「出会いがない」は言わないほうがいい言葉
出会いがない。本当は恋愛したいのに……と焦る。また、出会いはあるんだけどなぜか交際まで発展しない。そんなときは、少し「出会い」という言葉から離れてみましょう。恋愛に気負いすぎてしまうと、自然体で振る舞うことが難しくなります。「その先」はゆっくり考えれば良いこと。気持ちが楽になる考え方について、ご紹介します。
■「出会いがないな。どこかにいい男、いないかな」
恋愛したいと思ったとき、まず好きな人が必要ですね。そして好きな人を見つけるには、出会いがまた重要です。
アラサーのある女性は、「出会いがない」「いい男と出会えない」と嘆いてばかりいました。
彼女自身は、バリバリ仕事をがんばっていてプライベートも好きな趣味に費やし、充実した毎日を送っています。
足りないのは「彼氏」だけ。それが彼女の口ぐせでした。
ある日、彼女は友人に誘われてコンパに行きます。そこで趣味の合う男性と知り合い、ふたりで食事に行くようになりました。
「やっといい出会いがあった!」
と彼女は喜んで報告してくれましたが、その数カ月後、「何か連絡のタイミングとか合わなくてしんどくなった」と彼とは交際に進むことなく終わったことを教えられました。
「合わせられなかったの?」
と尋ねると、
「だって、寝る前の電話とか私必要ない人だし。眠いからって断ったら寂しいとか言うし、ちょっと合わないなーって」
彼女は答え、ため息をつきました。
「どこかにいい男っていないかなぁ。出会いがないなぁ」
■「その先」を考えられない男性との時間は「出会い」じゃない
実際、彼女に「出会いはない」のでしょうか。
会社でも趣味の場でも、多くの男性と彼女は顔を合わせます。明るくて元気な彼女は男性からも好かれ、食事に誘われたことも何度もあります。
それでも、彼女にとってそれは「出会い」ではありません。
良い雰囲気だった男性と関係が終わるとき、彼女がよく口にするの「先が考えられない」でした。
親しい期間がいつも短い中で、「収入はいいのに貯金してないみたいだし」「趣味より自分を優先してって言われて」など、彼女にとってはお付き合いに至らない理由があります。
彼女にとって、「その先」がない男性との時間は、「出会い」にはならないのです。
「いい男と出会いたいけど、そんな人どこにいるの?」
と彼女が言うとき、「出会い」は「その先」を考えられる男性だけが対象になっています。
そしてもうひとつ、彼女は男性と親しくなるチャンスが来ると、「良い出会いをつかんだ!」と喜びますが、最初から交際に発展する可能性ばかり考えていました。
自分のライフスタイルと合うかどうか、借金があったりメンタルに問題を抱えていないかなど、付き合えるかどうかを前提に男性を見てしまうため、合わない部分があるとすぐに「先はない」と判断して親しくなるのを止めてしまうのですね。
彼女を見ていて思うのは、「出会い」にとらわれているなぁ、ということでした。
■「出会いがない」と思うのは、「出会い」という言葉に縛られているから
それなら、結婚相談所などに登録して、いっそ婚活に切り替えたらどうか、と提案したことがあります。
でも、彼女の返事は「NO」。
「そんなところで男を漁るのはもっと後でいい。今はまだ自然に出会う人と付き合いたい」
というのが彼女の答えですが、その「自然な出会い」は、彼女の前にいくらでも用意されています。
「結婚相談所とか人の紹介って、後が面倒くさくない? 普通の出会いなら別れるのも簡単だし」
彼女の言う「普通の出会い」とは何でしょうか。
無理と思ったらすぐに別れられる出会い? 短期間で見切りを付けられる出会い?
交際や結婚を求める反面で、彼女の中には「高望み」とは違う相手への要求が垣間見えます。
それは、最初から自分に合う人であってほしい、という一方的な希望です。
「その先」を考えるあまり、男性を交際相手に考える判断基準が完全に自分の目線だけになっているのですね。
なので、男性との接し方もどこか距離を置き、「自分とやっていけそうかどうか」という目で男性を「観察」していました。
いつも出会いから短期間で親しくなるのを止めてしまうのは、自分の基準から外れたとわかったらすぐに関係を終わらせるから。「これ以上は無駄」と一方的に決めつけてしまうことで、男性の本当の姿を知ることがないまま交際へのチャンスが消えます。
そしてスタート地点へ。「出会いがないなぁ」といくら嘆き続けても、彼女自身が「出会い」に縛られているので、本当に自分と合う男性を見つけられることはないのが実態です。
■フォーカスするのは「出会い」ではなく「つながり」
たとえ結婚相談所からこの人ならという男性を紹介されても、今の彼女ではやはり短期間で「審判」を下すでしょう。
彼女がフォーカスしているのは「その先」を考えられる男性かどうか。男性自身の性格や人間性などより、自分に合うか否かで判断していても、そんな完璧な人間と縁があるのは稀、と考えるのが普通です。
それより、本当にお付き合いに発展できる男性と知り合いたいと思うなら、まず「出会い」という言葉から離れることが肝心です。
彼女にとって、「出会い」とはゲームの始まり。「交際」というゴールに向けて、相手へのジャッジが始まる瞬間です。
そうではなく、知り合えたことをまずは喜ぶこと。
恋愛は簡単に生まれるものではありません。違う人間同士が惹かれ合うことはいつだって奇跡に近く、それだけ出会いは本来貴重なものであるはず。「さぁ、この人はどうだ」ではなく、「これからよろしく」という気持ちで接することが、気持ちの通うコミュニケーションを重ねていく秘訣です。
「その先」を考えるのは、出会いの瞬間ではありません。
交際はふたりの気持ちが一致しないと成立しないもの。お互いを知っていく過程で自然とそんな流れになることもあるし、また別離を迎えるかもしれません。それは、時間をかけないとわからないことなのです。
「合うか合わないか」のような極端な考え方で男性と接していると、自然体で振る舞うことは難しくなります。それは、自分にとってもありのままを見てもらえないという不幸を呼ぶでしょう。
「出会い」という言葉を外して男性を見つめると、いろいろな可能性があることに気が付きます。
恋人の位置がもし難しくても、良い友人、信頼のできる仲間、縁は多くの方向に伸びていくものです。たとえつながりが終わってしまうことがあっても、それまで心を開いたコミュニケーションが取れていたなら、後味の悪い思いをすることも、「今度もダメだった。いい出会いないかな」と嘆くこともないはずです。
フォーカスするのは、「出会い」ではなくふたりの「つながり」。
そのときのふたりの時間を楽しむことに焦点を当てていれば、そこから心の結びつきが得られるはずです。
■「出会いがない」という言葉を手放すと気持ちが楽になる
誰だって、良い人と出会いたいし失敗もしたくありませんよね。
ですが、結果を前提にして男性との出会いを持ってみても、結局「気に入らないからすぐ別れる」ことを繰り返すばかりで、せっかく手にした縁をみずから手放すことになります。
それは非常にもったいないことです。
「いい出会いがないなぁ」と口にしそうになったら、一度立ち止まってその言葉を自分の心から外してみてください。
まだわからない「その先」を考えて男性を見るのではなく、知り合えたことにまず感謝する気持ちがあれば、視野が広がって身近な出会いに気づくこともあります。
リラックスすることが、心地よいコミュニケーションには欠かせません。
「疲れない出会い」はいつだって自分次第であることを、忘れないでくださいね。
2018年1月21日公開
2019年4月18日更新