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更年期障害の原因と症状。個人差がある更年期の不調への対策法は?

更年期障害・更年期にまつわる不調の症状。一人ひとりに個人差があるからこそ、これって自分だけなのか。そもそもこの辛さは更年期によるものなのか……ひとりで抱え込んでしまうことも。今回は更年期の不調の症状とその改善策、セルフチェックについてご紹介します。

更年期障害の原因と症状。個人差がある更年期の不調への対策法は?

更年期と上手く付き合っていくために

「更年期の症状は人それぞれ」

辛い症状を感じていても、これは本当に更年期の症状なの? と悩んだことはありませんか?
もしも、心身の不調に困っているなら、この記事を読むことであなたに合った改善方法のヒントを見つけられるかもしれません。

「更年期障害」とは、更年期の症状を抱えながら、日常生活に支障をきたす状態のこと。12カ月以上生理がこなくなると閉経となりますが、閉経を挟んで前後5年ずつ約10年ほどは、少しずつ生理や体調に変化が出てくる「更年期」の時期です。

更年期の症状で一番の悩みは「疲れやすさ」

更年期障害の症状で辛い思いをしているのは、あなただけではありません。
25%以上の女性は、「疲れやすさ」「肩こり」「頭痛」など、たくさんの症状を実感しています。

更年期の症状の内訳

参考:ドコモ・ヘルスケア株式会社(以下ドコモ・ヘルスケア)2018年8月 働く女性の更年期症状について調査結果より

特に多い症状は、「疲れやすさ」。
90%の女性が抱える悩みです。同世代のほとんどが抱える悩みであると考えると、なかなか多いですよね。

疲れやすさがあると、デスクワークなど仕事をするときやスポーツをするとき、家のことをするときなど……あらゆる生活シーンの中で辛さを感じます。
ただし、更年期を生きるすべての人が疲れやすさで悩んでいるわけではありません。その症状は人それぞれ違います。

「肩こりと腰痛がひどいなぁ」
「ほてりと汗をかくことが大変」
「めまいや頭痛が辛いなぁ」

などなど。不調の症状には個人差があります。あなたは、どの症状を一番に感じていますか?

更年期症状の原因は、ひとつじゃない

更年期障害による不調には個人差があるとお伝えしましたが、その原因にもさまざまな要素が存在し、複雑に絡み合っているのです。
どの症状を一番に感じているかは、どの原因に強く影響されているか? ということに繋がってきそうです。


「原因」は、大きく3つ。
それぞれの概要を今から紹介していきますが、症状に個人差が生まれるのはこの3つの原因が複雑に絡み合っているから。
「私はこのくらいの症状だったから、あなたも仕事ができるはず」「私はこんなに辛かったけれど、どうしてあの人はあんなに元気なんだろう?」と同じ“女性”でも相互理解が及ばないことがあるのはこのため。
もし、辛い症状に悩んでいる人をみたら、自分とは違う原因を抱えているのかも……。

更年期の不調原因その1.身体的因子

閉経する数年前から女性ホルモンであるエストロゲンは大きくゆらぎ、閉経とともに急激に減少します。
のぼせなどの症状がなぜ生じるのかはっきり分かっているわけではありませんが、エストロゲンを投与することで症状が改善することが分かっており、エストロゲンの急激な減少が更年期症状と深く関わっていることは明らかです。

更年期の不調原因その2.心理的因子

更年期障害は一種のストレス性疾患とも考えられています。

その人の性格や、仕事、家庭などにおける生活環境でのストレス。
例えば、几帳面、真面目、穏和、責任感が強い、内向的、自責的、犠牲的など。
その人の考えの特徴が症状に影響してきます。

更年期の不調原因その3.社会的因子

家族の問題(夫、子ども、母、嫁姑など)、親の介護、職場での立場、知人の病気など。
この時期に生じやすい対人関係や家族の問題なども、更年期の症状に影響しています。

更年期の症状を改善する方法

更年期の症状を改善する方法もたくさんあります。

多くの場合には、「生活習慣の改善」や「心理療法」を試み、それでも改善しない症状に対して「薬物療法」を行います。

【生活習慣の改善】

食事は、バランスのとれた食事を摂ることと、野菜・果物から必要な量のビタミン類をとることが大切です。また、女性ホルモン「エストロゲン」に似た働きをしてくれる「大豆イソフラボン」が含まれた食品も積極的に!
(大豆イソフラボンを多く含む食品:納豆、豆乳、豆腐、油揚げ、きな粉、味噌など)

また、定期的な運動も大切です。
運動は、ストレス解消に効果的であり、気持ちを前向きにする効果があります。

厚生労働省の健康づくりのための身体活動基準2013では「息が弾み汗をかく程度の運動を毎週60分行う」という運動の基準があるので、ひとつのポイントに。

運動の種類は、ボウリング、社交ダンス、ゴルフ、ピラティス、ウォーキング、犬の散歩などが基準になっているので、通勤時間やお買い物の時間での歩く時間も十分な運動に含まれます。

【心理療法】

多くの人が抱えるストレスや心配事、問題が複雑に絡まっているため、メンタル面の不調のために、適切な薬物療法とともに、カウンセリングや心理療法が必要になる場合があります。

【薬物療法】

薬物療法は、「ホルモン補充療法(HRT)」「漢方薬」「向精神薬」を使うことが多いです。

ホルモン補充療法(HRT)は、卵巣機能の低下により不足するエストロゲンを薬で補う治療法です。ほてり・のぼせ・ホットフラッシュ・発汗など血管の拡張と放熱に関係する症状に特に有効です。

エストロゲン製剤の単独療法や黄体ホルモン(プロゲスチン)製剤の併用がありますが、ホルモン補充療法(HRT)には飲み薬、貼り薬、塗り薬などいくつかのタイプがあり、またその投与法もさまざまです。
まずは、医師と良く話し合いながら自分に適した治療法を選択していくことが大切です。


漢方薬は、症状の緩和を目的としていくつかの漢方薬が用いられます。漢方療法の基本的な考え方は、心身のバランスを整えて、さまざまな症状を改善することです。

体力が低下しており、冷え症で貧血傾向がある人には、「当帰芍薬散」を、体質虚弱で疲労しやすく、不安・不眠などの精神症状を訴える人には、「加味逍遥散」を、軽い運動でのぼせの症状があり、下腹部に圧痛がある人には「桂枝茯苓丸」をそれぞれ処方します。


向精神薬(こうせいしんやく)は、気分の落ち込み・意欲の低下・イライラ・情緒不安定・不眠などの精神症状が最もつらい場合には、症状に応じて抗うつ薬、向精神薬などが用いられます。

症状の程度によって処方されるお薬も変わってくるので、医師にしっかり自分の症状や様子を伝えられるようにしておくことがオススメです。

まずは、自分を大切に見つめてみて

現代の女性の平均寿命より考えると、閉経後の人生は35年以上もあり、更年期は人生の折り返し地点といえます。まだまだ続く人生。充実した楽しい時間を過ごしたいという人も多いかと思います。

更年期の症状がひどい場合は治療対象となりますが、生活習慣の改善等にて次第に順応していくところもポイントです。今の自分を、しっかり大切にすることはできていますか?

更年期の症状とうまく付き合っていくためにも、今後の人生をより充実したものにするためにも、自分自身を見つめることが大事になってきます。この機会に、自分の身体の変化を見つめて、自分に合うコントロールの方法を見つけておきましょう!

さっそく、自分の症状をチェック✔️

簡略更年期指数を使って、自分の更年期の症状をチェックしてみましょう。
自分の症状を、「強」「中」「弱」「なし」で答えてくださいね。そして、当てはまる項目の数字を足していってください。

更年期の症状チェックリスト

点数を合計したら、自分の点数のところをチェックしてみましょう。

0〜25点:異常なし
26〜50点:食事、運動に気を付け、注意を
51〜65点:更年期・閉経外来を受診しましょう
66〜80点:長期間にわたる計画的な治療が必要かもしれません
81〜100点:各科の精密検査にもとづいた長期の計画的な治療が必要かもしれません

参考:簡略更年期指数・小山ら 1992

最近話題のエクオール

更年期による不調に対する新しい治療法のひとつとしてエクオールがあります。
エクオールを産生できる腸内環境を持つのは、日本人女性の全世代を通じて約30%。
この「エクオール」を直接摂ることで、更年期の症状が改善する効果については以前から注目が高まっていました!

現在までに効果があると報告されている症状は、

・ホットフラッシュ(顔や胸元などがいきなりカーッと熱くなり、ほおが赤くなったり大量の汗をかく症状)
・首こり
・肩こり

といった、更年期の症状だけでなく、

・肌のシワ
・骨密度の減少を抑制
・悪玉コレステロールの減少
・糖代謝の改善
・動脈硬化の予防

など多岐に渡ります。
選択肢のひとつに、プラスして考えておくことも良いかも。

参考:https://ko-nenkilab.jp/equol/about05.html

医師監修プロフィール

大阪美容クリニック

院長 南 真実子

祖父や父が産婦人科医であったことから医師を志し、自身も大阪医科大学医学部へ進学。

卒業後、初期研修を経て大阪医科大学産婦人科教室に入局。主に腹腔鏡手術、不妊治療、周産期治療などに従事し、産婦人科専門医を取得。
検診業務にも従事し、マンモグラフィー読影認定医を取得。女性がいつまでも健康で美しく輝いていられるよう、さらなる高みを目指して、美容医療、アンチエイジング医療を行う。大手美容クリニックで活躍後、2017年に大阪美容クリニックを開院。婦人科・美容皮膚科を通じて、女性をトータルにサポートできるよう診療を行っている。

たむ

看護師保健師、ライター、テレワーカー、隠れ貧血女子。新しい挑戦をすることをこよなく好んでいます。

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