恋愛への力が抜けたとき、共通の趣味・音楽が出会いのきっかけに【疲れない出会い】
『DRESS』1月特集は「疲れない出会い」。恋愛への入口となる「出会い」で、背伸びしたり、無理したり、取り繕ったり。自分を追い込んでつらいと感じているなら、がんばりすぎないで。背伸びせず、自然に過ごすなかで出会って、恋愛を経て結婚したふたりの事例をお届けします。今回は趣味の音楽を通じて出会ったふたりをご紹介します。
素敵なパートナーがほしい、いい結婚がしたい――出会いを求めて活動するなかで、どこか疲れを感じていませんか。
合コンやパーティーにたくさん参加するけど、心に響く人がいない。マッチングアプリで色んな人と会うけど、「この人!」という相手に巡り会わない。がんばっているのに実りがないと、どっと疲れに襲われる瞬間がありますよね。
「恋って、こんなに疲れながら始めるものだったっけ……」と思い始めた人へ、今回はもっとナチュラル出会いをご提案。趣味を通したナチュラルな出会いから、結婚までに至った素敵な30代夫婦に話を聞きました。
登場していただくのは、お互いが33歳のときに出会い、1年の交際を経て結婚した、佐藤光一さん(36歳・仮名)、舞さん(36歳・仮名)ご夫妻です。
■33歳で出会うまで、恋に疲れを感じていた
幸せそうなおふたりですが、光一さんに出会うまでの20代は、疲れた恋愛ばかりしてきたと振り返る舞さん。
「過去に付き合った人たちは、一緒にいても心が休まらないというか、振り回されることも多かったです。楽しい相手だけど、どこか危なっかしい。恋人としてはいいけど、結婚は考えられませんでした。
最後に付き合った彼と別れた後、1年半くらい恋人がいない時期がありました。合コンも行きましたが、数合わせ程度での参加。積極的ではなかったですね。合コンって、『あり・なし』のジャッジが早いというか。開始早々、気に入らなかったら存在を否定されるというか。そんな感じで、あまり好きではなかったんです。
他にいい出会いは特になくて。30歳を過ぎてから、生活が徐々に停滞してくるのを感じていました。何に対しても本気になれないというか。人生に退屈を感じていた時期でしたね」(舞さん)
一方、光一さんにも、恋愛に疲れを感じていた時期があったといいます。
「妻に出会うまでは、だいぶ長いこと彼女がいなかったんですね。30歳を過ぎたあたりから、結婚はまあ、ちらついていましたが。『彼女ほしいな』とはなんとなく思っていて、とりあえず、街コンや合コンなど出会いの場に行きました。
でも、特に実りはなく。ちょっと疲れが出てきたので、『もういいかぁ。そのうち出会うか~』と力が抜けたタイミングがありました。その力が抜けたときですね、彼女と出会ったのは」(光一さん)
■共通の趣味「音楽」を通して出会う
ふたりを結びつけたのは、共通の趣味である音楽。知らない人同士がセッションできるミュージックバーで、運命の出会いがありました。
「ちょっとお節介なマスターがいて(笑)、知らない人同士でバンドを組ませるのですが、ある日セッションをしたバンドにいたのが今の夫です。第一印象は、穏やかな人。私は会ったときから一目ぼれと言うか、それまで恋愛で疲れ気味だったので、『私はこういう人と結婚したほうがいい』という直感めいたものがありました。
物静かな感じで、これまでと違うタイプの男性。恋をするというよりは、仲良くなれそうだな、と思ったのを覚えています。そのあともちょっと気になって、自分から飲み会をセッティングしました」(舞さん)
飲み会に誘われたとき、光一さん的には「なんだろう? これは合コンなのかな」という感じだったそうです。その飲み会の後からは、ふたりで食事をするように。
「LINEではほぼ毎日連絡を取っていましたね。コアな音楽の話で盛り上がりました。お互い音楽が趣味なので、話が途切れることはなかったです」(光一さん)
■出会いから1カ月で交際、結婚へと加速
出会いから1カ月で交際をスタートしたふたり。お互いが「無理をしなくていい、居心地のいい関係」と感じていたそうです。付き合ってすぐに、ある出来事をきっかけに、結婚へのスピードが加速していきます。
「付き合ってすぐに、僕が転職をすることになりました。そのとき、彼女が相談にのってくれたり、いろいろサポートしてくれたりして、自分の背中を後押ししてくれたんです。それがかなり心強かったですね。おかげで転職も成功しました。
彼女は良い運気を持っているというか。『これからも、こういう人と一緒だったらいいな』と思い、結婚を意識するようになりました。転職することで、収入が上がったし、家庭を持つ自信がついたというのもあります」(光一さん)
転職を機に光一さんが引っ越し。そのタイミングで、同棲をスタート。そこからは自然な流れで結婚に至ったそう。
「同棲が決まったタイミングで、両親に挨拶に行きました。私の実家が岩手にあるのですが、出会ったときに、彼と新幹線で一緒に帰る姿が想像できたんです。この人だったら、うちの両親も気に入りそうだな、なんて。
これまで恋愛ではしんどい思いをしてきたけど、落ち着けそうな相手だと感じていました。『我ながらイイ男を選んだな!』と思いますよ(笑)」(舞さん)
■疲れない出会いを見つけるには「肩の力を抜くこと」
ふたりのように、ナチュラルな出会い、疲れない出会いを見つけるコツは何でしょうか。聞いてみると、共通の答えが返ってきました。それはズバリ、肩の力を抜くこと。
「出会うぞ! と構えてしまうと上手くいかないものです。だから力を抜いたほうがいい。そういう意味だと、合コンは確率が低いかもしれません。変な期待感も生まれてしまいますし」(舞さん)
「合コンや街コンよりは、友達が主催している集まりやイベントなどがいいかもしれませんね。共通の誰かがいるから、安心できる。出会いが目的じゃないので、心のハードルも下がるし。とにかく出会いを意識しないことが大切ですね」(光一さん)
■まとめ
たしかに、恋愛疲れを発症する人は「いい人を見つけたい」「男性に好印象を与えたい」と、がんばりすぎるふしがあるのかもしれません。出会いは、「出会い目的以外の場所」にもあふれているという事実。それに気づかされる今回のふたりのお話でした。
「出会うこと自体に疲れているかも……」と感じている人は、一度出会いを封印して深呼吸を。出会いを意識せずに、自然な流れで知り合うところに、運命の恋が潜んでいるのかもしれません。
Text/東香名子
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