石原さとみさん主演作他、今期見たい2019夏ドラマ3作品
2019年夏ドラマの第1話が、今週より続々とオンエア開始に。あのふたりが激推しする3作品(『凪のお暇』『Heaven?〜ご苦楽レストラン』『偽装不倫』)を<【2019夏ドラマご勝手予報】by小耳沢はさ美&バルサミコ瞬>として取り上げます。
小耳沢はさ美(以下、耳)「どーもバルサミコさん、お待たせしました。っていうか、はい、本日はこれでお暇をいただきます」
バルサミコ瞬(以下、バ)「は? 遅刻ギリですべりこんできて、もうお暇ってなんですかそれ。あ、そのもじゃもじゃ頭、もしかして?」
耳「もじゃもじゃっていうの、やめてもらえます? これは黒木華ちゃん演じる凪の天然パーマへのリスペクトをですね……」
バ「小耳沢さんの1推しドラマがもう見えた気がするので、早速始めましょう」
耳、バ「小耳沢はさ美とバルサミコ瞬の、今クール推しドラマBEST3!」
■1推し『凪のお暇』TBS/金曜夜10時/黒木華主演/7月19日スタート
恋に仕事に生きる華のOL生活……と思いきや、人に合わせて空気を読むことに疲れ果て、恋も仕事もSNSも全部捨てて人生リセット。すべてを失った地点から、自由を求めつつ再起を図るアラサーOL・大島凪(黒木華)の新生活を描く、ハートフル再生コメディー。
■2推し『Heaven?〜ご苦楽レストラン』TBSテレビ/火曜夜10時/石原さとみ主演/7月9日スタート
フレンチレストランの女性オーナー・黒須仮名子(石原さとみ)がオープンしたのは、「オーナーの、オーナーによる、オーナーのためのお店」。そんなワガママ放題な変わり者オーナーと未経験者揃いの個性派従業員たちが繰り広げる、苦しくも楽しいレストランコメディー。
■3推し『偽装不倫』日本テレビ/水曜夜10時/杏主演/7月10日スタート
3年に渡って過酷な婚活を続けてきた32歳おひとり様女子・濱鐘子(杏)。しかし結婚を諦めた矢先、とっさについた「既婚者」という嘘から、歳下イケメンとの恋が始まってしまう……。嘘から生まれた禁断の恋に揺れる、行き先不明のラブストーリー。
バ「おお。今回すべてが女優主役の作品になりましたね」
耳「そう。黒木華、石原さとみに杏。この3人にとって、今回かなりの勝負作ですよ。いや、楽しみです」
「勝負作、ですか」
耳「ええ。ドラマ業界では、主演作品が1作コケても許される。ただ2作続けて低視聴率となると、風向きは一気に変わります。主演候補のリストから容赦なくはずされて、もう当面チャンスはまわってきませんからね」
バ「そうか。久々に登板の黒木華は、2016年春クールの『重版出来』でミソがついて」
耳「舞台では蜷川幸雄の薫育を受け、映画に出演しては日本アカデミー賞の新人賞、助演女優賞に輝いて。若手実力派女優として、鳴り物入りでの連ドラ初主演でしたからね。まさかの大コケで受けた痛手は大きかった」
バ「あれから3年余、満を持して2度目の登板ですからね。今回は是が非でも負けられない戦いというわけですか」
耳「そう。だからこそ本作には期待してます。それに、ドラマのコンセプトにも共感できると思いませんか? 会社や彼氏、果てはSNS。あらゆる状況で懸命に空気を読んで、本音を押し殺して周囲に合わせるいい子の主人公、凪(なぎ)。全方位的に気を使い続ける毎日にヘトヘトになってすべてを投げうち、人生をリセットしたくなる気持ち。いやもうほんと、よくわかると思いません?」
バ「やけに実感がこもってますね。さては新婚早々、おいとま離婚したくなってますか(笑)」
耳「違います! 共感できるっていうだけじゃなくて、黒木華ちゃんの脇を固めるのがなんと高橋一生に中村倫也ときては、『凪のお暇』、観ないテはないでしょう? イケメンは正義です。もし脚本がスベッても、イケメン2トップでお許しを(笑)」
バ「はいはい、じゃ、そういうことにしましょう。で、2推しの石原さとみですが、こちらも昨年の夏クールでは野島伸司脚本の『高嶺の花』で手痛い傷を」
耳「平均視聴率は9.5%どまり。同クールで綾瀬はるかが主演した『義母と娘のブルース』(平均視聴率14.2%)に大惨敗を喫しちゃったんですよね。世間的には若手を代表する人気女優として安定したポジションを得ている印象の石原さとみですが、30代になったいま、大人の女優としての石原さとみ像を模索する状況が続いてますね」
バ「2018年冬クールの『アンナチュラル』は、そういう意味ではひとつ掴んだと思える1作だったはずなのに、半年後の『高嶺の花』でふりだしに戻った感じ。そこから起死回生の策として選んだのが、今回の『Heaven?〜ご苦楽レストラン』なんですけど……」
耳「『客は関係ない。オーナーである自分のためのレストランを作りたい』っていう上から感全開のキャラ設定が、はたして石原にとって吉と出るか凶と出るか」
バ「まあそうはいってもコメディですからね。『地味にスゴイ! 校閲ガール』(2016年)で見せてくれた名コメディエンヌっぷりに期待しましょう」
耳「最後に3推しの『偽装離婚』ですが、もう見どころははっきりしてますね。杏に色気が出せるのか? これに尽きます」
バ「いや小耳沢さん、それは失礼でしょ。夫である東出昌大との間に3児をもうけた杏さんですよ」
耳「いや逆にそれだけ子どもを産んでいながらの、あの色気ゼロっぷり。逆に興味深いでしょ(笑)」
バ「まあ確かに色気ってことでいえば、相手役の宮沢氷魚のほうが上かも」
耳「でしょう? 父親であるBOOMの宮沢和史を上回る、氷魚くんの艶っぽさを週1で楽しむ恋愛ドラマということで、皆様どうぞチェックをお忘れなく」
小耳沢はさ美/よろず文案作成家。3推し以外での注目作は上野樹里主演『監察医 朝顔』。石原さとみの『アンナチュラル』ヒットの余波で、法医学者もの、増えてます。またNHK金曜夜10時の『これは経費で落ちません!』も、多部未華子主演で地味ながらクセになる作品になるのでは? と期待をこめて見守ってます。
バルサミコ瞬/ライター兼放送作家。恋愛にしろ職業にしろ、中心からちょいズラした設定を模索するのが最近のドラマの傾向。それだけラブストーリーや刑事ドラマがやり尽くされた感があるとはいえ、そうなれば今度は中心部がドーナツ化。ここであえて、ど真ん中に160キロ台のストレートを投げ込んでくれる勇者はいないものか。