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新しい出会いのかたち「オンラインラブ」で対面の伴わないセックスを考える

最近急増しているらしい「オンラインラブ」。オンラインと聞くと、セックスそのものが存在しえないように思いがちだが、どうやら、肌を重ねる、温もりを確かめ合うだけがセックスではないのだとか。だとしたら、セックスを見直す時期にきているのかもしれないではないか。経験人数250人オーバーのAV監督・鈴木リズさんが持論を語ります。

新しい出会いのかたち「オンラインラブ」で対面の伴わないセックスを考える

良くも悪くもコロナの影響でこれまで当たり前とされていた常識の変化を感じている昨今。アダルト業界もその例に違わず、私の働いているメーカーでも時差出勤、リモート業務が取り入れられました。オンライン会議というものも今回はじめて経験し、時間や経費の軽減はもちろんのこと資料共有機能による効率の良い商談に感心したものです。

さて、現代っ子というのはすべてにおいて効率を重んじる傾向があるように思いますが、どうやら恋愛に至っても時間や消費を抑え、合理的にコミュニケーションを図っていきたい人たちが増えているそうです。なんとこの「オンラインラブ」、一度やってみるとなかなか現代人のライフスタイルにフィットするようでにハマる人たちが続出しているのだとか。

今回、実際の接触を伴わないオンラインラブやオンラインセックスについて、私なりに紐解いてみました。

■オンラインラブって?

そもそもオンライン上で恋愛することに人々はどのような印象を持っているのでしょうか。2万9000人のフォロワーに向けてTwitter上でアンケートをとってみた結果が以下の通りです。

↑ アンケート画像 ↑

オンラインラブに好意的な回答をした人がなんと全体の76%という結果! うち、4割ほどの人は画面越しだけの関係もアリ! という回答で、私も驚きです。

10年前はネットで出会いを探すこと自体怪しい! 危険! という反対意見が大多数だったにもかかわらず、ここ数年でネットと人との距離感はグッと縮まったようです。忙しくて新しい出会いに時間を割けない人や、お互いの理想に近い前提からスタートできるマッチングアプリは、まさに効率を重んじる現代の恋愛模様を後押ししてくれる力強いツールのひとつでしょう。

■セックスができない……。オンラインで出会ったあとの発展は?

オンラインラブのメリットについては理想的な人と効率よく出会えるほかに、デートプランに悩む必要がなくそこへ向かうまでの交通費や時間の節約、そしていざという時はブロックすることで心置きなく関係性を断ち切ることができるという精神的負担の軽減があげられます。

ではデメリットはというと、直接お相手と会う機会がないことでお互いの空気感や些細な感情の揺れ動きに気付きにくい、お相手の画面外での人柄を見ることができない等ありますが、私にとってもっとも問題なのは「直接触れることができない=セックスができない」ことにあります!

好き同士なんだからお相手の他では見せることのない表情を見てみたいというのが正直な気持ちなのですが、この部分に関しても現代の恋愛ではどうやらそれほど重要視されていないようなのです。というのも、2006年に実施された「愛を育むのにセックスは必要ですか?」 というアンケート調査(※)では「どちらともいえない・必要ではない」と答えた数がなんと必要と答えた数を超えるという結果が出ています。性愛関係への興味関心が以前よりも薄れてきている近年ではそう考える人の割合がもっと増えていることでしょう。まさに直接の触れ合いを求めていない人たちにはメリットこそあるがデメリットはほとんど感じない恋愛方式なのでしょう。

■オンライン上だけでも発展する方法……あるんです!

「オンラインセックス」は浸透済み

ではセックスそのものが衰退していくのかというとそうではありません。オンラインラブをスタートしたのち発展する方法としてオンラインセックスがあります。これまでは直接触れ合うセックスありきでのテレフォンセックスがごく一般的でしたがこれからはオンラインで出会ったふたりがオンラインセックスへ発展するケースが増えてくるはずです。すでに「オンラインセックス」というワードは世間に浸透しつつあり、Twitterでもハッシュタグでいくつもその類の投稿が見受けられます。

セックスに温もりを求めない人たち

人は快感を得る世界がそれぞれ異なります。視覚なのか聴覚なのか、はたまた思考で感じるのか。それぞれの感覚を自分だけの空間で研ぎ澄まし、集中することができるオンラインセックスは直接触れ合う非オンラインセックスとは全く別の快感を得ることができます。前述のアンケートでセックスは必要ないと答えた人たちももしかすると体温ではなく、自身の感覚を鋭敏にするオンラインセックスでならセックス自体の価値を見出せるかも知れません。

セックスに求められる価値の多様化

視覚的に興奮するカップルはオンラインで繋がりながら一緒にお風呂に入ったり、お互いに会話しながらセルフプレジャーすることで快楽を得ることができるし、聴覚的に興奮するカップルであれば直接会ってセックスするよりも聴覚だけに集中することでこれまで以上の快感を得ることができます。

また、文学的にセックスを楽しむのであればセクスティングと呼ばれるセクシーな文章を送り合うメッセージ上のセックスで肉体よりももっと情熱的に愛を表現することができ、普段言えないような淫猥な言葉でお相手と楽しむことができるでしょう。

そろそろ、セックスの再定義が必要だ

セックスはこうであるべきという型にはめられるようなものではありません。セックスで大事なのは挿入するか否かではなく、お互いが同じようにセクシーな気持ちで盛り上がることではないでしょうか。

ただし、本当にお互いが同じように求めているのかどうか、実際に対面していないからこそタイミングの確認も必要になってきます。セックスはこうであるべきという型にはめられるようなものではありません。それぞれの嗜好に基づき自由な形で快楽を得ることが大切ではありますが、だからこそお互いの気持ちの確認が尚一層重要になってくるでしょう。

肉体を伴うセックス同様、信頼できるお相手に限定し、大切な文字や動画の流出には注意して、新しい形の恋愛、セックスを楽しんでみてはいかがでしょうか。

※ 立命館大学 経済学部学生による意識調査「男女間の恋愛意識調査に関する報告書」2006年

鈴木 リズ

著書「男とか女とかゲイとかレズとかどうでもいいからただ好きな人のそばにいたいだけ。」を主婦の友社より出版。AV OPEN2017〜あなたが決める!セルアダルトビデオ日本一決定戦〜では監督賞を受賞。女性AV監督で営業と広報もこ...

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