大人の余裕で「おばさんっぽいファッション」を楽しむ
「おばさんっぽいファッション」を作り出しているのは、他でもない自分自身。自分がそう思うから「おばさんっぽくない?」と気になってしまうのだ。トレンドを意識するとおばさんが若作りしてみっともないと否定され、好きなテイストを貫き通すと時代遅れのおばさんと笑われる。一体どうすればファッションを楽しめるのか、真剣に考えます。
おばさんっぽく見られたくない!
鏡の前でふと、自分の選んだ洋服やコーディネートが、大人の女性として果たしてアリなのかどうか、気になったことはありませんか。
一生ものと思ってちょっと無理して買ったブランドバッグ、長年お手入れして大切にしているコート、そしてぴったりきているはずのメイクやヘアスタイル。
でも、もしかしてこれって時代遅れの痛いおばさんファッション? もっと今っぽさを取り入れるべき? それとも、もうトレンド云々考える年齢じゃないのかしら?
なんて突然自分の選択に迷いが出たりして。
■おばさんっぽいファッションをあえて楽しむ
おばさんっぽいと思われたくない、でも若作りしすぎて痛々しいのもイヤ。
今の自分にとって、どんな装いがベストなのかわからなくなったときには、ちょっとやりすぎかも? と思うくらいに気合いを入れたコーディネートで街へ出てみることをおすすめします。
私の試した「やりすぎコーデ」はファーベストにスキニーパンツ、10cmヒールのブーツという全身ブラックコーデ。
ずっと履きたいと思っていたのに、なかなか手を出せずにお蔵入り寸前の危機にあったブーツ。これをあえて目立たせるような、ちょっとロックなコーデで出かけてみると思った以上に楽しくて、ああやっぱりあれこれ気にせず、たまには好きなものを好きなように着てみるのは大事だな、と満足できたのでした。
しかしながら、自分の問題点も浮き彫りに。
近頃はラクなアイテムを選ぶことが多く、カジュアル化していた影響か、ウィンドウに映る自分のだらしない歩き方に気づいて大反省しました。
年齢問わず、歩き方や姿勢を正すだけで人の印象は3割増しで美しくなるもの。いつもより派手めのコーデで出かけたことで、背筋を伸ばして颯爽と歩くことの大切さを改めて痛感しました。
■着たい服と似合う服はズレてくるというけれど
40代半ば、大人のファッションとしてこのロック崩れな派手めのコーデはおそらく「正解」ではないでしょう。けれど、1人で出かける機会に普段はチャレンジしにくいアイテムをコスプレ感覚で試してみるのは、けっこう面白いお遊びであり、自分を試すテストにもなります。自分の着たい服をまとって街を歩いてみて
「うーん、これはさすがにもうキツイな……」
と感じるならば違う方向へシフトすればいいし
「やっぱりこういうファッションが好き、楽しい!」
と思えるならばその方向で試行錯誤を続ければいいのです。
年齢を重ねれば着たい服と似合う服がズレてくるとはいうけれど、てんで似合わない服を着ていて楽しくなったり嬉しくなったりもしないはず。
ちょっと冒険しすぎかな? と戸惑ってしまうアイテムでも着ていて楽しいと感じるのであれば、年齢を気にせずに使ってもいいのではないでしょうか。
■おばさんっぽいファッション、と思い込むのは意地悪な自分
トレンドを意識するとおばさんが若作りしてみっともないと否定され、これまで好きだったテイストのファッションを貫き通すと時代遅れのおばさんと笑われる。
じゃあ一体どうすればいいの? と頭を抱えたくもなるけれど、よくよく考えてみれば大勢の人から面と向かって
「その服、おばさんっぽいですよ」
なんて言われることはそうなくて。
ではなぜ人目が気になるのかといえば、自分自身が同年代の女性のファッションをあの人は若作りだの、あのコーデはおばさんぽいだのと、意地悪な目で見ているからなのかも。
人のふり見て我がふり直せとは言うけれど、プライベートなファッションくらい、他人や自分の選択をやたらと否定せず、もっと自由に柔軟に考えてもいいのではないでしょうか。
おばさんっぽさを恐れるあまり、おばさんっぽいファッションなるものを作り出しているのは自分自身。必要以上に若作りする必要もないけれど、年齢に捉われすぎることなく、今の自分が心地いいと思えるファッションを楽しみたいものです。