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そうだパリ、行こう。【井筒麻三子のパリジェンヌ修行中】

そうだパリ、行こう。【井筒麻三子のパリジェンヌ修行中】

「そうだパリ、行こう。」

DRESS読者の皆様はじめまして。
ライターの井筒麻三子と申します。
気が付いたらなぜかパリで生活していて、「まみこもパリジェンヌなんだね〜」などと人から言われるたびに「パリジェンヌ? 誰が?」と頭の中に疑問符が浮かんでおりました。

そもそもワタクシ、アラフォー。
ジェンヌよりマダムという方が、断然相応しい年齢……。
しかし、世の中のパリジェンヌブーム(?)もあり、この連載のお話を頂いた際、タイトルに困り果てて
「じゃあもう、パリジェンヌになる修業してるってことでいいよね!」
と、若干やけくそ気味に決めてしまったわけです。ハイ。

とにもかくにも。
なぜパリジェンヌ修業(自分で言っててやはりこっぱずかしいですが)を始めることになったのか。


子供の頃はUKロックが好きで、ずっとイギリスに行くのだ!と思っていました。
ところが高2で留学することが決まった際、英語の先生から「イギリス人は冷たいからアメリカに行ったほうがよい」と(今思えば謎な)忠告が。
ならばと米国留学にしてみたところ、それはそれで楽しかったため、大学院もアメリカへ。
しかしホームステイで守られていた生活とは違い、1人で暮らしてみると、あの国の大味な感じ、そしてスキあらば騙そうとする人々の姿勢に馴染めず、一年半も過ぎるとすっかり嫌いに。

日本に帰ってみると、人は協調性があるし、イチイチけんか腰で話し合いをしなくていいし、ごはんはうまい。
さらに始まった社会人生活は非常に楽しい。
なんだ、日本がいいじゃん! 日本最高!
と、海外への興味は全くなくなったのでした。

その後会社を辞めてフリーランスとなり、旅行雑誌の契約社員として働くことになったところ、毎月のように海外出張が発生。
人には「いい仕事だねえ」なんて言われていたけれど、私としては「いや、日本に居たいんですけど……」が本音でした。
ところがその契約を終えることが決まった途端、「どこか海外に半年ぐらい行こうかな?」という気持ちがムクムク。
あんなに日本サイコーと思ってたのに……今でもなんで突然そう思ったのかよくわからないのですが。

半年だと新しい言語の国はキビシイから英語圏がいい。
もうアメリカは勘弁。オーストラリアも興味なし。
じゃあイギリスかねえ……と、かなり消極的な理由でロンドンに決定。

ところがロンドンの生活は思っていた以上に楽しく、結局2年近くも滞在することに。
本当はもっと居たかったけれど、イギリスはビザが非常に厳しく、それ以上の滞在は望めそうになく。

でもやっぱりヨーロッパに居たいなあ……
「そうだパリ、行こう。」(©JR東海)
思いついちゃったわけです。
生まれてから一度も、パリに憧れたことも、フランスで暮らしたいと考えたこともなかったのに。

……と、ここまで自分で書いていても、他人の話として聞いたら「大丈夫?」と言いたくなるなコレ……と思います。
でも人生は一回きりだから、やりたいことはとりあえずやっとけ。
どうしてもダメなら日本に帰ればいいじゃん!(のんき)
そんな気持ちで始まったパリジェンヌ修業。
日本はもちろん、イギリスともアメリカとも違うフランスの生活。
でも違うから、面白い。
次回以降はそんな修行中に見えて来た、色々な気づきをお伝えしていけたらなと思っています。

PROFILE 

Mamiko Izutsu
パリ在住のエディター&ライター。25ans編集部等を経たのち独立。もとは美容を専門にしていたが、現在は旅やファッション、著名人のインタビューページも手がけるなど、オールラウンダーとして活動している。雑誌『FRaU』や『VoCE』などのWEB版でもパリの情報を発信中。

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