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セックスレスを解消したいなら大人のホテルへ。旅行に行っても意味がない理由

かつて一緒に暮らしていた恋人と、長らくセックスレスだった大泉りかさん。この問題を解消するべく、何度も話し合いの場をつくったけれど失敗が続いていました。そしてついに、りかさんは彼に別れを告げます。そんな彼がセックスレスを解消すべく計画した夏の旅行。その旅の果てに迎えたふたりの結末とは……。

セックスレスを解消したいなら大人のホテルへ。旅行に行っても意味がない理由

かつて、一緒に暮らしていた恋人とは、長らくセックスレスだった。行為を拒否していたのは彼で、わたしのほうは「いつかは再び、セックスをする関係に戻れるはず」という希望を捨てきれずにいた。

なんとかレスを解消しようとして、幾度も話し合いを持ちかけたけれど、そのことについて話すことを、彼は「責められている」と感じるようで、いつも失敗に終わっていた。

※ 画像はイメージです。

セックスを諦めることができたならば、彼との関係を続けることが可能だったのかもしれない。けれども無理だった。「セックスをしてくれない」という不満は日増しに大きくなり、それに反比例するかのように彼への想いは枯れていった。と、同時に他に好きな人ができた

「わたしを生殺しにしている人に操を立てる必要はない」と思う気持ちと、「裏切ってしまった」という罪悪感とを抱えて彼と生活を送っていくのは辛くて、「好きな人ができた」と告げたのは、ある夏の頭のことだった。

■夏の旅行を計画してくれた彼

※ 画像はイメージです。

「別れたくない」という彼に、わたしは「だったらもう一度、あなたのことを好きにさせてほしい」とお願いをした。「好きな人ができた」とは言ったものの、彼が別れたくないというのならば、元に戻る方法があるのではないかと、心のどこかで期待をしていたのだった。

わたしの言葉を受けた彼は夏の旅行を計画してくれた。楽しい時間を過ごせば、昔のふたりのように戻れると考えたのか、カップルとしての関係を維持することに、手抜きしていたことを反省してのことか、彼の真意はわからない

どちらにしても、わたしは嬉しかったし、彼のほうがそうやって関係を取り戻そうと努力をしてくれるのならば、わたしもできる限り、歩み寄ろうとも考えていた。

行き先は、下田だった。地元の定食屋で新鮮な刺身定食を食べて、街を観光した。あの夏の頭の日以来、彼の感情の浮き沈みは激しかったのだが、その日は安定していた。わたしのほうも努めて恋人らしく振る舞い、上手くいっているように思えた。まるで、なにも曇りのない恋人同士のようだった。そうこうしているうちに夕方になり、旅館にチェックインをした。

■絶望を抱えたままで迎えた朝

※ 画像はイメージです。

部屋でお茶を飲んで少し休憩した後に、それぞれ大浴場へと向かった。ひと風呂浴びてさっぱりした気分で宿泊部屋に戻ってくると、地物の魚を中心にした食事が用意されていた。ビールで乾杯し、穏やかな会話を交わしながら食べ終えて間もなく、仲居さんが来て布団を敷いてくれると、彼はごろんと横になった。

そして、すぐに鼾(いびき)をかき始めた。

「えっ! 寝るの?」と揺り動かしたが、「起きる……寝ない……ちょっとだけ……すぐ起きるから」と言いながらスヤスヤと寝息を立てている。

まさかの展開だった。置いてけぼりにされるとは思っていなかったが、それでも「すぐ起きる」の言葉を信じて、しばらくは待っていた。暇つぶしにテレビをつけたら映画版の『踊る大捜査線』がやっていた。それをまるまる見終えても、まるで起きる様子はない。仕方なく、もう一度温泉に入りにいって戻ってきたが、それでも彼は夢の中だった。結局、わたしはひとり、絶望に暮れたまま朝を迎えた。

■セックスレスを解消するなら、旅に出るのではなくラブホテルへ行くべき

長く付き合ったカップルが、セックスレスを解消しようと考えた場合に、「旅行に行く」というのは定番だ。「いつもと気分を変えれば、セックスをしようとする気になる」という期待をもってのことだろう。

けれども、レスにまで陥ってしまったふたりは、正直なところ、旅行に行ったところで、わたしたちのように、結局できずに終わってしまうことも多いのではないだろうか。

よくないのは、「旅行」はセックスに後ろ向きな人に理由を与えてしまうことだ。「旅行」の目的である観光や温泉といったレジャーをこなすことで、セックスレスを解消する気があまりない側は、「旅行を楽しんだから、いいじゃないか」という言い訳を立たせてしまう。

セックスレスを解消したいのならば、断然、ラブホテルに行くべきだと思う。

「旅行」なんていう言い訳を作らずに、セックスをするためだけの場所に行って、自分を奮い立たせて相手と向き合い、がんばってする。それすらままならないというのに、旅行に行ったところで、セックスができるわけもないのだ。

※ こちらは2017年6月8日に公開した記事内のリンク切れなどを修正した上で再掲載したものです。

大泉 りか

ライトノベルや官能を執筆するほか、セックスと女の生き方や、男性向けの「モテ」をレクチャーするコラムを多く手掛ける。新刊は『女子会で教わる人生を変える恋愛講座』(大和書房)。著書多数。趣味は映画、アルコール、海外旅行。愛犬と暮...

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