滝川クリステルさんインタビュー 後編 「シェルターで犬1匹を引き取るのは、犬2匹を助けることでもある」

滝川クリステルさんインタビュー 後編 「シェルターで犬1匹を引き取るのは、犬2匹を助けることでもある」

1冊の取材資料から知ることになった犬猫の殺処分。メディアを通してその命の現場を伝えつつ、一般財団法人クリステル・ヴィ・アンサンブルを立ち上げて動物福祉、生物多様性保全のために活動する滝川クリステルさん。財団立ち上げに至った経緯、具体的な活動内容やその重要性、誰でも参加できるサポートについて伺いました。


ーー前編でもお聞きしましたが、再度、犬猫の殺処分の報道から財団立ち上げを振り返ってみて、どんな道のりでしたか。

犬猫の殺処分の現場を『時代のカルテ 命の現場』として、『ニュースJAPAN』(フジテレビ系)の放映に対する大きな反響で、この問題に対する関心に手応えを感じました。また、縁あって、東北大震災の被災犬アリス引き取った当時、数多くのインタビューを受ける中で、これはその背後にある様々な問題に気づいてもらうよいきっかけにもなり、自分のやりたいことがだんだん現実となって近づいてきたようだな、とも思いました。

さらに2013年、五輪・パラリンピック開催地招致のスピーチで大きな注目を浴びたことで、問題の解決に向けて動くのはまさにこのタイミングだろうと思い、財団の設立に向けた動きを加速させました。

財団の立ち上げはもちろんですが、実際に活動を続けるのはそれ以上に大変です。賛否両論がありましたし、私たち運営側でそのような声に日々葛藤することもあります。

■まず「現実」を知ってほしい

ーー具体的な財団ではどのような活動をされていますか。

財団の活動の中心は、まず2020年を目標に、犬猫の殺処分ゼロ、放棄ゼロ、虐待行為ゼロを目指している「Project Zero」です。2013年の環境省の調査では、先進国といわれる日本で、1年間に全国で161,867頭もの犬や猫が殺処分されて、数十億円の税金が使われているという状況。

この「Project Zero」の活動では、とにかく数が不足しているフォスター(保護犬猫の一時預かり)の養成講座を行っています。また「フォスター」のネットワーク化を支援する「フォスター連携支援」の活動も広げていきたいと思っています。

そして最も力を入れているのは「啓蒙活動」です。少しずつ意識は変わってきているとは思いますが、現実としては、諸外国に比べて異常なぐらいの殺処分の頭数ですし、法整備にもまだ至っていません。もっと現実を知ってもらって、その先、どうするべきかを考えられるような啓蒙をしていきたいのです。

小学校をはじめ、様々な場所での講演のほか、「WELCOME PET CAMPAIGN」という保護犬保護猫との暮らしを楽しむためのハンドブックを公益社団法人日本動物病院協会ほかと共につくって、動物病院に配布しています。また、青森県の高校生たちが、殺処分された犬や猫の骨を保健所から譲り受けて手作業で細かく砕いて花の肥料にしている「命の花プロジェクト」を東京・恵比寿で行なったイベントで紹介したりもしました。

■寄付以外にも、活動にかかわる方法はいろいろ

ーー財団の活動に賛同して支援をするとしたらどんな方法がありますか。

財団を運営するにあたっては、費用も人手も足りているとは言えません。この活動に関心を持っていただければ、もちろんご寄付をいただくというサポートもありますが、フォスターになるための基本的な知識を得るプログラム「フォスターアカデミー」に参加いただいて、フォスターを目指していただくという手もあります。保護犬の場合、脱走してしまうこともよくあって、単に飼うより難しい面もありますから。

また、より手軽な方法としては、オリジナルのチャリティーアクセサリー(Everchris for Animals)や財団オリジナルグッズを伊勢丹オンラインストアなどで購入いただく、というものがあります。制作経費を除いた売上は「Project Zero」ともう一つ絶滅危惧種となっている野生動物の保全活動をサポートする「Project Red」などの財団の活動・運営に使わせていただきます。この「Project Red」は、規模の大きな問題でもあり、長年のテーマとして取り組んでいきたいと思っています。

一方で「Project Zero」では、2020年殺処分ゼロの目標を掲げて進めていきたいと思います。保護施設であるシェルターから私たちが犬を1匹、引き取るということは、シェルターに1匹分の空きスペースができるので、他の新たな1匹を保護できます。これは自分が引き取る犬と他の保護犬と2匹の犬を助けるということにつながりますよね。ペットショップで1匹買うというのとは、大きく意味合いが違います。

そんな気づきをもっと広げて、2020年に向けて活動していきたいと思います。 

Text=小野アムスデン道子

一般財団法人クリステル・ヴィ・アンサンブル Foster ACADEMY セミナー

保護された犬や猫を一時的に預かるボランティアがフォスターFoster。
財団では、フォスターを増やすための学びの場を提供しており、下記の要領でセミナーを開催します。今回は代表理事滝川クリステルがご挨拶と活動報告もさせていただきます。是非、お気軽にお越しください。

第10回Foster ACADEMY セミナー
2016年4月24日(日)10:00〜12:00
会場:東京ウイメンズプラザ・ホール
講師:立教女学院教頭 吉田太郎氏
テーマ:動物介在教育犬、パディとの10年間
参加費:1,000円
お申し込み、問い合わせ mail@christelfoundation.org

一般財団法人クリステル・ヴィ・アンサンブル
http://www.christelfoundation.org
Instagram #クリステル財団
Twitter @ChristelFNDTN
Facebook https://www.facebook.com/christelfoundation/?ref=settings

この記事のライター

世界有数のトラベルガイドブック『ロンリープラネット日本語版』の編集を経て、フリーランスへ。東京とポートランドを行き来しつつ、世界あちこちにも飛ぶ、旅の楽しみ方を中心に食・文化・アートなどについて執筆、編集、プロデュース多数。...

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