SUQQUのアイシャドウで甘くハンサムに、トレンディドラマの主人公を気取る
街中で目を惹くあの人。素敵なあの人の雰囲気に、私を少しでも近づけてくれるのは、ひとつのコスメ。美容、アパレル業界を経て、現在はイラストレーターとして活躍中のヤベミユキさんの新連載。
街を歩いていて目を惹くあの人。顔立ち、立ち振る舞い、服の選び方、そして、メイク。さまざまな要素が、彼女の雰囲気をつくり上げる。
私もコスメの力を借りて、“あの人”の空気を纏ってみよう。
■トレンディドラマのヒロインのようなあの人
先日街で見かけた、甘さのあるアイテムを凛とした雰囲気で纏う人。
緩くウエーブがかかったナチュラルなロングヘアに黒のヘアバンドが効いている。
ジャストサイズでもビッグシルエットでもない、少しだけ大きめのジャケットが絶妙でいい。
中に着たピンクの「トレーナー」は目を引き、間違いなくこの日のコーデの主役だろう。
90年代調の懐かしいムードの中に、ゴールドのスニーカーが攻めていて今っぽい。
ピンクだけど甘くなく、かといってハンサム一辺倒でもない、
ポジティブで自立している彼女はどことなく若き日に見たトレンディドラマのヒロインを思い出す。
そんな彼女の空気を纏うには?
■SUQQUのアイシャドウで、甘く凛とした光をのせる
私が選んだのは、SUQQU「トーン タッチ アイズ(07 咲色香 –SAKIIROKA)」。
SUQQUの良いところは、何を選んでも今っぽく仕上がってハズレがないところ。
07番「咲色香」は、ベースはブラウンがかったピンク色。質感はシアーだけど発色が良いという素晴らしい矛盾。
影の部分は深いボルドーに色づき、光に当たるとパールがラベンダーっぽく光る。
そこにブルーのラメがキラキラと輝いていて、とてもかわいい。
これを、指でグラデーションになるようにアイホールにのばす。
(少しムラが残るほうがラフで好きです)
眉はいつもより毛流れを残しぼさっと描き、リップは目元と同じムードのシアーなピンクをオン。
実家に帰ったときに発見したお父さんのゴルフ用トレーナーを合わせて、スキニーデニムとフィット&フレアーで合わせる。
いつもは煩わしくて結んでしまう伸ばしかけの髪も、不思議とその重さが様になる。
小さめのトートバッグに財布と手帳を入れたら、カフェが併設されているお気に入りの本屋さんに出かけて、トールサイズで注文したコーヒーを飲みながら、一日インプットデイ。
あの彼女の凛としたムード、彼女にはきっとしなやかで強靭な軸があるのだろう。
彼女は一体どんな本を読み、何を感じるのだろう。
なんてことを考えながら、本を読み、感化され、考え、ときどきメモをとる。
本を読みながら視線が下に落ちる私の瞼には、あのピンクが光っている。
そんな私の横顔は、あの彼女のように甘く凛としたものだと、うれしい。
なぜなら今日は彼女のようになりたくて、深煎りのブラックコーヒーにしたのだから。
飲みきる前に冷めてしまったけど。
イラストレーター。美容、アパレル業界を経てイラストの世界へ。前職のキャリアを活かしたファッション、美容イラストを描いています。