母親に恩を感じても好きになれない。こんな私は間違ってる?【大人のお悩み相談室 #10】by サツキメイ
DRESS公式占い「愛を引き寄せる星占い」でもおなじみ、占い師・サツキメイさんによる連載「大人のお悩み相談室」。生き方や働き方、恋愛、結婚etc.迷える女性たちの相談にのっていただきます。今回は第10回です。
目次
大人の女性のリアルなお悩みに、リアルに回答する連載「大人のお悩み相談室」。DRESS公式占い「愛を引き寄せる星占い」でもおなじみ、占い師・サツキメイさんが回答します。
※なお、サツキメイ先生多忙のため、本連載は今回で最終回となります。ご愛読、ご応募、本当にありがとうございました。
お悩み#10「母親との関係がつらい。恩は感じるけれど、好きではない……こんな考えは間違っていますか?」
母親が苦手です。母は昔から自慢が好きで見栄っ張りな性格。近所のゴシップも大好きで、TVのニュースも人が亡くなるような大事件でも嬉しそうに騒ぎます。
それなのに、兄が不登校のときは世間体を気にしてずっと隠していました(現在も兄は引きこもりです)。私が過労でうつ病になったときも親族にまで隠せと言われ、好きだった叔母の葬儀にも出れませんでした。
おかしいと思った親族に聞かれた母は、兄と私は「仕事が抜けられない」とウソをついたそうです。そのせいで親族からは「無礼な娘」と思われています。
また、兄や私を心配してくれるようなことも、解決のためにいろいろ調べることも、まったくしてくれませんでした。今はひとり暮らしをしていますが、母から連絡が来ると苦痛です。
育ててもらった恩は感じていますが、好きとは思えません。私は間違っていますか? それとも親子にも相性があるのでしょうか? 相性が悪い場合の対処法も含めてアドバイスをお願いします。
(29歳 派遣社員 くろくま)
サツキメイさんの回答「親子でも別の人格なので、もちろん合う・合わない=相性はあります」
くろくまさん、こんにちは。ご相談ありがとうございます。わたしも母とは折り合いが悪く、くろくまさんのお母様がわたしの母と似たタイプなので、驚いてしまいました。
結論から言いますと、「愛せなくてもOK」です。なぜなら、くろくまさんが質問してくださったように、「相性」があるからです。
確かに親を愛せたら幸せなことですし、世間では「親を愛するほうが正しい」と言われますが、そればかりは「相性」つまり、合う・合わない次第です。
そして、生まれ持った個性は、親子でもきょうだいでも、実際はかなりバラバラです。わたしの専門である占星術では、たとえ家族でも、ホロスコープ(生まれ持った星の配置)を拝見すると、道徳観から、得手不得手、望む生活や生き方、趣味嗜好、考え方まで全然違うので、「家族、親子であっても別の人格」として捉えます。
ですから当然、「合わない」、いわゆる相性が悪い場合もあります。もちろん相性が悪くても、お互いが違いを認め合い、理解を深め、歩み寄る努力をしていけば改善できる場合も多いのですが、これは子供側だけががんばっても、どうにもならない、というのが悲しいところです。
親側が、子供には自分の理想通りに育ってほしい、と望みすぎるのも要因のひとつ
また、親子関係が悪化する要因として、親御さん側が、子供の個性や適性を尊重せずに、「考えの押し付けをしてくる」というパターンも大変に多いです。
わたしの周囲にも、親子関係に悩まれている方はたくさんいらっしゃり、「円満で仲良し」な親子は、3〜4割くらいです。つまり半分以上の方は、親との折り合いの悪さに悩んでいらっしゃいます。
そして、悩まれている方のお話を伺うと、親子でも価値観がかなり違い、親御さん側が、一方的に価値観=理想を押しつけてくる、というのが原因である場合がほとんどです。
そうした親御さんは、子供を「自分の作品」という考え方でおられることが多いです。「子供には自分の望む通り、理想の通りに育ってほしい」という考え方です。
例えば、子供側は望んでいない、あるいは苦手なのに、高学歴や、有名企業への就職、好条件の相手との結婚等を求めてくる、などですね。
そうでないと周囲との比較や否定をされ続け、結果的に大人の引きこもりになってしまった方とも、ずいぶんお会いしてきました。
くろくまさんとお兄様も、「親の理想通りの生き方を強いられ続けてきた方」なのだと思います。そしてお母様は、きっと「世間に自慢出来る子供がほしいタイプ」の方なのでしょう。
このタイプの親御さんは、子供が周囲に自慢できる経歴がある、そういう生き方をしていることを望みます。また、そういう考え方だからこそ、自分の理想と違うと、子供の話を隠す傾向があります。
「理想通りじゃない」から隠す、というのがお母様のお気持ちなのかもしれません。
「感謝しているが愛せない」でもOKです
特にくろくまさんの場合は、お母様が世間体ばかりを気にしていて、一番気にかけるべきお子さんたちのほうを向いていない状態ですから、お母様に「問題アリ」かと思います。
くろくまさんのほうは、お兄様を心配し、叔母様の葬儀にも出たかった、という心が温かい誠実なお人柄ですから、世間体最優先のお母様とは、本当に合わずにご苦労をされてきたことでしょう。
もう充分、我慢してこられたと思いますから、今のまま、「感謝はあるが愛せない」でいいと思います。
本当は、お兄様の引きこもりや、くろくまさんのうつ病など、お母様には「変わる」チャンスがちゃんとあった。そこで子供と向き合う生き方に変えることもできたはずです。
しかし、それをしなかった時点で、今から変わることは難しいでしょう。ですから今後は「こういう価値観の人なのだ」と割り切って、必要なときだけ淡々と関わる、という付き合い方をなさってください。
親と子供とはいえ、別の人格なのですから、「合わない場合もあるのが普通」と考えるようにすると、楽になれるのではないかと思います。
ご自分で努力をされ、自己分析もされ、現実的な理解もしてらっしゃるくろくまさんを、わたしは素晴らしいと思います。その環境から出るという決断をすることも「好きではない」と言うのも、大変勇気が要ることだったかと思います。
どうぞこれからは、くろくまさんらしい人生を、自信を持って送ってくださいね。