クリスマスモードのミラノは美しい〜ミラノ通信#34
今年もやって来ました、クリスマスシーズン! 11月半ばから街はイルミネーションの準備にかかり、通りや広場が華やかに彩られます。といっても、色とりどりではなく、あくまでシックな色使いのイルミネーション。旧い街並みにしっくりと馴染む、品の良さがヨーロッパならでは。
いつもの通りに、いつものイルミネーション。この変わらなさが良いところ。
それでも毎年、たくさんの人々がこれを見に訪れては口々に「Che bella!(なんて美しい!)」と感嘆し、幸せそうな表情になる。この時期は、人々の幸せに輝く顔を見るのも、お楽しみのひとつです。
ガレリアのツリーは、スワロフスキー社の提供
ドーム型天井にも、毎年恒例のブルーイルミネーション
■イルミネーションには全力で!
12月に入ると、夕暮れからイルミネーションが点灯し、なんとも美しいミラノ。
イタリア人、毎年この作業だけは早い早い! ひと晩で目の前の通りすべてに、イルミネーションセッティングが完了しています。
クリスマスイルミネーション、だけ。
万博までに開通予定だった地下鉄4号線は、未だ開通していません(ミラノ万博は2015年)。
レラの通り、天の川イルミネーション。ひと晩でセッティング完了!
■ちょっとしたクリスマスプレゼントはメルカートで
クリスマスは家族で集まって、ワイワイ賑やかに食卓を囲み、マンマの料理を満喫するのがイタリア。
プレゼントもそれぞれがそれぞれに用意します。家族や親しい友人にも、となるとかなりの数が必要です。
イタリアの年間消費額がググッと上がるのがこの時期、なんと年間総額の4割くらいに達するとか。
友達や同僚などに用意するちょっとしたものは、メルカートで物色する人々も。12月になると、メルカートもクリスマス仕様、キッチン用品もプレゼントを意識した品揃え。ワインのオープナーにキャップシールカッター、タッポのセットが綺麗な透明ケースに入り、リボンをかけたら立派なプレゼントに。
メルカートのキッチン用品店
洋服もお手頃価格のダウンやニット、ショールを手に取り、真剣に吟味する人々でいっぱいです。
メルカートの洋服もプレゼント候補
クリスマス前には、テレビCMも各社香水の宣伝に熱心ですが、こちらでも香水や化粧品が揃います。
香水や化粧品を見ている、リボンの帽子が可愛い年配のシニョーラ、子犬を抱いてバッグはシャネル!
ついでに、メルカートの冬野菜を紹介。
「プンタレッレ」といって、柔らかい芯の部分だけスライスして、アンチョビとオリーブオイルでいただく、冬野菜の王様的存在。やみつきになる美味しさです。
手前がプンタレッラ、複数形でプンタレッレ。外の葉は家庭では炒め物にしたりしますが、レストランでは柔らかい芯の部分だけ出てきます
レストランでのひと皿、アンチョビが効いてやみつきになる美味しさ
こちらはアーティチョーク、ローマ料理で有名です。ローマ風はオリーブオイルで揚げ煮に、ユダヤ風はフライでいただきます。ローマ料理屋には、大抵このふたつのメニューが用意されているので、お試しあれ。
アーティチョーク
ローマ風アーティチョーク
■イルミネーションは1月6日まで楽しめます
毎年変わらないクリスマスイルミネーションですが、今年、ちょっとだけ変化がありました。
普段、ガレリアの電灯は乳白色ですが、イルミネーションが設置されると今年初めて赤色になりました。
どうして? チャイナパワーだろうか、と噂する人々も。
赤のスカラ座広場
ステンドグラスがライトアップされた、ドゥオーモ
ガレリアを抜けるとスカラ座広場に出ますが、今年はここも赤く染まっています。
どうしてだか、赤の広場に。片隅には、シャネルの香水ボトルオブジェ。
「Dressed in Red by CHANEL」と書かれた真っ赤に輝くトラムも発見!
シャネルの電飾トラム
イタリアのクリスマスイルミネーションは1月6日まで煌めいています。
訪れる機会があれば、幸せそうに輝く人々の顔とともに、満喫してくださいね。
おまけに、いつもの通り道で見つけた柊の木。何年も通っていたのに、今年初めて気がつきました。
なぜなら、その赤い実を撮影していた旅行者を見つけたから。何を撮っているのだろう、と近寄ってみて気づいた次第です。
ロシアからのふたりの女性たちとは、そんなきっかけがあって話をして、すっかり友達になりました。これもクリスマスの贈り物? 嬉しい出会いでした。
きっかけになった柊の木はこちら。スカラ座からほど近い教会の前にありました。
いつもの通り道にあった、柊の木
皆さま、楽しいクリスマスと、よいお年をお迎えください。
本連載「ミラノ通信」も3年目に突入します。来年もどうぞ、よろしくお願いします。
Buone Feste! メリークリスマス