【海外で、産む】推奨体重増加量がゆるい! マレーシアで親子教室に参加して驚いたこと
妊娠7ヶ月を迎え、マレーシアの病院が主催する親子教室に参加しました。必要な知識の勉強だけでなく、無痛分娩や推奨体重増加量など、自分の中にあった常識とマレーシアの常識の違いを学ぶことができた有意義な機会でした。
■海外で参加する親子教室
妊娠7カ月を迎え、親子教室に参加することにしました。
マレーシアで出産予定なので、日本の市町村が主催するものやベビー用品メーカーが主催するイベントなどには気軽に参加できませんが、調べてみるとクアラルンプールの日本人会が主催する親子教室と、出産予定の病院が主催する親子教室があることがわかりました。
日本人会が主催する親子教室は、当たり前ですが日本語での開催かつ日本語で話ができる人と知り合えるチャンス。興味はそそられたものの、あいにく5回中4回が平日開催で、夫も私も参加するのが困難……。
一方で、出産予定の病院を含む多くの総合病院では、平日の遅い時間帯か土曜日に開催がほとんどでした。平日の日中に働いている人でも参加しやすいスケジュールで、英語にやや不安があるもののこちらに参加することに決めました。3日間のクラスで費用は220RM(日本円で約6000円)。
海外出産なので、検診費用は全額自己負担(※)ですし、この手のイベントも有料のものばかりです。
※駐在員の場合、会社によっては検診費用を全額もしくは一部負担してくれるケースもあります。
日本にいれば出産にまつわる費用がもっと安く済んだかも、と考えなくもないですが、「お金は出産後でも稼げるんだし、出産前の今のうちに学ぶべきことにはケチらず投資しよう」と割り切りました。
■親子教室のカリキュラム:私が出産予定の病院の場合
15組のカップルのうち、わからない単語を辞書アプリで必死に検索しながら参加していたのは私たち夫婦だけでした。おそらくほかの全員は、英語の堪能なマレーシア人だと思われます。そしてマレー系、華僑、インド系と多民族国家マレーシアを象徴するようなメンバー構成でした。
カリキュラムについて簡単にご紹介します。
■ 初日(座学)
・出産の流れ
・無痛分娩の紹介(※)
・沐浴方法
・入院時の病室の見学(※)
■2日目(ヨガマットの上で軽くエクササイズ)
・陣痛〜出産時の呼吸の練習(※)
・妊婦向けエクササイズ
■3日目(座学)
・妊婦の体調・体重管理(※)
・授乳方法
・赤ちゃんによくあるトラブルと対処方法
※印をつけた部分について、「日本ではありえない」だったり「私立の総合病院ならでは」と感じたので、次以降で詳しく解説します。
■無痛分娩の紹介について
マレーシアでは、「無痛分娩」が選択肢として一般的だそうです。そして、この病院で出産予定の妊婦とそのパートナーを対象とした親子教室なのでその前提の話といいますか、
・痛みをなくすのではなく軽減させるために、硬膜外麻酔を打つことができます
・複数の麻酔医が24時間体制で勤務していていつでも対応できます。事前に計画分娩を予約する必要はなく、陣痛がある程度進んだ段階で、必要に応じてリクエストしてください
という、無痛分娩を選択する際の流れの紹介がありました。
無痛分娩で出産した女性とそのパートナーが経験談を語るビデオもありました。
日本で起きた無痛分娩にまつわる悲しいニュースを何度も目にしましたし、日本在住の友人からは「東南アジアで無痛分娩なんてリスクが高すぎる」というアドバイスももらいましたが、経験豊富な麻酔医がいて、かつ万一に備えて手術やNICU(新生児集中治療室)の設備が整っている総合病院であれば、日本在住の方が不安に思うようなリスクはそこまで高くないのでは、という印象を受けました。
マレーシアやフィリピン、シンガポールなどで日本人女性が無痛分娩で出産した話もよく耳にしますし、経験者は皆口を揃えて産後の体力回復が早いと言いますし、今のところ無痛分娩で出産する予定です。
■入院時の病室の見学について
私立の総合病院ならでは、かもしれません。病室のランク・価格にもかなりの開きがあります。
大きく分けると4人部屋、2人部屋、1人部屋という3種類の部屋構成で、1人部屋になるとシャワールーム・トイレ付き、エクストラベッドを付ければ同伴の家族の宿泊もOKとのことでした。
また、一人部屋の中にもいくつかランクがあります。添付画像のお部屋は真ん中あたりのレベルのお部屋。
4人部屋だと1泊100RM(約2700円)で済みますが、最上位のプレジデンシャル・スイートはなんと1泊3800RM(約10万円)! どんな方が泊まるのか……。
1人部屋の一番安いお部屋が250RM(約6800円)なので、そこにしようか思案中です。
■陣痛〜出産時の呼吸の練習について
子宮口が全開になったら「ヒッヒッフ〜」を繰り返すものだと思っていましたが、時代が違うのでしょうか。はたまたお国柄なのでしょうか。
配布資料によると、陣痛が来てから産むまで陣痛にもいくつか段階があり、その段階に応じて呼吸法も変わるそうです。4つある図のうち、緩やかな山のような線が陣痛の波で、下の細かい線が呼吸。
ただし、実際に陣痛が来た際に、これをきちんと思い出せるかどうか自信はありません……。
■妊婦の体調・体重管理について
簡単に言ってしまうと「栄養あるものを食べて、適度に運動を」というお話ですが、驚いたのは
「甘いものは控えましょう」というありがたいお話のあとに出されるおやつ!
いえ、このときだけでなく、3回あった親子教室で毎回フルーツとケーキがおやつとして提供されていました。フルーツはともかくケーキはかなり甘かったです。
そしてもうひとつ驚いたのは「推奨体重増加量」。日本ほど体重制限が厳しくないどころか、「そんなに太っても大丈夫?」という数値なんです。
日本だと、といっても私が日本にいた4年と数カ月前までの印象ですが、「小さく産んで大きく育てる」というのが美徳で、妊娠しても7〜8kg程度しか太ってはいけないものだと思っていました。
日本の厚生労働省の推奨体重増加量と、親子教室で言われた増加量を比較する表を作成したのでご覧ください。
けっこうな違いですね。
私は妊娠6ヶ月の時点でプラス6kg、日本人には「もう6kg?」と驚かれる反面、病院のナース含むマレーシア人やインドネシア人、フィリピン人には「たったの6kg? もっと食べなきゃだめよ」と驚かれます。体重管理にうるさそうな日本ではなく東南アジアで産むことにしてよかったです。
■おまけ:出産時に必要であろう最低限の英語
親子教室で初めて聞いた英単語と英語圏で出産した友人の話を総合すると、次の6単語さえ覚えていればなんとかなるようです。英語圏で産む予定がある方は、頭の片隅に入れておいてください。
contraction:陣痛
epidural:硬膜外麻酔
caesarean section:帝王切開
inhale:息を吸う
exhale:息を吐く
push:イキむ
■最後に
無痛分娩が選択肢として一般的だったり、推奨体重増加量がかなり多かったりと、日本との違いをまざまざと実感した親子教室でした。
「郷に入れば郷に従え」ということわざの通り、日本で見聞きした常識にとらわれず、病院の医師や看護師を信じて出産に臨みたいと思います。