今日はどっちの気分? 「ゆるっと」「ピタッと」コーデ
ファッションを「甘さ」「辛さ」で分ける以外に、「ゆるっと」「ピタッと」という分け方もある。日々のコーデにメリハリをつけるためにも「ゆるっとコーデ」「ピタッとコーデ」を攻略して、使い分けながら楽しみたい。
■ピタッとしたファッションが流行った時代を生きた記憶
1980年代後半、いわゆる「ボディコンシャス」なファッションが大流行した時期があった。いかにボディラインを綺麗に出すか? それがオシャレの大切なポイントだった。
ピタピタのミニのタイトスカートや、体の線が露わになるニットワンピース。今思えば信じられないのだが、普通のオフィス街で通勤する女性たちがみんなそういった服を普通に着ていた。そういう時代があったのである。
その時代の洗礼を受けたせいか、「ピタッとした服を着ることが一番オシャレで女らしい」という呪縛に長い間とらわれていたような気がする。
けれど、時を経て今はゆるっとしたシャツ、ゆるっとしたニット、ゆるっとしたパンツが主流。
今20代の女性たちを見ると、だれも身体に張り付くようなジャージワンピースなど着ていないし、だれもローライズのスキニーデニムなど履いていない。
ロングフレアスカート、ワイドパンツ、プリーツスカート。
いかにボディラインを見せない着こなしをするか? へと、時代が変わったように思う。
■プリーツスカートで「ゆるっとコーデ」
ここ数年流行中のロングプリーツスカートは、ゆるっとコーデが組みやすいアイテム。下半身のラインが一切出ず、締めつけない。これにビッグなニットを合わせれば、簡単にゆるっとコーデの完成。
ビッグなゆるニットに合わせて、靴もボリューミーなブーツを。
逆にバッグはコンパクトな形状なものでバランスを取る。
■膝下タイトスカートで「ピタッとコーデ」
たとえウエストのサイズに変化がなく、20代の頃に着ていたタイトスカートが着られるとしても、丈とシルエットは変えていくべき。
今は必ず膝が隠れる長めのタイトスカートをチョイス。そして無理にピタピタなシルエットのものを穿くのではなく、ゆとりのあるシルエットのものを選ぶ。
けれど、ウエストはゴムでなく、ジャストサイズのものを。
トップスも同様に身体に寄り添うリブニットを合わせると、緊張感走るピタッとコーデに。縦のラインが強調されるよう、長い淡水パールのロングネックレスを。
足元は潔く、素足に見える薄いナチュラルストッキングと黒のハイヒールを。
■ゆるっと行くか? ピタッと行くか?
ゆるっとコーデの日は気持ちまでリラックスして優しくなるし、ピタッとコーデの日は思わず下腹部を引き締めて集中力を発揮する状態になる。
服が女の精神に及ぼす力ははかりしれない。
可愛い女になりたいのか、カッコイイ女になりたいのか。
脱力系の女になりたいのか、テンション高めの女になりたいのか。
それは日に日に刻一刻と目まぐるしく変わる。
少なくとも私はそう。
どちらかを選ぶ必要はない。
どちらかに偏る必要もない。
その日の気分、その日の予定、自分に求められる役割、社会的立場を考慮して、ゆるっとコーデとピタッとコーデを使い分ければいいだけの話。
天気の良い秋晴れの休日、私はゆるっとコーデで家族と美術館に行く。
寒さをピリッと感じる朝、私は息を止めて細身のタイトスカートをはき、緊張強いられるビジネスの戦場へと出かけていく。
女の人生には緩急が必要だ。
いつもゆるい気持ちで生きていても物事は前に進まないし、いつもぎっしり詰まったスケジュールでは辛い。
上手くゆるめたりプレッシャーをかけたり。それが楽しい。
今日はゆるっといくか? ピタッといくか?
楽しく服を選ぼう!