セックスレスを遠ざけるカギは、「男だから」「女だから」に縛られないこと
「女から誘うなんてはしたないと思われるかも」と考えてしまいがちな真面目な女性ほど、自分の気持ちをパートナーに伝えられず、セックスレスに陥りやすいとAV監督の鈴木リズさんは言います。女性がパートナーとセックスレスにならないための考え方のヒントを綴っていただきました。
■体や感じ方の違いについて、パートナーと相談し合える関係を作る
男性と女性では、セックスへの考え方が異なることがたびたびあります。女性には生理があることはもちろん、身籠り、子どもを産むという、男性には叶わない経験をする人も多いですから、自分の体との付き合い方が違う分、セックスへの根本的な考え方も少なからず変わってくることは不思議なことではありません。
大切なのは男性にその“違い”を理解してもらうことと、理解し合える環境を作り出すことです。
できるだけ普段から、生理とはなぜ起きてどんな作用があるのか、自分の場合はどんな悩みを感じることが多いのかをはじめ、あなたに起こる些細な出来事を、パートナーと相談し合える時間を作りましょう。
あなたが相談をすることで、パートナーも同様に、自分が感じている体やセックスについての悩みを相談しやすい関係が築かれていくのではないでしょうか。この関係性ができあがっていれば、セックスレスにもなりづらいと私は感じます。
■性別の意識に囚われず、話し合うこと
では、すでにすれ違いが始まってしまい、今まさにセックスレスで悩んでいるカップルは、どのように関係を回復させていけばよいのでしょうか。
ここでも大切なのはやはり会話です。「女からセックスの話を切り出すのははしたない」「男性からせまってほしい」と考えている限り、進展はしにくいでしょう。
体は性別に囚われることがあっても、心まで囚われてしまってはいけません。男だから、女だからではなく、あなたであることが大切なのです。あなたがどう思い、どうしたいのか。愛するお相手にどうしてほしいと思っているのか。この感情に、男や女というカテゴライズは必要ありません。
女性から誘ったって、女性が責めたって、はしたないということは決してありません。ふたりがよい関係でいられることが、もっとも大切なことなのです。
「男だから」「女だから」という概念を捨て、話し合うこと。
性別はあなたが生まれたときの分類であるだけで、これまで生きてきて積み上げてきたものが性別を超えたあなたのすべてです。それを受けて入れてくれず、「男だから」「女だから」を押しつけてくるパートナーであれば、セックスする価値もないのではないでしょうか。
■困ったら、顔も性別も分からない人物に丸投げしてみるという手も
でも、「セックスについての話を赤裸々にパートナーにするのは、やっぱり恥ずかしい」という方もいるかもしれません。あなたが性についての悩みをお相手に伝えることにためらってしまう場合、どんなことでも相談できる友人がいればいいですが、なかなかそうはいかないことも多いのではないでしょうか。
相談事は自分の考えもまとめなければいけない、時間や場所も確保しなければいけない、なかなか骨の折れる作業です。そんなことを考えているうちに相談すること自体を諦めてしまうことも多いでしょう。
それがセックスに関する相談であればなおさら、自分やパートナーの性生活を他人に打ち明けるというのは、勇気も必要になってきます。
ただ、少しでも疑問や悩みが生じた際に相談できる人がいないと、問題がどんどん大きくなっていきがちなのが性の悩み。言いづらいことこそ、迅速な対応が必要なものです。
そこで、SNSの出番です。SNSがこれだけ普及している現代において、これを利用しない手はありません。
相談する相手が知人である必要はなく、自分をまったく知らない人物だからこそもらえるアドバイスというのは必ずあります。Twitterや掲示板といったSNSを利用し、性別や立場に囚われずさまざまな人へ質問を投げかけてみることで、今まで自分の中で凝り固まっていた常識がうち崩れ、思いもよらないような効果的な解決方法が見つかることもあるはずです。
けれどもちろん、パートナーとまったく会話をせずに悩みが解決する、ということはありません。最後には必ず、ご本人同士の会話が必要になってきます。おふたりの大切なお話だからこそ、今晩の食事の相談をするように、気軽に話ができる環境を常に整えておくことが理想的です。