海老原 露巌(えびはら ろげん)書道家、墨アーティスト、文化庁文化交流使。1961年栃木県下野市生まれ。4歳より書を学ぶ。作品は在フランス日本大使館、在日本イタリア大使館、中国狭西省歴史博物館、カナダケベック州立文明美術館などに収蔵され、近年はパリ日動画廊、新宿伊勢丹にて展覧会を開催する。
7月の新月のメッセージ「包み込む幸福感を知る」
今回の新月は蟹座。時間は7月13日金曜の正午前の11時49分。今回は特別で「部分日食」となる新月です。蟹座のテーマは「女性性」「心地よい空間」。女性性とは受容のエネルギーであり、その受け入れる空間は、とても優しくて柔らかな感覚なのです。
■女性性と男性性の違い
ご自分が女性であれ男性であれ、両方の性質は誰の中にも存在します。
両方のバランスをとっていくことが、とても大切です。
女性の中にある男性性とは、どちらかというと「外」に向かっていくエネルギーであり、闘うイメージです。また論理的でもあり、現代社会で働いていくときにはとても役立ちます。
ですが、あまりに男性性ばかりが強くなってしまうと、攻撃的になってしまいます。また、自分で決めているルールから外れるとイライラしてしまいがち。他人を許せなくなってくるのです。
では、女性性が強ければいいのかというと、そうでもありません。
女性性だけが強くなっても、今度は受容することばかりが優先されて、自分を大切にできなくなってきます。誰かに合わせすぎて、何も言うことができなくて、結局落ち込んで終わり。自信がなくなっていく一方です。
つまり、両方のバランスがあってこそ、ご自分も周りの人も幸せにすることができるわけです。
■包み込む幸福感を知る
では、今回のテーマとなる「包み込む幸福感を知る」とは、どういうことでしょうか。
「包み込むことを幸せだ」と感じられる状態とは、女性性の感覚を感じられるということです。
もちろん、男性性も女性性もバランスが取れていることをベースにです。
私たちは、何かをしてもらいたいと思いがちですが、実はちゃんと自分が満たされているからこそ、包み込んであげることこそが幸せと感じます。それは、与えてもらうだけではたどり着けない幸福感。女性ならではの感覚なのかもしれません。
だからこそ、先にいった「自分が満たされている」状態であるために、自分をもっと大切に扱ってあげることが、とても重要です。
■自分の中の女性性を開放する
女性だからこそ感じる喜びを、日々楽しんでいるでしょうか?
そして、自分のための時間やお金を、感情や感覚を大切に使っているでしょうか?
外見でいえば、あなた自身が綺麗になるための時間やお金は、決して無駄ではありません。そして綺麗になろうとする努力こそが美でもあります。また外見だけではなく、内面のケアもしてあげたいです。
・誰かに自分の気持ちを安心して聞いてもらえていますか?
・自分に嘘をついていることはありませんか?
できていてもいなくても、認めてあげる時間というものを、1日1分でもいいので作ってみましょう。
そして、まずは「自分が自分自身を受け入れる」という体験を日々、積み重ねていきましょう。それはいつか、心から愛する人を大切にする力になっていきます。
また、自分の欲求の中にセクシャリティも存在します。
多かれ少なかれ、自分自身には正直でいましょう。そして理想は、パートナーとさらに深い解放を体験していきたいと話し合ってみること。あなたを本当に大切に思う人ならば、きちんと向き合ってくれるはずです。
そして女性であることを、最大限に楽しむのです。
■露巌先生の7月の新月作品
しっかりとした存在感がありながら、強すぎないしなやかな曲線は、「自分自身」という世界が存在しながらも、女性らしい柔らかな世界観を感じます。
直観や感覚を大切にすることでしか生まれないその世界は、自分自身の解放と共に、確かな受容感と安心感を生み出します。もう何も怖がらなくていい、私はここにいます、と教えてもらえているよう。
そして、それこそが唯一無二の瞬間と感覚を得られる人生なのだと。そこに幸福感というものが存在するのかもしれません。
7月13日の部分日食は、いつもとは違う大きな変革期となるタイミングです。自分自身や大切な人との関係性を改めて見直してみてください。