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曖昧な男に私の人生を預けるわけにはいかない

ずっと白馬の王子様を待っていた。けれど、パートナーの悪口を言って、好きという感情も薄れていくような結婚生活を送るくらいなら、結婚はしなくていい。ファイナンシャルプランナー・河原田 文さんによる恋愛エッセイです。

曖昧な男に私の人生を預けるわけにはいかない

大学は私大の理工学部。今度は男子学生ばかり

幼稚園から高校までエスカレーター式の私立女子高校で育ちました。大学は私大の理工学部。今度は男子学生ばかりで、はい、正直、かなりモテました(笑)。適当に彼氏も作りましたが、どの恋もあまり長続きしなかったな。大学院を卒業して、24歳で大手銀行の総合職に。最初の赴任地が大阪で、法人営業融資課に配属になるんです。仕事は超ハード。とにかく、がむしゃらに働きました。高卒や短大卒の女の子たちからは「姉御」なんて呼ばれちゃって。彼女たちは男性行員からモテモテなのに、私に求められるのはいつもキューピッド役ばかり。大学時代とは一転して全然モテなくなったんです。不本意でしたね。でも、「誰か紹介しろ」とか口が裂けても言えない。ある意味、お高く留まっていたのかも。あ、これは今でもそうかもしれません。自分から好きとか言ったことないし……。恋愛に関しては受け身でしたね。

その後、東京の企画本部に異動になり、30歳で銀行を退職。尊敬する上司と共同で経営コンサルティング会社を起業しました。そして、32歳、ようやく私にも出会いが訪れるんです。相手は絵に描いたようなエリートサラリーマンで、肩書き的には文句なし。実は20代のときからの知り合いで、当時もひそかに「彼となら結婚してあげてもいいな」なんて上から目線で思っていた存在でした(笑)。そんな「理想の彼」と久しぶりに再会し、意気投合。仕事帰りに飲んだり、一緒に出かけたりするうちに、告白され、交際が始まりました。

曖昧な男に私の人生を預けるわけにはいかない

まさに願った通りの展開になったのですが、その頃は仕事も超順調だったので、私自身は「当然でしょう?」という態度。特に舞い上がることもなく、むしろなんとなく醒めた気持ちを抱えながら、ダラダラと一緒にいました。そして、妊娠。お恥ずかしい話ですが、「こんなに仕事が忙しくて身体も疲れているから、妊娠なんてしないだろう」と根拠なく思っていたので、まさに青天の霹靂でした。それをきっかけにプロポーズされていたら? たぶん、結婚していた……と思います。でも、残念ながら、決定的な一言がなかったので……。確か「どっちでもいいよ」って言われたのかな。そんな言葉じゃ、納得いかなかったんですよ。こんな曖昧な男に私の人生を預けるわけにはいかないって。「文ちゃん大好き!」ってストレートにきてほしかった。

たぶん、友人期間も含め、「長い春」を引っ張りすぎたんですね。「馴れ合いのように続いていた」関係を劇的に前進させるきっかけを逸してしまったというか。お互い、結婚に向かって一直線になる「情熱」を持てませんでした。

産まない選択ですか? うーん、迷いが一切なかったとは言えないけれど、その決断が私にとって「まっすぐに前に進めない要因」になるほうがイヤだったんです。将来、自分の人生に影を落とすかもしれない道を選ぶなんてできませんでした。幸いなことに、たとえ育児のために一時期仕事を休んでも食べていけるだけの蓄えはありましたし、コンサルティング会社を辞めた後は、フリーのコンサルタントとして生計を立てな柄、今は10歳の娘とふたりで暮らしています。

ずっと白馬の王子様を待っていました。

ずっと白馬の王子様を待っていました。たぶん、今でも……。私にとって結婚とは大好きな人とキラキラした時間を過ごすことなんです。それが無理なら、結婚なんてしなくていい。よく結婚して旦那の悪口ばかり言ってる人がいますよね? 「それ、彼氏だったら別れているよね? でも、結婚したら我慢しなきゃいけないんだ」って聞くと、「だって、旦那がいないと生活していけないし」って。結局、結婚ってお金なのかな。私はずっと働いてきたし、それなりに稼いできたので、経済的な安定を結婚に求めたことがないんですよね。今もお付き合いしている人はいますが、結婚は微妙ですね。すでに娘との生活スタイルができていて、彼女が20歳になるくらいまでこのリズムでいいかな、と思っているので。

「なぜ、結婚しないの?」と聞かれたら、さてどう答えましょうか。

「自分に自信があるから!」ではダメですか? 結婚しないで子供を産む道を選んだとき、既婚の友人からは「短絡的」「浅はかだ」と忠告されましたが、「余計なお世話だ」と心の中で(笑)。憧れるのは、年とっても手を繋いでいられるようなラブラブカップルです。だって、すごく好きな人とずっと一緒にいられるなんて、ホント、幸せじゃないですか。私が結婚に求めるのは、ただただ、それだけなんです。

※この記事は2013年1月30日に公開されたものです。

DRESS編集部

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