【レーシングドライバー・山田遼選手インタビュー #3】
レーシングドライバー・山田遼選手のインタビューを3回に渡ってお届けします。<第3回>
この世界に入るきっかけを作ってくれたのは両親【レーシングドライバー・山田遼選手インタビュー #1】
熱くなりすぎないのが自分の強み【レーシングドライバー・山田遼選手インタビュー #2】
――レース以外の趣味や、リフレッシュ法はありますか?
「音楽を聴いたり、映画を観たり、ドライブに出かけたり、行ったことのない場所に行ってみたりしてリフレッシュしています。音楽は洋・邦楽ジャンルを問わず聴くので、他の人からは『えっ、そんなのまで聴くの!?』とビックリされます(笑)。映画は洋画のアクション物をよく見ますね。レースから離れても、やはりクルマに乗っていないとダメで、土日は忙しいのでなかなか休みがないのですが、空いた日にはドライブに必ず出かけます。たまに一人で行ったりもします(笑)」
――今後の大きな目標は何でしょう?
「最終的にはプロになり、海外に出てレースするのが夢なんですが、そのためにまず今は、どんなカテゴリーのどんなクルマでも速く走れるようになりたくて日々勉強中です」
――山田さんにとって、レースの魅力や面白さは何ですか?
「クルマという道具を使っている以上、『勝敗はクルマの良し悪しで決まっちゃうんじゃないの?』とよく言われますが、実際はそうではありません。やはり乗っているのは人間です。そしてクルマをセットアップしていくのも人間です。どんなに遅いクルマでも、乗り手がなんとかすればレースで勝ってしまうことも十分あり得ます。このあたりは楽器や自転車競技をしていらっしゃる方々に共感していただけるかもしれませんね(笑)。スピードや音も確かに魅力ではありますが、レースの最大の魅力はクルマだけではなくて、すごい環境で走行するドライバーやそれをサポートしているチームクルーたちが、一丸となって勝利を目指す“人間同士のバトル”が見られるところにあると思っています」
――ご自身で努力はもちろんされていると思いますが、山田さんが今ほかに必要としていることはありますか?
「レースで勝つためにはトレーニングやクルマの勉強などが欠かせませんが、まずレースに出るのに最も重要なのが『資金力』です。レースをするためには膨大なお金を費やさなければならないので、自分でもアルバイトをしたりして資金を作る努力をしています。そのほかの部分では、お世話になっている方々や企業さまにお願いしてサポートしていただいています」
モータースポーツというのは、身ひとつで行えるスポーツではないだけに多額の資金を必要とする。レースのテクニックだけでなく、そのためのスポンサー獲得活動も、山田選手だけでなくレーシングドライバーにとって大きな課題となる。
――あまりサーキットに足を運ぶ機会のないDRESS世代の女性たちへメッセージをお願いします。
「まだ今期はチーム参戦できていないので『僕を観に来て下さい!!』とは言えないのですが……いつかレースの見どころや面白さについて直接ご案内したいですね。
もし来春、正式にどこかのチームに決定したら、ぜひDRESSの部活で観戦にいらしてください。そうなれるように必死でがんばってますので!」
山田遼選手は、ありったけの笑顔で宣言した。
多くのビジネス書の出版や講演会を全国で行い、海外でも幅広く活躍する佐藤徳之さん(#1で登場)は自身の体験から、「夢を叶えるのは、実力や努力だけでなく、運と縁も大事」と断言する。
必要なときに必要な人と出会えるかどうか、その運や縁を一瞬ではなく、上手につなぎ続けてゆけるかも才能の一つだと……。そして、「山田君の優勝トロフィーで、いずれ勝利の美酒を井の一番に飲ませてもらう夢を持ちながら、今後も応援していきますよ」と笑顔で締めくくった。
Photo=久家均
取材・構成=鈴木ユミコ