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春爛漫。プライマーと色とりどりの花を纏って、今こそ世界へ

お気に入りのプライマーがあれば、どんな日だって120%の自分でいられる……。自分の気持ちや暮らしを豊かにしてくれるちょっとした“贅沢品”について、イラストレーターのヤベミユキさんが綴ります。

春爛漫。プライマーと色とりどりの花を纏って、今こそ世界へ

■美容液のようなプライマーが、夜までいい感じの自分でいさせてくれる

パンデミックで大騒ぎになったあの春から一年がたち、長くなったお家時間も少し慣れてきた。この一年を通して、私が手放せなかったアイテムをひとつ挙げるとするなら、「ローラ メルシエ」の「ピュア キャンバス パワー プライマー スーパーチャージド エッセンス」。

毎日誰に会うわけではないけれど、少しだけいい感じの自分でいたい。洋服で気分を上げるのもいいけれど、動きが制限されるのは嫌だったので、肌をきれいに見せてくれるプライマーはまさにうってつけだった。朝、メイクの前につけるだけという手軽さもいい。なくなるときっと機嫌が悪くなると確信して、一本目を使い切る直前に慌ててリピート注文した。

まるで美容液のようなこのプライマー。これを朝つけるだけで、内側から潤いとハリのある肌が私を120%くらいに引き上げてくれる。それが作為的に作り込んだ感じが全くなく、肌本来の美しさを引き出して、「今日のわたし」をしゃんと立たせてくれる

さらに、みずみずしいテクスチャー。まるで肌が深呼吸しているような着け心地の良さで、忙しない私の毎日を、気負わず自由にいてもいいんだよといってくれるよう。

朝、メイクの前にこれを仕込むと潤いが夜まで続き、いつ鏡を見てもちょっといい自分が映っている。今日がどんな(だらけた)1日だったとしても、いい感じに終わらせてくれるのだ

年度末は、気ばかりがあせり少々つかれてしまうが、このプライマーをつけた肌のように、毎日自分なりに立ち上がり、楽しみながら進んでいけたらどんなにいいだろうと思う。

■世界に合わせるのでなく、自分が心地よいと思うペースで進めばいい

そう、たとえば、雑用に追われて何もできなかった日は、それらを片付けた自分をおおいに褒めてあげる。お取り寄せしておいたバターサンドと地元で焙煎したコーヒーでブレイクするのはどうだろう。(妥協せず自分が一番喜ぶものを!)

また、疲れて動けない日は「何もしない」ことを選ぶ。「やらない」と決断するのは勇気がいる。多少無理をしてでもやり続けたほうが、気が楽だと思ってしまう。だけど自分を労ってあげられるのは自分しかいない。忙しいときほど自分の内側に耳を傾け、休んだほうが、長い目でみて前にすすめる。心ゆくまで眠り、ベッドの中で気が向くままに映画をみるという1日にするのもいいのかもしれない。

1日の終りにはノートを広げ、その日の出来事を振り替える。その際は自分ができたことだけを振り返ってほしい。

今日は早起きはできなかったけどベッドの中でいつまでも雨音を楽しめた。朝ゆってあげた子供の髪の毛が細くて愛おしかった。乾燥機から上がったばかりのタオルがふわふわだった……。

どんな1日であってもあなたが良いと思えばその1日は素晴らしい。世界が目まぐるしく動いていても、無理にスピードを早めるのではなく、自分の心地よいと思うペースで進んでいきたい。

昨日の雨は上がり、世界が様変わりしたように朝から日差しがキラキラと煌いている。ザワザワ……と木々が大きく揺れる音がした。ちょうど桜は満開。

鏡をみると今日もプライマーで仕込んだ120%の私が映っている。まぶたには朝試しにのせてみたオレンジと紫のアイカラー。色とりどりの花のようだ

今日は仕事を早々にきりあげて、桜の下でランチをしよう。

春の陽気に浮き足だった私は、家用のレギンスをぬいで薄紫のワンピースを纏い、家を出た。



ヤベ ミユキ

イラストレーター。美容、アパレル業界を経てイラストの世界へ。前職のキャリアを活かしたファッション、美容イラストを描いています。

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