大人の留学体験記1【吉田けえな】
「大人の留学体験記」は30代を迎えてニューヨークに語学留学した経験のある吉田けえなさんによる連載。留学や海外生活に興味のある方はもちろん、新しいことへ挑戦したい方にもおすすめの、読むと一歩踏み出せるコラムをお届けします。
これまでの人生の中で「留学してみたい」と思ったことはありませんか?
もし、留学してみたいけど年齢的なことやキャリアもあって躊躇っている方がいるなら、思いきってチャレンジしてみてほしい、と留学経験者としてお伝えしたいです。
私自身は仕事が絶好調のタイミングで日本を離れましたが、1%も後悔していません。それだけは断言できます。
上の写真は、サンフランシスコで撮った日の出の瞬間。私は新たな1日が始まるこの瞬間が大好きなのです。
毎日陽は昇りますが、1日1日が新しく違った1日で、いつでも新しいことを始められる――そんなふうに思わせてくれます。そう今日からでも。
■留学体験記を書こうと思い立ったきっかけ
なぜ今さら留学体験記を書こうと思ったのかというと、尊敬する方の一言がきっかけです。
その方は来年還暦を迎えると聞くと、え?嘘ですよね?と言いたくなるルックス、「どうしてみんなが老けるのかわからない」「まだまだ進化したい」、そんな風におっしゃっていて、思わず「負けた……」と思いそうになった自分を一蹴し「私ももっとキラキラする」「もっと進化する」と改めて思わされました。
そして、昨年、ニューヨークで講演を聴かせていただいた美容家の小林照子さんは御年82歳、今年ニューヨーク進出を果たされるそうです。キラキラ輝いていたそのエネルギーたるや凄まじかったです。10年後までに今から何ができるか、を語る姿が印象的でした。
きっとこのコラムを読んでくださっているほとんどの方は、小林さんよりお若いはず。まだ今からなんでも挑戦できますよね?
そこで、留学や海外生活に興味はあっても、どこから始めたらいいのかわからない、もう若くないから初めての海外生活を始めるのは不安といった方や、海外生活ではなくとも新しいことを始めるのに不安を感じている、そんな方に少しでも励みや参考になったらいいなと思い、このコラムを書くことにしました。
私がニューヨークへ行こうと思いたったのは2014年1月、友人と青山のカフェでお茶をしていた時でした。「私、ニューヨークへ行こうと思う」と口をついて出ていました。
当時、ニューヨークへ行くことを深く考えていなかったと思うのですが、感じることを大事に生きている私の心は頭で考えるより早く感じていたのかもしれません。
■大人の留学体験記1
上の写真は、2年半前に到着して間もない私に、現地に住んでいた知人が、せっかくだからNYっぽいところに行こうと連れて行ってくれたタイムズスクエア。
今見ると写真が下手すぎます。この2年半で写真が少しは上手になったように感じますが、アメリカに行ったことで、今まで以上に季節やその瞬間を大事にしようと、意識するようになった気がします。
日本にいても海外にいても、日々の日常が常にあたりまえにそこにあるものではなく、どんな瞬間もかけがえのない時間なのだと感じるようになったことで、その瞬間一つひとつを大事に、時には切り取りたいと感じるようになったことで、撮る写真が変わったのではないかと思います。
下の写真はブルックリンのウィリアムズバーグから撮った1枚。ニューヨークでは、日々何気ない空の色や雲にハッとさせられる瞬間が多かったです。
さて、ニューヨークに住もうとは決めたものの、行きたい学校がとくにあったわけではない私は、まず語学学校選びから始めました。
ニューヨークの大学併設の学校、世界にキャンパスを持つ語学学校の日本事務局や語学のみのスクールなど、授業料、授業時間、評判などを比較。
英語でのやりとりに自信がなかった私は、日本人の方が仲介している語学学校に入学しましたが、途中でニューヨーク市のコミュニティカレッジである、ラガーディアに併設されている語学学校に転校しました。
学校にもよりますが、大学やコミュニティカレッジに併設されている語学学校は、大学に進学したい生徒も多いことから、授業の質は高く、さらにやる気ある生徒が多いのも魅力です。私はここで出会った、世界各国から集まった友人らから、たくさんのいい影響を受けました。
(つづく)