中国気鋭のアーティスト、ヤン・フードンのビデオインスタレーションをエスパス ルイ・ヴィトン東京にて展示中。
表参道のエスパス ルイ・ヴィトン東京でアーティスト、ヤン・フードンのビデオ・インスタレーションが10月18日から2018年3月11日まで展示されています。5面のディプレイに投影される色鮮やかで立体的なヤン・フードンのインスタレーションの世界にひたることができます。
『The Coloured Sky:New Women II』
今回展示されているビデオ・インスタレーションは、中国の現代アーティスト、ヤン・フードンの作品『The Coloured Sky:New Women II』。
この作品は、2013年の『New Women』の続編で、35mmモノクロフィルム制作を基本としていたフードンが手掛けた初めてのデジタルカラー作品。
あえて人工的なセットで造りあげたという浜辺のロケーションで、レトロな水着をつけた魅惑的な5人の女性を映し出し、夢と現実の狭間に浮かぶ「秘密の園」へ観るものを誘います。5つのスクリーンには女性たちと、太陽、海、浜辺、遊び、食べ物、西洋美術へのオマージュが投影されます。さらに本物の馬と剥製の鹿が登場し、何が真で、何が偽であるか、という中国の故事を引用した映像も挿入されています。
彼のビデオアートは中国の伝統に触発されている一方で、新しい感覚を伝え、観客にとって劇的な経験を生み出します。近年、彼の作品には、これらのビデオを使用するインスタレーションが含まれています。複数の視点を意識した彼の作品は、神話、個人的な記憶と経験を通してアイデンティティの構造と形態を追求しています。
『The Coloured Sky:New Women II』展示概要
会期:2017年10月18日~2018年3月11日
会場: エスパス ルイ・ヴィトン東京
住所: 東京都渋谷区神宮前 5-7-5 ルイ・ヴィトン表参道ビル7F
時間: 12:00‐20:00
入場料: 無料
ヤン・フードン(1971~)プロフィール
1971年北京生まれ。中国を代表するフィルムアーティストとして、現在は上海を拠点に活動。当初画家として活動していましたが、フィルム制作へをはじめると、1990年代後半から頭角を現し、中国全土にわたり開催された、影響力のある前衛的な数々の展覧会で紹介されるようになりました。以来、クンストハレ・ヴィーン(2005年、ウィーン)、アジア・ソサエティー(ニューヨーク、2009年)、国立現代美術館(アテネ、2010年)、パラソルユニット(ロンドン、2011年)などで個展を行ったり、世界の著名な国際芸術祭にも参加。
2013年のバークレー美術館&パシフィックフィルムアーカイブ(アメリカ)との共催でクンストハレ・チューリッヒで開催された展覧会は、ヨーロッパにおける初の大規模な個展で大きな反響を呼びました。
2016年には「Filmscapes」と冠したフードンを大々的に取り上げた展覧会がオーストラリア映像センターとオークランド・アートギャラリー・トイ・オ・タマキで開催されました。
フォンダシオン ルイ・ヴィトンとエスパス ルイ・ヴィトン東京
パリのフォンダシオン ルイ・ヴィトンは、現代アートとアーティストに特化し、同様にそれらのインスピレーションを辿ることができる 20 世紀の作品を扱う芸術機関です。フォンダシオンが所蔵するコレクションと主催する展覧会を通じ、幅広く多くの人々に興味を持っていただくことを目指しています。建築家フランク・ゲーリーが手掛けた建物は、フォンダシオンのその独創的で将来の発展に目を向けた芸術への取り組みを体現し、すでに21 世紀を象徴する建築物として認められています。2014年10月の開館以来、100 万人を超える来館者が訪れました。
パリにオープンして以来、フォンダシオン ルイ・ヴィトンは、当館にて実施される企画のみならず、他の財団や博物館を含む、民間および公共の施設や機関との連携においても、国際的な取り組みを積極的に展開していくことを掲げています。所蔵するコレクションの展示を目的に東京をはじめ、ミュンヘン、ヴェネツィア、北京に設けられた文化スペースにて開催する『Hors-les-murs.(壁を越えて)』プロジェクトのアーティスティック・ディレクションを担っています。