カラフル野菜の韓国料理を三田で。モダンコリアンの新店「PANCHAN」へ
真っ赤なトマトのナムルに、卵黄をからめた和牛サーロイン……2017年5月8日、東京・港区に、カラフル野菜の韓国料理とA5ランク和牛の焼肉が楽しめるモダンコリアン料理店「PANCHAN」がオープンしました。実食レポートをお届けします。
「焼肉」。この2文字を見るだけでワクワクする。肉のジュージュー焼ける音、食欲をそそる匂い、野菜で巻いてかぶりつく歯ごたえ、肉汁、「ふ~っ」という満足感。
だがしかし、食べたいのにためらってしまう場面も多いのではないだろうか。「このあと歯医者だし」「ダイエット中だもんなぁ」「私の服までおいしそうなニオイになるのがイヤ!」など。
そんな“焼肉メンタルブロック”を軽やかに飛び越えさせてくれるお店が、2017年5月8日、東京・港区にオープンした。さっそく行って食べてきたので、実食レポートをお送りしよう。
■2階建、シンプルなインテリア。カウンター席も
こちらが、焼肉×モダンコリアンの新店「PANCHAN(ぱんちゃん)」。韓国語で「おそうざい」を意味する。その名の通り、韓国で親しまれる野菜たっぷりのおそうざいをモダンに昇華させ、お肉といっしょにいただくことで、美容と健康によい美味しい食事を楽しめるというわけだ。
内装もシンプルで明るい(写真は2階席)。テーブル36席、カウンター8席。ふたりがけのテーブルもある(写真右奥)。じっくりひとり焼肉でも、しっとりデートでも、わいわい友達同士でも、様々なシチュエーションで楽しめそうだ。
よくある紙エプロンではなく、けっこうしっかりした黒い不織布のエプロンがもらえる。
■カラフルで野菜たっぷり。目にもあざやかな料理の数々
お料理はこちら。まず、ナムルとしては珍しいエリンギ、韓国かぼちゃと、定番もやしナムルの前菜をいただいた(写真右下/全9種より3種盛り、税別600円)。
ナムルの隣の海老、カンジャン海老は、しょうゆベースのたれに海老の刺身を漬け込んだ一品。締まってねっとり濃厚な身と、濃縮された海老の旨味が楽しめる(税別400円)。
ご覧の通り、煙や油ハネはロースターがしっかり吸い込んでくれて、クリーンな空気の中で焼肉を楽しめる。
■お肉は国産A5ランク。部位ごとに焼き方を変え、旨さを引き出す
看板メニューは「すき焼きサーロイン」(税別1500円)。店員さんが絶妙に火を通してくれた薄切りサーロインで、エゴマの葉の醤油漬けにくるまれたライスボールを包み、卵黄をからめ、ゴージャス肉巻きおにぎりみたいにして食べるというもの。
卵黄のコクととろけた脂の旨味がライスボールにしみこみ、まろやかでありつつ、エゴマの香りでさっぱりいただける。「すき焼き」とも「サーロイン」ともまた違う、PANCHANならではの味わいだ。
こちらはハラミ(税別1000円)。グリルのキワの強火の所で、表も裏も側面4カ所もジュッと焼き付けて肉汁を閉じ込める。韓国出身の店員さんが手際よく焼いてくださるので、「お肉の種類ごとに焼き方を練習したりするんですか?」とお伺いしたら、答えはこうだった。
「はい。しっかり“焼き訓練”をします」
焼き訓練――なんとインパクトのあるワードだろうか。焼き訓練のたまものか、ハラミはじゅんわり、ミスジはもちプリ、サーロインはとろとろ・こくうまで、部位ごとのおいしさと食感がそれぞれに引き出されていた。ちなみにお肉は、A5ランクの和牛である。
■韓国かき氷「パッピンス」も東京テイストにアレンジ
デザートのパッピンス(韓国かき氷/税別800円)。PANCHANでは、ほうじ茶シロップにほうじ茶アイスクリームとほうじ茶パウダーをトッピングして提供する。
香ばしく、上品な甘みとすっきりした後味。東京生まれソウル仕込みの日本人オーナーが提供するモダンコリアン料理店ならではの、「和洋折衷」ならぬ「和韓折衷」のおいしさだ。
お店を後にし、しばらくしてから、自分の服のニオイを嗅いでみた。「焼肉食べたでしょ?」と言われるあのニオイがしない!
ヘルシーで、ニオイも気にならず、色とりどりの韓国のおそうざい「PANCHAN(ぱんちゃん)」が、日本の和牛とともに楽しめる。
がっつりした大衆向け韓国料理だけじゃない、“モダンコリアン”という新たな選択肢が、これからの東京にはあるのだ。
【店名】PANCHAN(ぱんちゃん)
【住所】東京都港区芝5-24-16
【電話】03-6453-6869
【営業時間】17:00~25:00 日曜定休
【アクセス】JR山手線・京浜東北線 田町駅西口より徒歩5分/都営三田線・浅草線 三田駅A3出口より徒歩3分
※メニュー価格や営業時間などの店舗情報は、2017年5月30日時点のものです。
タレント、文筆家。フリーランスになりたて。