出て階段から転げ落ち、頭部などに怪我を負ったオルラルドを車に乗せて急いで病院に連れていったものの、彼は動脈瘤によって息を引き取ってしまいました。

動揺のあまり一旦病院を離れたマリーナは、オルランドの死の関与を疑われ、警察から身分証の提示を求められることに。

マリーナの連絡によって病院にやってきたオルランドの弟のガボは、「いろいろとありがとう。大変だったね。会えてよかった」と彼女を労いますが、悲しみに浸る間もなくオルラルドの元妻や性犯罪捜査官の女性刑事、オルラルドの息子が訪ねてきます。

彼らの不躾で容赦ない差別や偏見。

「このアパートをいつ出る? 追い出すぞ。お前の家じゃない。信じられん。父は気が狂った。何も盗むなよ」と言い捨てて出て行く息子。

ふたりで暮らしていた思い出が詰まった部屋から追い出されそうになり、葬儀に参列することも禁じられてしまった彼女は、どうにか最後の別れを告げたいと願うようになるのです。

前向きに生きようとするマリーナは、歌のレッスンのために師の元を尋ねます。

「何時に来ようと構わない。君の支えにもなる。だが私は歌曲の先生だ。サルサやメレンゲじゃない」という師。

部屋にはピアノに合わせてマリーナが歌うヴィヴァルディの「sposa sondisprezzata」が響き、彼女は向かい風の中を進んでいきます。

この映画の象徴的な場面です。

ある日、帰宅すると家は荒らされ、愛犬ディアブラの姿が消えていました。

マリーナは、身の危険を感じ荷物をまとめてアパートを引き払い、姉夫婦の元に身を寄せます。

しかしながら愛犬のディアブラを取り戻しに行くと言って、来るなと言われていた通夜へ向かった彼女を待っていたのは、オルラルドの息子たちの手ひどい暴力でした。

傷心のままクラブへと行った彼女は、音楽に身を任せながらオルラルドの亡霊を目にします。

度々、幻影となって彼女を励ますように現れるオルラルド……。

自分らしく生きるとは、愛するとは?

『ナチュラルウーマン』は、法で守られていないパートナーシップの社会的な脆さや、マリーナのジェンダー・アイデンティティを拒絶し、ふたりの関係を理解しない人たちの姿を描いてます。

一方で、彼女に対してフェアで温かな態度を示す人たちの存在も描き出し、リアルな世相を浮かび上がらせます。

逆境に負けず、自己を肯定しながらまっすぐ前を向いて進もうとするヒロインから、きっと観る者は共感と勇気を感じることができるでしょう。

自分らしく生きたいと願うすべての人への贈り物とも言える人生賛歌です。

■新進気鋭の監督のもとに才能が集結!

監督・脚本は、躍進めざましいチリ映画界が生んだ新鋭、『グロリアの青春』のセバスティアン・レリオ!

主演のマレーナは、自身もトランスジェンダーの歌手ダニエラ・ヴェガが抜擢され、唯一無二の存在感を放ち、喜びと悲しみを繊細かつエモーショナルに演じて魅力を放っています。

恋人であるオルラルドには、『ネルーダ 大いなる愛の逃亡者』などチリを代表する演技派俳優フランシスコ・レジェス。

また、『ジャッキー ファーストレディ 最後の司令』『ありがとう、トニ・エルドマン』などの実力派プロデューサー陣も集結。

さらに劇中で流れる音楽もマレーナの心情を語り見所で、ダニエラ・ヴェガ自身が歌うヘンデルのアリア「オンブラ・マイ・フ」や、アレサ・フランクリンが歌う「(You Make Me Feel Like)A Natural Woman」(作詞作曲/キャロル・キング)は、どんなときも当たり前にありのままの自分を受容し愛してくれる人への深い思いに胸を打たれます。

老若男女関係なく素晴らしい魂のつながりを感じつつ、広い世の中で偶然出会って、ありのままの自分を大切にし合える存在は、とても貴重でかけがえのない関係だと思わずにいられません。

■映画『ナチュラルウーマン』作品紹介

2018年2月よりシネスイッチ銀座、新宿シネマカリテ、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国ロードショー!
公式ホームページ http://naturalwoman-movie.com

原作:Una Mujer Fantastica
監督:セバスティアン・レリオ
脚本:セバスティアン・レリオ、ゴンサロ・マサ
プロデューサー:ファン・デ・ディオス・ラライン、パブロ・ラライン
共同製作者:ヤニーネ・ヤツコフスキ、ヨナス・ドルンバッハ、
マーレン・アデ、フェルナンダ・デル・ニド
製作総指揮:ジェフ・スコール、ジョナサン・キング、
ロシオ・ジャデュー・Z、マリアン・ハート、ベン・フォン・ドベネック
撮影:ベンハミン・エチャサレッタ
美術:エステファニア・ラライン
音楽:マシュー・ハーバート
衣装:ミュリアル・パラ
編集:ソルダット・サルファテ
製作国:チリ・ドイツ・スペイン・アメリカ合作
製作年:2017年
配給:アルバトロス・フィルム
上映時間:104分
©️2017 ASESORIAS Y PRODUCCIONES FABULA LIMITADA; PARTICIPANT PANAMERICA, LCC; KOMPLIZEN FILM GMBH; SETEMBRO CINE, SLU; AND LELIO Y MAZA LIMITADA

■映画『ナチュラルウーマン』キャスト

ダニエラ・ヴェガ=マリーナ
フランシスコ・レジェス=オルランド
アリン・クーペンヘイム=ソニア
ルイス・ニェッコ=ガボ
ニコラス・サヴェドラ=ブルーノ

【シネマの時間】
アートディレクション・編集・絵・文=諸戸佑美
©︎YUMIMOROTO

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諸戸 佑美

本や広告のアートディレクション/デザイン/編集/取材執筆/イラストレーションなど多方面に活躍。

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