1. DRESS [ドレス]トップ
  2. ライフスタイル
  3. 実力を発揮できる場を選ぶこと、それが女性の自由への近道。

実力を発揮できる場を選ぶこと、それが女性の自由への近道。

実力を発揮できる場を選ぶこと、それが女性の自由への近道。



 

「女の子って、そもそも不利じゃないですか」

仕事柄か、女子大学生から就職相談を受ける事がある。彼女たちの多くが口にする、この言葉。そこで止まったらもったいないよ、といつも思う。
でもその気持ちも、実は経験としてわかるのだ。

就職活動で私が志望したのは大手広告代理店。お給料もよく、ブランド力もある。
そこで人の心を動かす仕事がしたかったし、競争率の高い「すごい会社」に行くことは、偏差値の高い「すごい学校」に行く事と同じく、自分の実力を見える形にし、人生の選択肢を増やすことにつながると思っていた。 

しかしOB訪問を重ね、違和感を持った。彼らが口を揃えて言うのは、女の子は倍の量頑張っても社内で評価されないということ(もちろん、今は違うと思うが)。
派遣で入れば、とも言われた。

そもそも、すごい会社に入りたかったのは、社会で渡り合える実績をつくるため。
なのに、評価されるのが難しい前提じゃ、意味がない。
気づいた私は、戦略を切り替えた。自分のストーリーは30歳までに一人前になること。
だって私は働きながら、結婚も、出産もしたい。

そう、女には時間がないのだ。

最短期間で、最高の実力をつけられる場所へ。そう考えて就職活動を見直し、出会ったのがリクルート。
有名大学の男子学生は、安定した大手企業を選びがちという理由もあり、当時ベンチャー企業だったリクルートは、女性も積極的に採用していた。

OB訪問や人事との面談で言われたのは、「リクルートには差別がない、あるのは区別。
重い荷物は女性に持たせられないけど、重い責任は一緒」。つまり、徹底した実力主義。ここで働きたいと思った。

性別を越えた仕事の評価は、結局は結果主義であるべきだと私は思う。
リクルートで経験した営業という職種は、その最たるもの。
5年めでも1年めでも、もちろん性別も関係なく、売った金額で実力が見える。
5年めの先輩と同じだけの結果を出せば、4年間ショートカットできる。
そう考えた私は、求人広告の枠を、誰よりも必死で売り、MVPになったりした。

飛び込み営業では、女であるという理由で、正直怖い目にもあった。
送ってあげると無理やり車に乗せられそうになったり、部屋からなかなか出してもらえなかったり。
でも、そんな時は毅然と「仕事で来ているので」という態度を貫き一切媚びなかった。
逆に、顔と名前を覚えてもらいやすいことは、女性であるがゆえの明らかなメリットだと感じた。

その後、リクルートを卒業し、楽天を経て、トレンダーズを起業した。
起業したら、どうせバックがいるからと言われ、悔しいから結果で勝負と、上場も視野に入れた。
最年少女性上場社長になったら枕営業したからだの、水着で株価を上げただの、面白おかしい作り話を書かれ続けてあきれる。
色気で会社が上場できるなんて、どんな審査基準だ。逆にすごいからもう一回したいくらい。
もし、女だからそう言われるのなら、やっぱり社会はまだやっかいだ。

でも、悔しさは、私にとって上質な燃料。
理不尽な事があっても、頑張り続けていたら、いつかオセロがひっくり返るように、向かい風が追い風になるのだ。
多くの女性にとっても、きっとそうだと思う。すべての働く女性に伝えたいのは、実力主義を怖がらないで、ということ。当初の話に戻るが、女性はどうも実力主義の環境を怖がる傾向にある気がする。でも、私が経験して自信を持って言えるのは、女性のセンスや能力を活かす仕事がしたいなら、いったん結果を出した方が早い。

あなたが今、実力を正当に評価されていない不満があるなら、評価されやすい環境に行けばいい。
働く場所は自分で選択できるのだから。
結果を見せれば人は認めてくれる。
次のステージに行ける。人生を決めるのは、会社じゃない自分の意志だ。
女性だから無理と、自分自身で枠にはまることをやめる。安定は自分の中にどっしりつくろう。自由への最短距離は、そこにある。

実力を発揮できる場を選ぶこと、
それが女性の自由への近道。
経沢香保子

つねざわ かほこ
桜蔭高校・慶應大 学卒業。リクルート、楽天を経て26歳の時に自宅でトレンダーズを設立し、2012年、当時女性最年少で東証マザーズ上場。
2014年 に再びカラーズを創業し、「日本にベビーシッターの文化」を広め、女性が輝く社会を実現するべく、
1時間1000円~即日手配可能な 安全・安心のオンラインベビーシッター サービス「キッズライン」(https://kidsline.me/) を運営中。

http://kahoko.blog.jp/

Text / Kahoko Tsunezawa

DRESS編集部

いろいろな顔を持つ女性たちへ。人の多面性を大切にするウェブメディア「DRESS」公式アカウントです。インタビューや対談を配信。

Latest Article