夏の猛暑対策に! 室内を快適に過ごす暑さ対策便利グッズ
今夏は梅雨明けが早く、30度を超える日も多いです。自宅でもオフィスでもエアコン漬けの方は少なくないでしょう。熱中症対策のためエアコンを活用することが奨励されているものの、エアコンを24時間フル回転させなくても、少しの工夫でよりエコで快適に過ごせる方法があります。
今回は、ホームセンター「ユニディ」狛江店の副店長・西さんに、この猛暑を乗り切るための、室内で活用したい便利な暑さ対策グッズを教えていただきました。
■実はスゴい! 日本が誇る天然素材「い草」のパワー
夏というと子どもの頃、よくゴザの上でお昼寝をした記憶があります。ゴザといえば、い草。畳(たたみ)の材料でもありますが、い草にはどんな性能があるのでしょうか。
西さん「まず、い草の内部にはスポンジ状の『なかご』があります。『なかご』は、空気中の湿気を吸って蓄え、空気が乾燥すると水分を放出するという調湿作用があります。スポンジ状ですからクッション性に富み、座ったり寝転がったりしても優しく体重を支えてくるのです」
なるほど。だから、高温多湿の日本に畳は欠かせない存在だったのですね。い草には保温性もあり、冬でも足元が温かく感じるのもそのせいだそうです。
西さん「暑さ対策から少し話がそれますが、新しいゴザや畳のにおいをかいだことがあるでしょう。あの香りをかぐと、なんだか心が癒される気がしませんか? あれは、フィトンチッドという樹木などが発散する芳香成分で、殺菌効果もあるんです。ですから、い草には消臭効果や空気清浄効果もあるのですよ」
「フィトンチッド」という言葉が聞き慣れなかったので調べてみると、樹木は傷つけられると、傷口に菌や虫がつかないよう、殺菌作用のあるフィトンチッドを放出し、感染症などから自己防衛しているのだそうです。
このフィトンチッドによる殺菌作用が、森林の空気をいつも新鮮にしているのだとか。新しいゴザや畳の香りに癒され、新鮮な気持ちになれるのも納得です!
■扇風機とサーキュレーター、どこが違う?
さて、日本の夏に欠かせないエアコン。つけっぱなしにすれば体が冷え、スイッチを切れば蒸し暑くなり……と、調節の難しさに閉口している方も多いでしょう。では、エアコンの冷気を効果的に循環させるには、どうしたら良いのでしょう。
西さん「もう一般的になりましたが、エアコンの設定温度を高め(28度くらい)にして、サーキュレーターや扇風機などで室内の空気を循環させることが効果的です。室内の温度や湿度を一定に保てるだけでなく、風が体感温度を下げてくれます。
冷たい空気は下層部に溜まるので、エアコンの下から対角線上反対側の天井に向けて空気を送るようにすると、効率的にエアコンの温度が下げられます」
冷たい空気は下層部に溜まるので、エアコンの下から対角線上反対側の天井に向けて空気を送るようにすると、効率的にエアコンの温度が下げられます」
ユニディ狛江店の扇風機・サーキュレーターコーナーを見回すと、置き型の扇風機とサーキュレーターのほかに、壁掛け型やタワーファンなども目につきました。これらは、どのように使い分ければ良いのでしょう?
西さん「サーキュレーターは上下左右に首を振り、室内の空気を撹拌(かくはん)させることが目的です。サーキュレーターで起きる風は直線的で硬いので、直接肌に当てるのはあまりおすすめできません。一方、扇風機は基本的に首を振るのは左右のみで、人が涼をとることを目的としています。ですから、扇風機の風は幅広くやわらかい風を起こします。
壁掛け型やクリップ型の扇風機は、場所を取らず子どもの手が届きにくいので、狭い場所や小さいお子様のいるお宅などに適しています。
タワーファンは、幅がせまいので場所をあまり取らず、おしゃれ感があります。しかし、手入れの面で考えると、ぼくは扇風機をおすすめします」
壁掛け型やクリップ型の扇風機は、場所を取らず子どもの手が届きにくいので、狭い場所や小さいお子様のいるお宅などに適しています。
タワーファンは、幅がせまいので場所をあまり取らず、おしゃれ感があります。しかし、手入れの面で考えると、ぼくは扇風機をおすすめします」
冬にエアコンを入れたときも、暖かい空気が室内の上層部に滞るのを防ぐために、サーキュレーターは有効なのだとか。
ちなみに最近は、扇風機とサーキュレーターの機能を兼ね備えた商品も登場しています。購入を検討している方は、ぜひ調べてみてください。
■窓から入る熱を遮断するには……
夏はよく、「葦簀(よしず)」を立てかけているお宅を見かけます。私は一度もよしずを使ったことがないのですが、よしずにはどのような効果があるのですか?
西さん「言わずもがな風通しが大変良く、日よけの効果もあります。家屋の外側に立てかけることで、日射熱を8割ほど遮断すると言われており、室内で遮熱するよりはるかに効果的といえるでしょう。
そして、よしずは吸水性に富むため、水をかけると気化熱によって周囲の温度を下げてくれます。水をかけることによって、室内に入る空気の温度を2~3度ほど下げられるそうですよ」
そして、よしずは吸水性に富むため、水をかけると気化熱によって周囲の温度を下げてくれます。水をかけることによって、室内に入る空気の温度を2~3度ほど下げられるそうですよ」
気化熱を利用するということは、打ち水と同じ理屈。昔の日本人は、知恵と工夫で暑さを乗り切っていたのですね。ちなみに、よしずはサイズが大きく収納にも場所を取るので、大きな窓や広い収納場所があるお宅向けだそうです。
では、窓が小さくて収納場所が狭いお宅はどうすれば……?
西さん「すだれや遮熱カーテン(レース)のほか、窓に直接貼り付ける遮熱シートなどを活用すると良いでしょう。
すだれは、よしずと同じ理屈で外側に吊るす方が効果的。窓とすだれの間に熱気がこもらないように、窓から10センチ以上離した場所に吊るしましょう。よしずと同じく水をかけることによって、窓から入る空気の温度を下げることができます。
遮熱カーテンや遮熱シートは、特にエアコンを頼る季節に効果を発揮します。製品によってその性能は異なりますが、普通のカーテンやブラインドなどと比較すると、冷房効果が違います」
すだれは、よしずと同じ理屈で外側に吊るす方が効果的。窓とすだれの間に熱気がこもらないように、窓から10センチ以上離した場所に吊るしましょう。よしずと同じく水をかけることによって、窓から入る空気の温度を下げることができます。
遮熱カーテンや遮熱シートは、特にエアコンを頼る季節に効果を発揮します。製品によってその性能は異なりますが、普通のカーテンやブラインドなどと比較すると、冷房効果が違います」
ちなみに、拙宅は大きな窓があるので、オーニング(可動式テント)と洋風すだれを窓の外に併用。遮熱カーテンを室内に吊るしています。さらにエアコンのフィルターはまめに掃除を。
扇風機も使用することで、エアコンは日中でもドライか設定温度27度の冷房で問題ありません。
風で涼をとっていた時代とは違い、今は暑さを乗り切るためのさまざまな便利グッズがあります。
窓の大きさや太陽光・熱の入り具合、自宅滞在時間など、環境やライフスタイルに合わせ、暑さ対策グッズを選びましょう。