素敵なランジェリーで人生が変わった
離婚を機に7年の専業主婦生活にピリオドを打った石川智恵さん。自信がないまま、再び社会に出たときに巡り合ったのが、フランスの美しいランジェリー。鏡を見て「私、こんなに綺麗だったっけ?」と驚いた石川さんには、新たな目標ができます。人生はいくらでもやり直せる――今回は後編です。前中編あわせてお読みください。
ランジェリーの仕事からいったん離れ、モヤモヤしていた私。
そんな中、他の食品輸入会社の社長から声をかけられる。関西方面の会社だったので、東京支店の立ち上げと営業、広報の仕事をやることになった。
当時の私は、自分を救ってくれた会社で恩返しがしたいと思っていたはずなのに、それは成し遂げられなかった。ランジェリーの仕事に戻れないのであれば、いっそのこと転職して、食品業界でキャリアを積むか……。またキャリアを買われて声をかけられたことがうれしかったこともあり、転職を決めたのだ。
その会社ではそれなりに大手の会社との新規取引や営業実績も残せたし、イランや韓国、沖縄など出張もあちこち行かせてもらった。
■「ランジェリーの仕事がしたい……」思いが募る日々
その頃には給料もだいぶ上がっていたし、自由にやらせてもらえて、本当にありがたい環境だった。
しかし、そうなればなるほど、なぜか日に日にランジェリーへの想いが募っていった。ランジェリーの仕事がしたい……。口に出してはいけないとわかっていながらも、心の中でずっと叫び続けて切ない想いを感じていた。それを忘れるために食品業界の仕事をこなしていたけれど。
「ランジェリーの仕事がしたい……」
こんなダメな自分が心底嫌になった。久しぶりに「後悔」という言葉も一瞬、頭に浮かんだ。常にポジティブな私のはずだったが、家に帰ると涙が出てきた。ネットで岡本太郎さんや水木しげるさんの名言集などを見ては自分を勇気づける日々だった。
しかし、私のそのランジェリーに対する強い想いが、現在のポーランドランジェリーの仕事を呼び寄せるきっかけになっていた。
突然、数年ぶりに珍しい友人からの連絡。数年ぶりに彼女に再会すると、名古屋に本社がある輸入ランジェリーの会社の東京出店の話だった。鳥肌が立った。勝手にもう運命だと思っていた。また人に助けられたのだ。
そして、ようやく現在のポーランドランジェリーの仕事をすることになるのだった。
■努力は好奇心に勝てないと思った
好きなことを仕事にしない方がいい、といった意見もあるけれど、私は好きだからがんばれると思う。「努力は好きに勝てない」。私が大好きな人から教えてもらった大好きな言葉。
結局、努力は好奇心には勝てないという。努力はもちろん、大切だけど好きで好奇心があれば、120%の力を発揮できるのかもしれない。
やっと再会できたランジェリー。もう手放したくない。
3年間離れた時期があったから今、本当に心底ランジェリー、そしてランジェリーの世界が好きだと言える。商材はなんでも売れると思った私。それは私には間違いだったようだ。
好きだから、大好きだから大切に育てたい想い。仕事は恋愛と似ているのかもしれない。大好きだから時間も関係ない。いつも想っている。大切にしたい。ときめいている。
■ランジェリーを大切に想いながら働く幸せな日々
「石川さん、趣味は何ですか?」と聞かれたら今、「仕事です!」と堂々と答えている。今、そんなふうにランジェリーを大切に想っている。
現在の会社は本社が名古屋のため、東京・代官山オフィスの立ち上げからさせていただいた。そして営業、広報担当。
2016年3月31日にオープンした東急プラザ銀座3階「HINKA RINKA 1st」内の日本初ポーランドランジェリーセレクトショップ「kobieta(コビエタ)」ショップのマネージメント、販促など始め、他のブランドもすべて任せていただいている。
お客さまと直接触れ合いたいという想いから、ときどき店頭に立って接客もしている。たくさんの女性に、上質なランジェリーから得られるパワーを感じてほしい。
上質なランジェリーで人生が変わる! キレイな自分、もっと素敵な未来がやってくる! 今、40代の私。それを証明するためにも、毎日美しいランジェリーたちと共に日々ときめく仕事をし続けたい。
(完)
※ この記事は2016年6月23日に公開されたものです。
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