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「ノンママ白書」恋愛、婚活、離婚。アラフィフ女性は人生を選べる【ご勝手ドラマレビュー 】

子どものいない人生を選択した女性「ノンママ」。アラフィフに至った彼女たちのリアルを描くドラマ「ノンママ白書」が面白い。恋を始めたい人、シニア婚活に励む人、熟年離婚に踏み切る人。どの生き方を選べば、どんな人生が待っているの?これ、世代を問わず人生の参考書になるかも。あなたも観てみませんか?

「ノンママ白書」恋愛、婚活、離婚。アラフィフ女性は人生を選べる【ご勝手ドラマレビュー 】

■「ノンママ白書」フジテレビ/毎週土曜23時40分~

【FODフジテレビオンデマンド/『ノンママ白書』第4話 9/3放送分『突然のキス…ざわつく恋心』】(無料)
http://fod.fujitv.co.jp/s/genre/drama/ser4891/4891810004/
※配信期間9/10(土)22時44分まで

ここまでの放送分を一気に見られる「見逃しパック」
http://fod.fujitv.co.jp/s/genre/drama/ser4891/4891910001/



●あらすじ
広告代理店のクリエイティブ部門で部長を務めるバツイチの土井玲子(鈴木保奈美)、同じく人事部所属で未婚で不倫、婚活中の大野愛美(菊池桃子)、既婚だが夫に浮気の疑念を抱くフリーライターの葉山佳代子(渡辺真起子)。子を持たない“ノンママ”という選択をしたアラフィフ女性3人の友情と、微妙に立場の異なる彼女たちが、それぞれ悩みながら後半生の生き方を模索する姿を描く。








●出演
鈴木保奈美
菊池桃子
渡辺真起子
高橋克典
ほか

■日本女性にとって、50歳は人生の折り返し地点にすぎない

小耳沢はさ美(以下、耳)「(パンジーの花びらを1枚ずつちぎり取りながら) 好き、きらい、結婚したいくらい好き、いやあれはただのイキオイ、違う、やっぱり好き……」
バルサミコ瞬(以下、バ)「それもしかして、昭和の頃流行ったとか聞く、花占いってやつですか? ま、まさか小耳沢さんが、恋(携帯用小型扇風機を向けつつ)!?」
「あっ、全部吹っ飛んだ! まさかってなんです。私だって恋くらいしますよ。しまくりですよ! でもこれは私じゃなくて、鈴木保奈美さんのために占ってるんです。フジテレビで毎週深夜11:40~放送中の『ノンママ白書』ね」
「鈴木さん演じる主人公、広告代理店勤務の土井部長ですね。落ち込んでひとりで泣いてたら、抱き締められて、ついキスしちゃってましたよね。長~いの。相手は高橋克典演じる、同期の本城。しかし、なんであそこでキスするかなあ。でもって、そこまでしたなら普通は、ねえ(以下自粛)?」
「なんですかバルサミコさん、ワルい目をして。『ノンママ白書』ね、子どもを生まないという選択をしたアラフィフ女性たちのリアルを描いてるドラマですが。徐々に深いところ突いてきてるんですよね。アラフィフ女性3人が、50歳にして人生の岐路に立ってる。さあこれからどう生きるんだ、っていう」


「ほう。50歳っていうとなんかもう結論出てる歳ってイメージですけど、実際にはあと40年とか人生は続くんですよね。日本女性の平均寿命は、3年連続世界一。2015年は86.8歳ですから、50歳でまだ人生の57.6%。ようやく半分過ぎたとこだったりします」
「そう。そして、今アラフィフに達してるのって、番組でも紹介していた『男女雇用機会均等法』第一世代ですから、総合職採用だった女性も多くて、ある程度貯蓄のある人も。蓄え=人生を選択する余裕でもあって、だからこそ生き方に迷うんでしょうね」
「ドラマ、徐々に面白くなってきてますよね。恋や結婚、離婚に悩む3人が、これからどんな選択をするのか。アラフィフ世代はもちろん、アラサー、アラフォーの人にも参考になるんじゃないかな。ここまでの経緯と3人の進路希望について、このあとまとめてみましょうか」
「いいですね。アラフィフ人生の予習しちゃいましょう」
「それにしても小耳沢さん、さっきから持ってる花びらの1枚もついてない茎、似合いますね。ちゃんと花だったときより、むしろぴったり……」
「でしょう? どうせ私は枯れ尾花、ってうるさいです。神さま、バルサミコさんに天罰を。頭頂部あたりから一気に枯らしちゃってください。さらば、毛髪……」
「ひ~! それだけはお許しを(両手で頭頂部を隠して退散)」

■本気恋愛、シニア婚活、熟年離婚……アラフィフ女性の成績&進路希望調査書

●主人公:土井玲子(鈴木保奈美)/広告代理店部長/アラフィフだって恋します派
<ここまでの成績>バツイチ。子どもなし。50歳。自社初の女性部長に任命され意気揚々のはずが、「土井さんはノンママだから、ワーママのこと何もわかってない」と部下であるワーママから突き上げに遭う。部下の男性からは「女だから、キャバクラ接待が必要経費だってことを理解できないんです」と敵対視され、上司からは「部下の育て方がわからないのは、子育てしたことがないから」と決めつけられるなど、まさに四面楚歌。ひとりで泣いているところを、同期であり、昔付き合っていた元彼・本城に見られ、抱き締められてついキスを。
<進路希望>「あのキス、何だったの? 本城ってもしかして私に気がある?」と大揺れの真っ最中。本城さえその気を見せてくれたら、20年ぶりに復活っていうのもアリかも。50歳の恋、始めたいかも!?


●主人公の親友:大野愛美(菊池桃子)/広告代理店人事部勤務/シニア婚活がんばります派
<ここまでの成績>未婚。子どもなし。50歳。これまで一度もプロポーズされたことがなく、不倫ひと筋の人生を歩んできた。人事部勤務のお局さまゆえ社内事情には精通しているが、仕事に生きるというほどの気概はなし。腐れ縁だった不倫相手との関係を清算? シニア婚活にデビュー。婚活パーティーに参加してみたりと、ただいま奮闘中。
<進路希望>遅ればせながら「恋とか言ってる場合じゃない」と気づいたところ。未だ衰えない美貌を武器に、幸せにしてくれる結婚相手をなんとかモノにしたい!


●主人公の親友:葉山佳代子(渡辺真起子)/フリーライター/熟年離婚に踏みきる?派
<ここまでの成績>既婚。子どもなし。50歳。出張で大阪へ行っていたはずの夫が帰宅してみると、スーツケースには東京のホテルのラゲージタグが。これって不倫の動かぬ証拠では? だが、夫に浮気をされたかもしれないというのに、まったくショックを受けていない自分に動揺。離婚を意識し始める。
<進路希望>お互いにもう愛していないなら、一緒に暮らすのって変じゃない? 自分を養っていける仕事・収入もあるのだし、それなら離婚して自由になる方が……。



●ご勝手評価
小耳沢はさ美
「恋を始める人、シニア婚活に励む人、離婚に踏み切る人。50歳の女性に、こんなにも多彩な選択肢が与えられている時代なんですね。そこに感動」
バルサミコ瞬
「人生いろいろ。ノンママもいろいろ。同世代でも立場によって大きな違いがあるものだと、改めて痛感する次第」




小耳沢はさ美/よろず文案作成家。鈴木さん、若い頃よりうんとお綺麗。かくありたし。渡辺真起子さんは「最後から二番目の恋」とほぼ同じ役柄でのキャスティングですが、やはりこの方がいてくれると締まります。
バルサミコ瞬/ライター、放送作家。菊池桃子といえば、やはりラ・ムー時代の迷曲『愛は心の仕事です』。今回の役柄も、その曲名通りの恋愛体質。


小耳沢 はさ美

よろず文案作成家。コラムニスト。エンタメ系ニュースから世相まで、くすっと笑わせユーモラスに批評するコラムに定評あり。 hasami.komimisawa@gmail.com

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