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映画『ザ・プレイス 運命の交差点』感想。“運命の選択”の先に待ち受けるものは

【シネマの時間】第62回は、ローマのカフェを舞台に綿密に練られたストーリーによるワンシチュエーションドラマ映画『ザ・プレイス 運命の交差点』をお送りします。交差していく相談者たちの運命、その先に待ち受けるものとは? 4月5日(金)より全国ロードショー!

映画『ザ・プレイス 運命の交差点』感想。“運命の選択”の先に待ち受けるものは

こんにちは。アートディレクターの諸戸佑美です。

【シネマの時間】第62回は、『おとなの事情』のパオロ・ジェノベーゼ監督が、イタリア映画界を代表する豪華アンサンブルキャストで贈る映画『ザ・プレイス 運命の交差点』をご紹介します!

ローマにあるカフェを舞台に、9人の登場人物の運命が次第に交差する、綿密に練られたストーリーによるワンシチュエーションドラマ。

カフェ「ザ・プレイス」の奥のテーブルには昼も夜も居続ける謎の男。

男のもとには人生に迷いがある人たちが絶えず訪れます。

彼らは願いや願望を男に訴え、男はそれを叶える条件として、さまざまな課題を与えるのですが、がんの息子を救いたい父親は見ず知らずの少女の殺害、アルツハイマーの夫を救いたい老婦人は爆弾を仕掛けることを男から命じられるなど、欲望の代償は他人の運命を大きく左右するものでした。

誰しも悩みや叶えたい願いがあると思うのですが、どんな願望も叶うとしたら、人はどこまでできるでしょうか?

観る者は、それぞれ誰かの悩みに共感しつつ、自分だったらどうするだろうかと自分を見つめ、思いを馳せるでしょう。

イタリア・ローマのお洒落な空気感も魅力的で、さまざまな人生を垣間見ることができる面白さ、舞台のような会話劇に一気に引き込まれます。

謎の男役を演じる『甘き人生』のヴァレリオ・マスタンドレをはじめ、サブリーナ・フェリッリ、アルバ・ロルヴァケル、マルコ・ジャリーニなど、実力派俳優達が共演。

2018年には、ヴィット・ディ・ドナテッロ賞7部門ノミネートや第12回ローマ国際映画祭クロージング作品に選出されています。

ぜひあなたも運命の交差点に立ち会ってみませんか。

■映画『ザ・プレイス 運命の交差点』あらすじー欲望の代償は、他人の運命

ローマのあるカフェ「ザ・プレイス」の奥まったテーブルに1日中座っている謎の男。

男の名前は、誰も知らない。

彼の元には、入れ替わり立ち代わり、相談者がやってきます。

相談者たちは、自らの欲望や願いをその男に打ち明けます。

男は話を聞きながらノートに記録した後に、相談者に対して途方もない課題を突きつけます。

それを実行すれば、願いは叶うと言うのでした。

放蕩息子を立ち直らせたい刑事エレットには、女性からの被害届を揉み消せ。

アルツハイマーの夫を治したい老婦人マルチェッラには、人が多く集まる場所に爆弾を作って仕掛けろ。

癌を患う息子を救いたいと願うルイージには、幼い少女を殺せ。

神の存在を感じたい修道女キアラには、妊娠せよ。

幸せになるために美人になりたいマルティーナには、強盗せよ。

ピンナップガールと一晩関係を持ちたいオドアクレには、見知らぬ少女を救え。

視力を取り戻したい盲目の男フルヴィオには、女を犯せ。

夫の関心を引きたいアッズラには、別のカップルを破局させろ。

わずらわしい父親から自由になりたいマルティーナの恋人アレックスには、彼女の強盗を手伝え。

それぞれに課題を与えます。

そんな様子を側からいつも見ているカフェの店員アンジェラは、男に興味を持って話しかけますが、男は自分のことを語ろうとはしません。

望みを叶えるために、男から与えられた課題をひたすら果たそうとする9人の相談者たちの運命は、次第に交差していくのですが……。

■映画『ザ・プレイス 運命の交差点』作品紹介

映画『ザ・プレイス 運命の交差点』2019年4月5日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国順次ロードショー。
公式サイト:heplace-movie.com

原作:クリストファー・クバシク『The Booth 〜欲望を喰う男』
監督/脚本/原案:パオロ・ジェノベーゼ
脚本:イザベッラ・アギラル
撮影:ファブリツィオ・ルッチ
製作:マルコ・ベラルディ
製作総指揮:ノエル・ブライト、スティーブン・A・コーエン
編集:コンスエロ・カトゥッチ
美術:キアラ・バルドゥッチ
音楽:マウリツィオ・フィラルド
衣装:グラツィア・マテリア、カミッラ・ジュリアーニ
製作年:2017年
製作国:イタリア
映倫区分:G
上映時間:101分
字幕:椎名敦子
後援:イタリア大使館
特別協力:イタリア文化会館
配給:ミモザフィルムズ
©︎2017 Medusa Film SpA.

映画『ザ・プレイス 運命の交差点』キャスト

バレリオ・マスタンドレア=謎の男
マルコ・ジャリーニ=エットレ
アルバ・ロルバケル=修道女キアラ
ビットリア・プッチーニ=アッズッラ
ロッコ・パパレオ=オドアクレ
シルビオ・ムッチーノ=アレックス
シルビア・ダミーコ=マルティーナ
ビニーチョ・マルキオーニ=ルイージ
アレッサンドロ・ボルギ=フルヴィオ
サブリナ・フェリッリ=アンジェラ
ジュリア・ラッツァリーニ=マルチェラ婦人

【シネマの時間】
アートディレクション・編集・絵・文=諸戸佑美
©︎YUMIMOROTO

諸戸 佑美

本や広告のアートディレクション/デザイン/編集/取材執筆/イラストレーションなど多方面に活躍。

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