アトピーの彼が湿疹を掻きむしる音がすごく気に障る
男女の摩擦をクリアする魔法のガイド! 浮気すら許し合う関係を目指して
寝食をともにする男女の生活において、些細な不満は、ふたりの大きな亀裂につながります。そんな夫婦やカップルの間に生じる摩擦を解決するのが、ここで紹介する4つのガイドライン。このガイドラインを取り入れることができれば、お互いの間にあった溝が魔法のように埋まります。しかし、ここに思わぬ空白地帯が生まれて……。
■同棲中の男女にとって、小さな問題こそが大きな問題
先日、僕のところにある若いカップルが相談に来ました。
同棲中の彼らは、生活上の価値観の相違から……まあよくある摩擦を起こしていました。夫婦であれ、同棲カップルであれ、それまで別々に生きてきた人間が寝食をともにするわけですから、そこに考え方の違いが生じるのも無理ない話です。
その同棲カップルの彼女が言う「不満の実例」は、こんな感じです。
ええ、小さなことですね。
しかし、一緒に住む者同士にとっては、小さなことこそ大問題です(あなたもお心当たりありませんか)。
ちなみに彼女自身も少しアトピー持ちだそうで、アトピーの悩みがわからないわけではないことはお伝えしておきます。むしろ、その不快感がわかるからこそ、「その音が気になるのだ」ということです。
彼氏からすると「痒くてつい掻いちゃうんだよ」。
彼女からすると「その音が気に障るんだよ」。
さて、この問題をどう解決したら良いのでしょうか……。
■摩擦を解決する魔法のガイドライン
僕は「すべての夫婦・同棲カップルの摩擦を解決する魔法のガイドライン」を彼らに教えました。
この4つこそが、そのガイドラインです。
これらにお互いが合意していれば、摩擦は必ず解決します。
むしろ、夫婦や同棲カップルの一方あるいは双方が、このガイドラインのどれかひとつでも合意できないならば、そのパートナーシップはうまくいかないでしょう。いっそ別れた方がいいかもしれません。
掻きむしり問題のケーススタディ
さて、ここからは、ケーススタディ。
冒頭の同棲カップルの「掻きむしる音が気に障る」事案、このガイドラインに従うならば、どのように裁定することになるのでしょうか。
すべてに照らし合わせましょう。
1.自分の行動は自分が決めて良い
彼氏は「アトピーを掻くかどうか」を自分で決められるということになります。
2.相手の行動を制限しない
彼女は彼氏が「アトピーを掻くがどうか」を制限してはいけないということになります。
どうも彼女の主張の方がやや劣勢ですね……。
3.相手に対して相手の嫌がる関わりをしない
ここで逆転! 彼氏は、彼女に、掻きむしる音を聞かせてはいけません。それは「相手に対して相手の嫌がる関わりをしている」ことになります。
4. 相手の奉仕を要求しない
(この件では、どちらも奉仕を要求しているわけではないので割愛します)
以上がガイドラインを用いた本事案の裁定です。
つまり、彼女は「掻きむしる音を聞かされるのが苦痛である」と言うことはできます。不快感の表明をするのは自由です。
ただし、行動を制限する権利はありません(ガイドライン1とガイドライン2より)。
その彼女の不快感の表明を受けて、彼氏の方は「掻きむしる音を聞かせない」努力が必要になります(ガイドライン3より)。
なんと、彼女は何を強く要求することもなく、彼氏が自発的に(彼女の前で)掻きむしるのをやめることになるわけです。
この同棲カップルは、この「掻きむしり問題」をはじめとする、ふたりの間のあらゆる問題にこのガイドラインを適用することを互いに合意しました。結果、ふたりとも非常にすっきりした表情で帰っていきました。
そして、僕は後日、彼らの入籍の証人を頼まれましたとさ。めでたしめでたし。
■このガイドラインのおそるべき空白地帯
この4つのガイドラインはとても公平です。
しかし公平すぎて、多くのパートナーが欲するひとつの強制力がないことにお気づきになるでしょうか? それは、このガイドラインへの合意が「浮気をとがめない」約束になってしまうということです。
照らし合わせてみましょう。
1.自分の行動は自分が決めていい
自分が浮気するかどうかは「自分が決めていい」。
2. 相手の行動を制限しない
相手の浮気を「制限しない」。
3.相手に対して相手の嫌がる関わりをしない
相手は嫌がるだろうけど、浮気は「相手に対する関わり」ではない。
4. 相手の奉仕を要求しない
自分に対して一途であることを「要求しない」。
こうして眺めると恐ろしいですね。このガイドラインにあなたは合意できますか?
あなたが本当に望むパートナーシップ
このガイドラインに合意できないのだとしたら、あなたの心の平穏は相手の行動に依存し、相手が思い通りにならなければあなたはヒステリーを起こすことになります。あなたが幸福かどうかは、相手の行動次第になってしまうでしょう。
そもそも、「あなたが強制力を持っているから」という理由で浮気をしない相手を選びたいのか、それとも「何も強制しなくても」浮気をしない相手を選びたいのか……あなたはどちらでしょうか?
そして、あなたの今のパートナーに、もし「あなたが浮気をしたとしても私はそれをとがめません」と言ったとしたら……パートナーはそれでも浮気をしないでしょうか?
■男の嘘は、じっと見つめて、その目で見抜く
思いきって、試しに「わたしが『浮気しても怒らないよ』って言ったら浮気しちゃう?」って聞いてみてください。
100%の男が、「そう言われたってするわけないじゃ~ん」と答えると思います(笑)。だから言葉は無視していいのです!
「するわけないじゃ~ん」と言っているときの男の目をじっと見てください。女の勘が何かを感じ取ることでしょう……。