30代女、大人になって歯列矯正を始めた理由【大人の歯列矯正日記#1】
大人になってから歯列矯正を始めたユキ・クリヤマさんによる、歯列矯正の模様をほぼリアルタイムでお届けする連載「大人の歯列矯正日記」。#1では30代を過ぎてから歯列矯正に踏み切った理由や自分に合うクリニック選びのコツをまとめました。
■「歯並びが良かったら、かわいかったのにね」の呪い
私には、DRESSやTwitterのアイコンに使っているポメラニアン(犬)のように、八重歯があります。
八重歯を意識し始めたのは、小学生の頃です。
親の関係で初めて会った大人のお姉さん(小学生の私にはとてもセクシーで知的に見えた、素敵なアラサー女性でした)に、「あら、ユキちゃん、歯並びが残念ね。歯並びが良かったら、かわいかったのにね」と笑顔で言われました。
小学生の私は、ポカーンとしました。この人、初対面でなんてこと言ってくれるの? と。
■お姉さんの金言:整形や脂肪吸引と違って、歯列矯正は堂々と自分の容姿を変えられる
ただ、そのお姉さんは軽やかな笑顔で、付け加えました。
「ユキちゃん、いい? 大人になったらその歯並びを直しなさい。整形や脂肪吸引と違って、歯列矯正は堂々と自分の容姿を変えられる手段よ。それをやらないでいるなんて、女の子としてもったいないよ。直せるコンプレックスは自分で直す。大人の女性になったらそうやって生きないとね」
小学生のユキちゃんは、「歯並びが良かったら、かわいかったのにね」=八重歯のある私はブス、と思い込んで、たいそうショックを受けたのでした。
と同時に、「歯並びを直してもう少しかわいくなれるなら、大人になって自分のお金を稼げるようになったら、絶対に直そう」と決意したのでした。
■大人になって歯列矯正を始めた理由:(1)同僚の一言
そんな固い決意も忘れて、社会人になってからは、外資系コンサルティングファームでそれはそれはごりごりと朝から夜中まで働きました。
ただ、外資系なのでたまに、「ユキ、歯列を直したら?」と外国人の同僚に言われるのです。
八重歯はチャームポイントとも言ってくれる人は日本にはまだまだいますが、海外(特にアメリカ)では「ドラキュラ」と言われることも。
そして、あっという間に30代、私は中間管理職になりました。そうなると、外国人の同僚がどんどん増え、「ユキ、歯列を直したら?」と言われる頻度が増えたのです。
あるとき、仲のいいアメリカ人の同僚から、はっきりと言われました。
「歯列を直していないと、自分のケアができない大人に見える気がするのよね。そんな人に、会社はリーダーシップを任せるかな?ユキには十分な経済力があるんでしょ。歯以外はきちんとProfessional look(※弊業界では、職業人としてきちんと見えるファッション・髪型・態度などを総称してこのように表現する人が多いです)で過ごしているのに、歯だけがアンバランスだよ」
■大人になって歯列矯正を始めた理由:(2)かみ合わせの悪さからの肩こり・腰痛
私は、「一生肩こり・腰痛から解放される薬や方法があるなら、1000万くらい支払う!」と半分くらい本気で思うほどの、ひどい肩こり・腰痛を抱えています。
職業柄、朝から夜中までデスクワークをしているので、肩こり・腰痛があるのだ、やむなし……と思い込んでいました。
しかし、あるとき。矯正歯科医をやっている知り合いから、「ユキちゃん、歯列のせいでかみ合わせがおかしいよ、ちょっと見せて」と言われました。
「審美的にも改善の余地があるし、肩こり・腰痛で週2回くらいマッサージや鍼灸に行ってると前聞いたけど、かみ合わせ(咬合)のせいもあると思う。保証はできないけど、矯正することで肩こりや腰痛も改善されると思うよ」
そのとき、「コンプレックスも払しょくされるし、仕事の場で歯を指摘されることもなくなるし、ついでに肩こり・腰痛が軽減されるなら、一石三鳥! お金を貯めて歯列矯正にトライしてみよう」と思い立ったのでした。
■歯列矯正をお任せするクリニック選びのコツ
最終的には、前出の歯科医の知り合いに、歯列矯正をお願いすることに。ですが、いわゆる合い見積もり的に複数のクリニックを訪ね、下記の項目で比較検討しました。
もし、私同様に、大人になってからの歯列矯正を検討されている方の参考になったらうれしいです。
1. 病院候補出し
(ア)すでに矯正中のリアル友人の通っている病院
2. 診療方針
(ア)金額感
(イ)上下同時にする? どちらかからスタート?
(ウ)何年くらいかかる?
3. 何本抜歯するか
個人的に抜歯が怖かったので、聞いてみました。クリニックによってまちまちで2本というところや3本というところがありました。
4. お話ししやすいドクターか
長くお付き合いするので、ウマが合う人が良かったのです。
5. 裏側からの舌側矯正は可能か
私はお客さん相手の商売なので、見た目に矯正装置が見えるのを避けたかったため、表側に器具をつける矯正(表側矯正)は検討しませんでした。最初から「舌側矯正をお願いしたいのですが」と確認しました。
■クリニックを選び、治療を始めてみて……
上記の「4.お話ししやすいドクターか」は、いい塩梅にキャリア・人生経験を重ねた私たちDRESS世代には、とても重要なことに思えます。
人を見る目を養ってきているので、少しでも信用できないと、一気に不安・ストレスになってしまうなぁと、実際に通い始めて思いました。
私が通っているクリニックのドクターは、患者の心配を取り除くことに、とても力を注いでくださる方です。
例えば装置を付けてもらう前には、「1週間だけしんどいけど、1週間が耐えられなくて治療をやめた人はいないから、大丈夫だよ」とさらっと声かけをしてくれました。
次回に書かせていただければと思いますが、その一言は実際に装置を付けてもらって慣れるまでの最初の数日を耐えるのに思い出して、「大丈夫」と思えるお声がけでした。
まとまったお金と時間を費やしてトライする歯列矯正。こんな風にコミュニケーションでき、信頼できるクリニックに出会って治療を始められる方が増えると嬉しいです。