1. DRESS [ドレス]トップ
  2. 恋愛/結婚/離婚
  3. マッチングアプリの憂鬱。私たちのインスタントな恋愛はどこにいくんだろう?

マッチングアプリの憂鬱。私たちのインスタントな恋愛はどこにいくんだろう?

マッチングアプリによる恋活・婚活はこれからの主流になるでしょう。同時に「マッチングアプリ疲れ」という言葉も聞くようになりました。スマホで選んで、あっというまにデートして、気に入らなければ即ブロック──というわけです。いままでの自然な恋愛とちがって、どこかインスタントな私たちの恋愛はどこにいくのでしょう?

マッチングアプリの憂鬱。私たちのインスタントな恋愛はどこにいくんだろう?

■便利すぎるマッチングアプリ

近ごろ、私たちは恋愛を語るとき、いつも、ため息ばかりしている。

「出会いがない!」
「どこに男はいるの?」
「仕事のせいでそれどころじゃないんだけど……」

とにかく恋愛どうこうの前に出会いがない。会社では、おなじ顔しかみないし(ぶっちゃけ良い男は結婚してるし、そうじゃない男は鼻毛がでてる)いそがしくて出会いの場にも顔をだせない。

せっかく合コンや街コンにいっても、よくわからない男であふれてる。あきらかに遊び目的か、自分の話ばっかりか、鼻毛がでてる。土曜をつぶして、お洒落してメイクしたのに、なにも成果がなかった日は悲しくなる。なにをやってるんだろうって。

──そんな現代人のために「マッチングアプリ」は生まれました。

スマホひとつでカタログのように男性が並びます。スタバでお気に入りのドリンクでもオーダーするように、住所や、趣味や、年収や、身長や、いくらでも選べます。

街中で広告をみない日はありません。これからの恋活や婚活のメインになるのでしょう。どう考えても現代人のニーズにマッチしているからです。

しかし、それは同時に恋愛の形が変わるという意味でもあります。

私たちは、ここ数年で、急激に「インスタントな恋愛」に挑まなくてはならなくなったのです。やや影のある言葉ですけれど、そう表現するしかないと思うのです。



・空き時間にスマホで異性を条件で選ぶ
・顔写真でアリナシを決める
・自然な出会いをすっ飛ばして、いきなりデート
・デートのあとで気にくわなかったらLINEをブロック
・「ん?」と思ったら未読スルー
・めんどくさかったらプロフィールを削除
・失敗したらクジでも買うみたいに次にいけばいい



もちろん良し悪しの話ではありません。そこでゲットできる幸せもあるのですから。しかしプロフィールを削除すれば永遠に出会えなくなる異性が次から次にあらわれるというのも、ちょっと、すごいことだよなと思うのです。

少なくとも、私たちの知っている恋愛はもっとナチュラルでした。



・学校や職場で一目ぼれ
・好きかもわからないところからスタート
・男友達に告白された
・やさしくされて意識するようになった
・長時間をかけて「あ、好きかも」と思った
・バイト先で連絡先をわたされた



マッチングアプリはそうではありません。画面をみて、恋人として「アリ? ナシ?」だけです。

もちろん、これはアプリの出会いを否定しているのではありません。

携帯電話が「相手の家にかけるときに親がでないかなというドキドキ」を解決したように、便利さと情緒はトレードオフで、価値観は変わりゆく、というだけの話です。

これからの時代には、これからの時代の恋愛の形があるはずなのです。とはいえ、いったい、私たちのインスタントな恋愛はどこにいくのでしょう?

■「私はマッチングアプリに疲れました」

仕事柄、自分のもとにも、たくさんの恋愛相談がきます。

マッチングアプリ関係の相談も多いです。もちろん上手くいった人もいれば、上手くいかなかった人もいます。最近、こう悩んでいる方がいました。

「ずっとマッチングアプリをしてるんです。毎週末はアポをとって、みたいな。でも正直、つらくて……。好きになりかけたら既婚だとカミングアウトされたり、仲良くなったと思ったらホテルに誘われて傷つくことも多いです。そうじゃなくても淡々とこなしてる自分が嫌になるんです。作業みたいに。なんでスマホばっかり触ってるんだろって。もっと純粋に、いっしょにいるうちに好きになって……みたいな恋がしたいだけなんですけど」

彼女がなにをいいたいのか、すごくよくわかりました。

確かに毎週毎週「この相手のことを好きになれそうか? 結婚できそうか?」なんて考えるというのもヘビーな話ですよね。恋愛感情はバカラ・グラスのように繊細なのに。

「幸せになりたいだけなのになあ」その方は最後にこうおっしゃいました。「正直、マッチングアプリに疲れました」。

そのとき、ああ、これが「マッチングアプリ疲れ」なのかと思いました。そして、そのとき彼女に伝えられなかったことを言葉にしたくて、この記事を書くことにしたのです。

■インスタントな恋愛は用法用量を守って

「インスタント食品ばかり食べてると身体に悪いよ」

子どものころカップラーメンを食べていて、親にいわれた言葉です。みなさんも経験があるかもしれません。科学的な話はわかりませんが、いわんとすることは伝わると思います。

この場合、無理がくるのは、おそらく〝身体〟というより〝心〟でしょう。あるいは〝精神〟といった方がしっくりくるかもしれません。

ただ、どうか、マッチングアプリで上手くいかなくても「自分は人間としてダメだ」などとは思わないでほしいのです。

もう恋愛はできないんじゃないかと思わないでほしいのです。自信をなくさないでほしいのです。やっぱり恋愛はむいてないだなんて考えないでほしいのです。あなたの魅力は画面にならんだ写真や情報だけではわかりませんよ。

そして、ぜひ、疲れたら休んでください。今日も明日もマッチングアプリをしなくてはならない理由はありません。あなたの心がやすらかでいる方がはるかに大事です。そうでないと恋愛をできるコンディションにもなりません。

確かに、マッチングアプリは超便利です。現代の恋愛事情における救世主みたいなものでしょう。間違いなく主流になります。

しかしSNSや風邪薬と同じように「用法・用量を守って」というわけです。便利すぎるものこそ付き合い方を考える必要があります。なんであれ、やりすぎは禁物です。

ねえ、その心が健全でいられる状態が、いちばん幸せな恋愛をできる状態なんですよ。

あなたの幸せを心より祈っております。

浅田 悠介

マジシャン。ツイッターで恋愛について語りまくってます。アイコンをおすと飛べるよ。

関連するキーワード

関連記事

Latest Article