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心地よい色を選ぶと生きやすくなる【積読を崩す夜#5】

連載【積読を崩す夜】5回目は、色のプロフェッショナルであるカラーキュレーターが教える『色は無言であなたの心を動かしている。』(著:七江亜紀)をご紹介します。正しい色の使い方が分かれば、色は私たちの生活に必ず応えてくれる……。色を上手に使いこなして、人生をよりハッピーに、ヘルシーに過ごす方法とは?

心地よい色を選ぶと生きやすくなる【積読を崩す夜#5】

積んであるあの本が、私を待っている……。少し早く帰れそうな夜、DRESS世代に、じっくりと読み進めてほしい本をご紹介する連載【積読を崩す夜】。

5回目は、『色は無言であなたの心を動かしている。』(著:七江亜紀)を取り上げます。

「健康」「スポーツ」「教育」「インテリア」「食事」……。生活すべてに効く色の使い方について、個人や法人のコンサルティング、商品開発、講演など、幅広く活躍している色のプロフェッショナル・カラーキュレーターの著者から学んでみましょう。

■色を整理すると、もっと生きやすくなる

賑やかな色の中に身を置いていると、私たちは頭の中も色でいっぱいになり、考えられるものもスムーズに考えられなくなっていくのです。

人間は色があるところに自然と意識が向かいます。職種にもよりますが、オフィスでは何色をどのくらい置くのか、きちんと考えていくといいと思います。
(32~33ページより引用)

色味をそろえると、頭の中でも色の混乱を防ぐことができます。

トーンが違っても、色としては違う色になるわけですが、青、赤、緑、ピンクといったように色味自体が異なるわけではないため、比較的近い色という認識ができるのです。

こうして一度色を整理して落ち着かせると、一つひとつの色に対する感受性が上がり、自分の必要な色を選べるようになります。
(33ページより引用)

街を歩いていても、激しい色が溢れすぎていると、なんだか気持ちが落ち着かないものです。

部屋の中に、いろいろな色が無秩序にあふれているときは、忙しすぎたり、少し投げやりになっていたり……。心の状態が、モノの色使いに反映されているのかもしれません。

著者によると、色とのつきあい方は、人間関係や仕事など、他のものとのつきあい方にも通じているといいます。

慣れ親しんだ環境のように、よく手に取る色には安心感と心地よさがあります。

しかし、時に馴れ合いになったり、これ以上の成長が見込めなかったり。そういうときには、新しい環境に身を置いてみることもひとつの手。今まで手を出さずにいた色にチャレンジしてみることで、壁を破ることができそうです。

そうはいっても、やたらと知らない色に手を出せば、大惨事になりかねません。まずは、身の回りの色を整理してみる。そして、色味を揃えてみること。

色の整理は、新しい扉を開ける第一歩になりそうな予感がします。

■心地よい色をみずから調節して選ぶ

「色のバランスをとる」には、

①自分にとってそれは心地よい色なのかどうか
②最近、自分が選んでいる色に偏りがないかどうか

この二つをチェックするといいでしょう。

どの色が心地いいのか?
どの色に違和感があるのか?

違和感があるなら、何がダメなのか?
何を買い足すべきか、それとも捨てるべきか?

こうしたことを、一つひとつ考えてみてください。
それをくり返しているうちに、色のバランスを自分で調節しながら日々を過ごせるようになります。
(41~42ページより引用)

心地よい色……長らく私にとってのそれは、ネイビーやブルーでした。

しかし、会社組織から独立して約一年が経ち、最近、心地よい色のラインナップに変化が出てきました。

相も変わらずネイビーとブルーは大好きですが、今年よく店頭に出ているマスタードイエローに手が伸びるようになったのです。

自分自身に起きたこの現象は、とても不思議でした。開放であったり、自由であったり……。心の変化というものは色の嗜好に、少し時間をかけて表れるものだと実感したのです。

逆にいえば、ずっと同じ色に固定しているということは、ある程度好みが確立しているという反面、色のバランスに偏りが出ている状態なのかもしれません。それは、とりもなおさず、生き方や過ごし方にも反映しているといえるでしょう。

大人だからこそ、あえて定期的に色のバランスを見直して、調節してみる。これは生きる上での小さなチャレンジともいえるのかもしれません。

■毎朝の色選びにはセラピー効果がある

毎朝、自分でカラーセラピーができると、気持ちが下がって調子が悪くても、ニュートラルな状態に持っていくことができます。

といっても、なにも難しいことではありません。

朝起きて「今日はこういう気分だから」「今日はこういう天気だから」と、思いついた色の洋服やバッグなどを身につければOKです。中略

ここで大事なのは、「昨日と同じだからやめておこう」ではなく、自分の「今日はこの青だ」という気持ちに妥協しないこと。それがセラピーにつながります。

(59~60ページより引用)

毎日の洋服選びをしながら、心のセラピーができるなら、なんだかお得ですね。

私の場合は、朝慌ただしくなるのが嫌いなので、前夜にある程度の組み合わせを考えて、洋服を出しておきます。

しかし、朝になって気候や気分の変化から、突発的に丸ごと違う洋服を身に着けて外に出ることも。

そんなときの、なんともいえない“ちぐはぐさ”……。洋服の上下、靴やバッグとの組み合わせの悪さをひきずってしまい、一日あまり良い気分ではないことも時々あります。

朝の感覚はリセットされています。心の声に忠実になりながら色を軸に考えると、良いワードローブが描けそうです。

毎朝、色を味方につけて、少し意識して。人生をよりイメージどおりに、そして自分がもともと持っている良い個性に気づきながら、色をセレクトしていきたいものですね。

七江亜紀 著『色は無言であなたの心を動かしている。』書籍情報

色は無言であなたの心を動かしている。

著 者:七江亜紀
発 行:大和書房
単行本 : 200ページ
発売日:2017/1/20
価 格:1300円+税
[公式サイト]
http://www.daiwashobo.co.jp/book/b252550.html

著者 七江亜紀さんプロフィール

色のひと® 、カラーキュレーター®。株式会社ナナラボ代表取締役。
それぞれの色が持つ普遍の魅力を組み合わせ、独自の価値基準で、これからの新しい生活価値を提案する、ライフスタイル・クリエーター。企業やビジネスパーソンを対象にカラーコンサルティングを行う。

ナカセコ エミコ

(株)FILAGE(フィラージュ)代表。書評家/絵本作家/ブックコーディネーター。女性のキャリア・ライフスタイルを中心とした書評と絵本の執筆、選書を行っています。「働く女性のための選書サービス」“季節の本屋さん”を運営中。 ...

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