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骨粗鬆症の恐ろしさ【新田恵利 連載 #3】

骨粗鬆症になると、骨が細くなったり切れたり弱くなったりして、骨折しやすくなってしまいます。骨粗鬆症になる原因や骨粗鬆症の治療、予防するための食事など、骨粗鬆症になった母の介護経験のある新田恵利さんが、自身のエピソードとともに綴ります。

骨粗鬆症の恐ろしさ【新田恵利 連載 #3】

母が寝たきりになって3度目のお正月を迎えた。早いものです。

寝たきりになったきっかけは骨粗鬆症による圧迫骨折。直接、死に結びつくことはないけれど、骨粗鬆症は実は怖い病気で、なかなか侮れないもの。

母が骨粗鬆症と診断されたのは20年ほど前。最初に骨折したのは背骨で、話すのも辛く、息もできないほど痛い部分でした。

入院した病院で骨粗鬆症と診断。その頃はよく知られていない病名で「コツソーショショ?」と、きちんと発音することさえ難しく感じたほどです。

■骨粗鬆症の原因は?

数年後、またもや背骨を骨折。転んだり、ぶつけたり重い物を持ったりが原因だけれど、最後はくしゃみでも骨折してしまうのが骨粗鬆症の恐ろしさ。

それから20年の間に、母は5回の圧迫骨折をしました。そのすべてが背骨。他にも大腿骨や肋骨、手首などが多いそうです。

骨折した骨が上手い具合に癒合してしまうと、痛みを感じなくなるといいます。それがテレビCMで、桃井かおりさんが出演していらっしゃる「いつのまにか骨折は」です。

母も最初の頃は入院していたものの、治療らしい治療もなく、痛みが治まるまで絶対安静にする他ありませんでした。そのため、担当医も自宅療養を提案されました。

■骨粗鬆症を予防する食事は?

そんな介護の経験を講演でお話しさせていただく中で、骨粗鬆症の専門医とお話する機会もしばしば。とある番組でご一緒した先生によると、片足立ちを1日1分するだけでも予防の効果があるといいます。左右を合わせてもたったの2分!

これなら信号待ちや電車待ち、料理中や歯磨き中……いつでもどこでもできますね。20年もの間、母を苦しめた病気だけに、私なりに少しは勉強しました。

もちろんカルシウム摂取が第一。でもそれだけじゃダメで、同時にビタミンDも摂る必要があります。カルシウムといえば、牛乳や魚などの食材をイメージしやすいですが、ビタミンDと言われて何を思いつきますか?


ビタミンDを含む食品を覚えるのが大変だったので、私は代わりに日光浴をおこなうことにしました。カルシウムを摂って太陽光を浴びながら、散歩すればいいだけなんです。簡単でしょ?

■骨粗鬆症の治療のひとつに「注射」がある?

そうして勉強しているうちに、恐ろしい事実を知りました。なんと母から娘への骨密度の遺伝は、じつに「6割」にも及ぶそうです。

ひえぇ〜。気をつけて牛乳を飲み、小松菜と油揚げというゴールデンコンビといわれたお味噌汁や煮物を頑張って食べていたの!? ショック‼︎

私の場合は遺伝ですが、骨粗鬆症の心配は年齢や遺伝だけではないんです。過度なダイエットをした経験のある人も心配したほうがいい。

20年前の治療はカルシウム剤を飲み、食生活を気をつけるしかありませんでしたが、今では皮下注射薬があります。寝たきりになった母も2年間打ち続けました。

保険も効かず、高額でしたが2年間という縛りがあるので、母も受け入れました。毎晩、毎晩、お腹への皮下注射。痛くはないのですが、手間なんです(苦笑)。

もちろん副作用もありますから、やっぱり骨粗鬆症にならないのが1番。日常生活の中で思い出しては、片足立ちをしている私です。


新田 恵利

1985年、おニャン子クラブ会員番号4番でデビュー。翌年「冬のオペラグラス」でソロデビュー。その後、タレント・女優・作家としてマルチに活躍。 趣味はハンドメイド・DIY ・旅行。 現在は寝たきりの実母の介護をしながら、夫...

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