映画『ドリーム』感想。NASA宇宙開発の発展を導いた黒人女性数学者たちの勇気と感動の実話!
『DRESS』シネマの時間第16回は、全米大ヒット! アカデミー賞3部門ノミネートを果たした映画『ドリーム』をお送りします。歴史上知られざるヒロインたちの夢と勇気と感動の痛快サクセスストーリー! 映画『ドリーム』の魅力を、アートディレクターの諸戸佑美さんにご紹介いただきます。
こんにちは、諸戸佑美です。
あっという間の毎日ですが、今年も残すところ3ヶ月となりましたね。
『DRESS』シネマの時間第16回は、夢や希望を与えてくれて元気になれる映画『ドリーム』をご紹介させていただきます!
1962年に米国人として初めて地球周回軌道を飛行した宇宙飛行士ジョン・グレン(グレン・パウエル)の功績を影で支えた、NASAの3人の黒人女性スタッフ、キャサリン・ジョンソン(タラジ・P・ヘンソン)、ドロシー・ボーン(オクタヴィア・スペンサー)、メアリー・ジャクソン(ジャネール・モネイ)の知られざる物語を描いたヒューマンドラマ。
人種差別が激しい時代背景の中、幾多もの困難を乗り越え、NASA宇宙開発の発展に貢献した黒人女性数学者たちのチャーミングでカッコいい姿に、私も心打たれ勇気づけられました。
すべての働く人々に贈る、勇気と感動の実話!
彼女たちの明るく前向きな生き方は、明日も仕事をがんばろうという気持ちにさせてくれるでしょう。
ぜひ映画館でお楽しみください。
■映画『ドリーム』あらすじと見どころ――働くすべての人々へ贈る! 宇宙開発史上の偉業を支え、新しい時代を切り開いた黒人女性たち
東西冷戦下のアメリカとソ連が熾烈な宇宙開発競争を繰り広げ、人種差別がまだ色濃く残っていた1960年代初頭。
ヴァージニア州ハンプトンのNASAラングレー研究所では、キャサリン・ジョンソン、メアリー・ジャクソン、ドロシー・ヴォーンといった優秀な黒人女性たちが計算手として西計算グループで働いていました。
リーダー格のドロシーは管理職への昇進を希望しますが、上司ミッチェルに「黒人グループには管理職を置かない」と理不尽に却下され、出世のチャンスすらありません。
メアリーは技術部への転属が決まりエンジニアを志しますが、トレーニングプログラムに参加するためには白人専用の大学に行く必要があると無理難題な条件を突き付けられます。
天才的な数学者のキャサリンは黒人女性として初のハリソン(ケビン・コスナー)率いる宇宙特別研究本部に抜擢されますが、白人男性ばかりの職場の雰囲気は厳しく、女性である上に黒人という二重の差別を受け苦労することとなります。
それでも3人は、国家の威信をかけたマーキュリー計画に貢献しようと奮闘します。
理不尽で悔しい思いをさせられる場面に何度も遭遇しますが、とにかく明るく前向きです。
卑屈になることなく冷静に苦難を乗り越える方法を考え、家族やまわりの協力を得て、自分の夢を実現していくのです。
1961年4月12日、ソ連はユーリ・ガガーリンを乗せたボストーク1号で史上初の有人宇宙飛行を成功させます。
ソ連に先を越されたNASAへの猛烈なプレッシャーのなか、キャサリンはロケットの打ち上げに欠かせない複雑な計算や解析に取り組み、その実力をついにハリソンに認められ、宇宙特別研究本部で中心的な役割を任されます。
一方、ドロシーは、新たに導入されたIBMのコンピュータを使ったデータ処理の担当リーダーに指名され、メアリーは裁判所への請願が実り、なんと白人専用だった学校で技術者養成プログラムを受けるチャンスに恵まれるのです。
また、夫に先立たれ3人の子どもをひとりで育てていたキャサリンは、教会で出会ったジム・ジョンソン中佐のプロポーズを受けることにします。
仕事と家庭を両立させながら夢を追い求めることを諦めなかった3人は、NASAの歴史的な偉業に携わり、自らの手で新たな扉を開いていくのでした!
そして1962年2月20日、宇宙飛行士ジョン・グレンがアメリカ初の地球周回軌道飛行に挑む日。
打ち上げ直前に想定外のトラブルが発生し、NASAは非常事態に陥りますが、運命はいかに……!
■豪華実力派俳優陣、スタッフ陣が集結!
大ヒット上映中の映画『ドリーム』には、豪華実力派俳優人やスタッフ陣が集結!
キャサリン役では、『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』のタラジ・P・ヘンソン。
ドロシー役を『ヘルプ 心がつなぐストーリー』のオクタビア・スペンサー。
メアリー役を『ムーンライト』などにも出演している歌手のジャネール・モネイが演じ、その主演のトリオで見事全米俳優協会賞の最優秀アンサンブル賞に輝き、スペンサーがアカデミー賞助演女優賞にノミネートを果たしています。
また、ハリウッドの大物スター、ケビン・コスナーや『ムーンライト』でアカデミー賞助演男優賞を受賞したマハーシャラ・アリががっちりと脇を固め、魅力的です。
監督には『ヴィンセントが教えてくれたこと』のセオドア・メルフィがメガホンをとり、困難を乗り越えて自分の才能を発揮する女性たちを描いたお仕事ドラマとしても、人種差別や宇宙開発史を描いた社会派・歴史ドラマとしても見応えがある痛快エンターテイメントとして描き出し、幅広い観客層の熱い共感を呼び感動の声が続出!
音楽界のスーパー・マルチアーティスト、ファレル・ウィリアムスが手がけたサウンドトラックも映像にマッチして素晴しく、主人公たちが着る1960年代の風俗を今に甦らせたカラフルなファッションもチャーミングで見逃せません!
■映画『ドリーム』作品紹介
2017年9月29日よりTOHOシネマズ新宿ほかにて大ヒット上映中!
公式ホームページ http://www.foxmovies-jp.com/dreammovie
原題:Hidden Figures
監督:セオドア・メルフィ
製作:ドナ・ジグリオッティ、ピーター・チャーニン、ジェンノ・トッピング、
ファレル・ウィリアムス、セオドア・メルフィ
製作総指揮:
共同制作:
原作:マーゴット・リー・シュッタリー
脚本:アリソン・シュローダー、セオドア・メルフィー
撮影:マンディ・ウォーカー
編集:ピーター・ティッシュナー
美術:ウィン・トーマス
衣装:レネー・アーリック・カルファス
音楽:ハンス・ジマー、ファレル・ウィリアムス、ベンジャミン・ウォルフィッシュ
製作国:アメリカ
製作年:2016年
映倫区分:G
配給:20世紀フォックス映画
上映時間:127分
■映画『ドリーム』キャスト
タラジ・P・ヘンソン=キャサリン・G・ジョンソン
オクタビア・スペンサー=ドロシー・ボーン
ジャネール・モネイ=メアリー・ジャクソン
ケビン・コスナー=アル・ハリソン
キルステイン・ダンスト=ビビアン・ミッチェル
ジム・パーンズ=ポール・スタフォード
マハーシャラ・アリ=ジム・ジョンソン
キンバリー・クイン=ルース
グレン・パウエル=ジョン・グレン
オルティス・ホッジ=レビ・ジャクソン
【シネマの時間】
アートディレクション・編集・絵・文=諸戸佑美
©︎YUMIMOROTO
本や広告のアートディレクション/デザイン/編集/取材執筆/イラストレーションなど多方面に活躍。