フォトセラピーとは、写真で自分や他人を癒し、元気にするセラピーのこと。今、女性たちの間で密かに話題になっているのが「ヌードフォトセラピー」。ただ、全裸ではなく、ランジェリーや布をまとって撮影するのが特徴。女性の内面の美しさを引き出せる、官能の世界を覗いてきた。
セクシーな写真の撮り方。自分の体を好きになるランジェリー姿を
セクシーな写真の撮り方をご紹介します。ランジェリーをまとった写真を撮影する「センシュアルフォト」(別名:ヌードフォトセラピー)。ランジェリー1枚以外身につけず、女性セラピスト兼カメラマンに身を委ねて撮影してもらううちに、自信がなかった自分の体が愛おしく、自分を大事にしながら生きようと思えてきた。
ご縁あって「センシュアルフォト」なるものを体験してきた。以前、「話題のヌードフォトセラピーで官能を刺激する」のコラムを書いてくれた石川智恵さんにすすめられたのだ。
センシュアルとは「官能的」の意。単なる「下着」とは違う、身に着けると気分が上がる「ランジェリー」をまとった、自分史上最高に艶っぽい、官能的な姿を撮影してもらう、というものである。
サロンは栃木県下野市にあり、最寄駅はJR自治大駅。上野から快速で75分。駅からほど近い、一軒家のかわいらしいサロンに着くと、オーナーの西川らむさんが迎え入れてくれる。
■セクシーなランジェリー姿を写真に撮ってもらう前に
やさしい色合いの温かい空間が心地よい。撮影に入る前に、問診票を書きながらザクロ酢のドリンクをいただき、1時間ほど指圧やホットストーントリートメントを受ける。
体の緊張や日々どうしても蓄積してしまうコリが徐々に解けていき、体がいい塩梅にゆるんでいくのがわかる。途中、ワキのツボを押してもらうと、手の先までじんとくる瞬間も。
いかに自分の体がカチコチになっていたかを痛感する。さらに、らむさんの手にやさしくふれられ、体をていねいに取り扱ってもらえることに、幸福感をおぼえた。
最後はホットストーンをお腹周りに置いたり、冷えやすい足の指に挟んだりして、体を温めながらしばし休息。うとうとしかけて目が覚めた。
ハーブティーをいただいた後、ヘアとメイクをささっと直し、いよいよ撮影の時間。メイクは薄めにするようにと、あらかじめ伝えられていて、サロンに着いたときはベースと眉しか整えていなかった。
らむさんが、チークを広めに入れたり、パールのハイライトを顔全体に薄く乗せたりと、作り込みすぎないナチュラルな顔に整えてくれる。リップは口紅ではなく、グロスを選ぶのがポイントだ(グロスはモノクロでもカラーでも写真映えし、唇の存在感を際立たせ、官能的に見せると後で実感)。
誰に見せるためでもない、自分のためにランジェリーを身に着けるとき、ばっちりメイクだと組み合わせとしてしっくりこない。自然体で無防備な顔でまとうのが似合う。
■不思議と恥ずかしさはない、セクシーなランジェリー姿での写真撮影
1着目のランジェリーは黒にした。1カット目は鏡の前にある椅子に腰かけ、足の指を鏡にちょんと当ててバランスをとる。
けっこう腹筋にくる。毎日腹筋をしているけれど、この姿勢は腹筋以外も使うので、かなりキツい。撮影って相当ハードに体を使うんだな、と今さらあたりまえのことを知る。
さらに発見がある。写真に撮られるのが苦手で、きれいに笑ったり、うまく表情を作ったりできない不器用な人間でも、この撮影は楽しめるということ。
基本的に、カメラ目線を要求されることがないからだ。らむさんいわく「むしろ伏し目がちだったり、目を閉じていたり、薄く開けていたりするほうが、ナチュラルながらも艶っぽい写真が撮れる」のだそう。
初めて会う女性施術師 兼 カメラマンと密室で2人きりで、ランジェリー1枚というきわどい格好で撮影をされていても、不思議と恥ずかしさを感じなかったのは、そういった撮影スタイルも影響しているだろう。
これも特筆すべきことだけれど、らむさん自身が向日葵のような人なのだ。季節で言うなら夏。暑すぎるのではなく、暖かいという言葉が似つかわしい人。表情や佇まい、内からにじみ出るものに、たくさんの何かを乗り越えて、ここまできた人という印象を持った。
そんならむさんは、しょっちゅう「いい!」「きゃわたん(※「かわいい」の意)」「そうそう!」など、肯定的な言葉のシャワーを次から次へと浴びせてくれる。1人の人として、女として、短時間でここまで褒めちぎられることは、この先あるだろうか。いや、ないだろう。
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