有名税ってありますか?

有名税ってありますか?

「有名税ってどんなもの?」「有名になるメリットとデメリットってなんですか?」などとよく尋ねられる。本気で取り組めば、多少の有名税を支払うことになったとしても、新たなチャンスを得て、世界を広げていけることの方が多い。


講演会や、人様とお会いしたときに、一番聞かれる質問は、「有名税ってどんなもの?」「有名になるメリットとデメリットってなんですか?」だ。


今は、芸能人・著名人のように多くの人から知られた存在ではなくても、ネットで発信してそれが注目を集めれば誰でも、以前より有名になりやすい時代。加えて前出の有名税問題も気になる。だから、積極的に発信するかどうか、迷ったり考えたりする人が多いのだと思う。

■有名になる「メリット」と「デメリット」

では、私がなぜネットで発信し、テレビやネットなどのメディアからオファーをいただく度に出演してきたのか? 

それは、私が有名になることを頭で計算したり、メリット・デメリットを比較した結果ではない。ある意味、苦肉の策だった。生き延びるための魂の叫びだったのかもしれない。

起業したての頃はお金がなかったし、信用もなかった。そして、認知度ゼロでは商売が始まらない。
ただ、志だけがあった。だから、それを伝える手段を模索していたときに、「自分を語る」という方法にたどり着いたのだ。

17年前、2000年4月に起業。26歳の小娘が自宅でたったひとりで、事業をひっそりと始めたって世の中は微動だにしない。

FacebookもTwitterもLINEもInstagramもない時代。広告なんて夢のまた夢。お金だって商品だってないのだ。

だから、メールとホームページが頼みの綱と目をつけた。まず手作り感満載でもホームページを立ち上げ、掲示板を設置。そこで、日々、自分の奮闘日記をつけ始めた。そして、その日記は同じ内容そのままで、まぐまぐでも毎日配信することにした。1日も休まず、朝7時に配信を続ける。

リアルな自分をさらけ出すこと、読んだ方が元気になるような内容を心がけた。1日1回、通勤電車の中で私の様子を知ってほしかった。それが願いだった。そして、当時の私には、それしかできなかった。

■毎日、ポジティブな内容を発信し続けた

「私はここで生きています。誰か仕事をください」。まさに無人島で叫んでいるかのごとく。

思いっきり旗を立てた。実名勝負だからこそ、誰かが耳を傾けてくれるだろうと期待した。発言内容は「自分の経歴」を担保とし、信用していただけるよう、リアルで誠実なものにした。読んだ時間を損させたくない、元気になって喜んでもらえる内容がいいと常にポジティブであろうとした。

毎日毎日それらを意識して、誰かの脳内に、1日1回自分の会社の名前を刻もうと試みた。

最初は砂漠に水をまくようなものだった。でも、次第に「20代で起業している女性社長がいる」「リクルート出身の女性社長」「創業期の楽天に在籍していた」など、過去の経歴が小さなフックとなり、メディアにも少しずつ取り上げていただくようになった。

私はこのチャンスをありがたく頂戴した。どんな小さな記事でも、深夜のバラエティでもあらゆる機会に積極的に一歩前に出ることにした。社名がひとりでも多くの方の目に触れるように、自分たちの取り組みに共感を得ようと。

■知名度を高めて世界が広がった

もしかしたら、多少名前が売れれば、厄介なこともあったかもしれない。身に覚えのないことでネットで誹謗中傷される、行間を読まずにバッシングを受けるなど、これがいわゆる「有名税」というやつなのかもしれない。

でも、私の中でマイナスなことは、あまり記憶に残っていない。有名税で身を滅ぼした人の数よりも、知名度で、夢や思いを実現できた人の数が圧倒的に多いはずだ。

おかげで、前職は、広告費をほとんど使わずに優秀なメンバーを採用することができたし、お客様にもかわいがっていただいた。顔が名刺代わりとなり、先方から興味を持っていただくこと、お声がけいただくことが増えた。

二度目の起業のときは、会社としての実績がゼロなのに、ブログの採用告知のみで、100名を超える応募が殺到した。キッズライン初期のお客様は、私を認知しているからという理由で、大切なお子様の命を預けてくださった。そしてサービスは口コミで広まっていった。

有名になるデメリットは、生半可な気持ちでやるならば、たくさんあると思う。でも、発信することで、たったひとりの活動が社会を変えることもあるのではないかと思わされるほど偉大な力を秘めている。

■個人の時代。だからこそ、知られるために発信し続けて

だからこそ、何かを変えたかったら怖がらずに発信しよう。時代はまさに個人の「発信天国」だ。

目指している場所、理想の姿を常に念頭に置き、それに沿った「発言」「行動」をし続ければ、あなたはどんどん夢に近づくはずだ。

もし、足元をすくわれて、一瞬誤解を生じたとしても、恐れることはない、正しい発信と行動が継続されればされるほど、自ずと事実に近い場所に戻るから。

たった一度きりの人生、何か得たいのであれば、発信のメリットは莫大だ。とにかく恐れず、何度も何回でも毎日でも 繰り返し、角度を変え、発信し続けよう。

知ってもらう目的が「自分がやっている事業や活動」が中心でもいい。でも、ときにプライベートの自分も出そう。「仕事」と「プライベート」のバランス感覚を間違えなければ、あなたの「人柄」と「想い」と「やっていること」がいつかシンクロして温度となり伝わるはずだ。

まさにこれからは個人の時代に突入する。あなたの名前が知られていることは「無限財産」になるのだから。

そして、もし、あなたが幸運にも有名になったら、人を攻撃したり、ネガティブな発信より、社会をより良くする発信をしていく人になってほしい。お金持ちになって、お金の使い方に品格が問われることがあるように、有名になってその知名度を、未来がより明るくなるような使い方をする人が増えれば、社会はもっと愛に溢れるはずだ。

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この記事のライター

桜蔭高校・慶應大学卒業。リクルート、楽天を経て26歳のときに自宅でトレンダーズを設立し、2012年、当時女性最年少で東証マザーズ上場。 2014年に再びキッズラインを創業し、「日本にベビーシッターの文化」を広め、女性が輝く社...

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