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「世界一性格の悪い男」を知っていますか? プロレスラーの生き様を知る書

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DRESS編集長/DRESSプロレス部 部長補佐の池田園子が、プロレスの見方がもっと面白くなる書籍をご紹介します。今回取り上げるのは、『俺達が愛するプロレスラー劇場 Vol.1』。現在活躍するレスラーからレジェンドまで、10人のレスラーの生き様を伝えた書です。

「世界一性格の悪い男」を知っていますか? プロレスラーの生き様を知る書

「世界一性格の悪い男」と呼ばれる男をご存知でしょうか。プロレス界のトップレスラーのひとり、鈴木みのる選手のニックネームです。はたして、本当に世界一性格が悪いかはさておき。

2016年夏からプロレスを観るようになり、鈴木選手の試合を初めて観たときには衝撃を受けました。

パイプ椅子で他の選手を殴る、セコンド(リング付近に待機する若手選手)を殴る蹴る、レフェリーの隙を突いて悪さをするetc.、その暴れっぷりから目が離せなかったのです。

鈴木選手は1988年、20歳のときにプロレスラーデビューし、今も現役です。そう聞いて、えっ、と驚いた方も少なくないと思います。

■今年で50歳! 強くて賢いプロレスラー

2018年6月にはデビュー30周年、50歳を迎える鈴木選手は、とにかく強いんです。強さの秘訣は厳しいトレーニングと練習を欠かさないから。年齢や衰えを感じさせない肉体と動き、力強さを一度観ていただきたい。

さらに、筆者のような素人にもわかりやすいプロレスをし、説得力のある技の数々で魅せます。試合を観ていると、「あれは絶対に痛いよな」「ものすごいダメージだな」と、目と耳を通じて、確実に感じ取れるのです。

今を活躍するレスラーから、レジェンドまで、全10人のレスラーの生き様を取り上げた書籍『俺達が愛するプロレスラー劇場 Vol.1』の著者、ジャスト日本さんは鈴木選手についてこう述べています。

「自信がないものに客はお金を払わない」この持論を持つ「世界一性格の悪い男」と呼ばれるプロレスラー鈴木みのる。彼は、もしかしたらプロレス界一の思考型レスラーなのかもしれない。あらかじめ言っておくと、荒唐無稽で品のないとも言われる彼の行動のほとんどは、巧みな計算によって成り立っている。(60ページより引用)

現在、ユニット「鈴木軍」を組んで(2011年結成)、メンバーの誰ひとり逆らえない、怖すぎるボスとして、全員へ細かい指示出しをする鈴木選手。

2017年秋、鈴木選手が登場するトークイベントへ参加した際、こんな話を聞きました。試合中はアイコンタクトやちょっとした合図で、メンバーに指示を出すのですが、それを見過ごした者は後でかなり怒られるとか……(怖い)。

■どんな世界でも「一流の人」は考えることをやめない

「俺はどんなパートナーでも使うし、殺さないし、生かす。どんなものでも、あらゆる方法を使い、あらゆる経験と知識を使い乗りこなす」それが流儀だ。これは鈴木軍メンバーだけ にとどまらない。対戦相手の場合も同様だ。どんな相手でも、こうしたら試合が盛り上がり、おいしくいただくというスタイルで魅了(中略)言動や行動を見てみると破壊者のように映るかもしれないが、実はクリ エイターなのである。(64ページより引用)

鈴木選手はいつだって考え続けているのだと思います。それはインタビューや発言、ふるまいを見ていると伝わってきます。

しかも、普通に考えているわけではなく、考えるというアクションを人の数倍、いや数十倍繰り返しているはず。

「なぜ」を1回で終わらせず、二乗、三乗……と重ねていくのです。それはどの業界でも共通する、一流の人の本質。

対戦相手、仲間、業界、団体、ファン、マスコミ、世の中......ありとあらゆる観点から考 え腑に落とし、プロレスで生き抜く男・鈴木みのる。今こそ先入観や固定観念を抜きにして、 彼のプロレスを隅々まで見て体感してほしい。所作の隅々に細かいプロ意識と観客やレスラー達や関係者など、あらゆる相手への投げかけと魂が存在しているのだ。(67ページより引用)

だから飽きさせないし、レスリング技術などの不変のもの、発言や行動などの変化するもの双方で魅せてくれるのだとわかります。

本稿では鈴木みのる選手について取り上げましたが、他にも棚橋弘至選手(新日本プロレス)や中邑真輔選手(WWE)、丸藤正道選手(プロレスリング・ノア)、天龍源一郎さん(2015年引退)など、プロレス史に歴史を残してきた選手が全10名取り上げられ、プロレスファン歴25年に及ぶ著者の考察とともに綴られています。

プロレスは強い者と強い者が戦う競技です。でも、格闘要素だけではなく、選手がそれぞれの人生を背中で見せてくれ、私たちの生き方や考え方にヒントを与えてくれる、ドラマチックな競技でもあります。本書を読めば、その世界にふれるのがもっと楽しくなることでしょう。

『俺達が愛するプロレスラー劇場 Vol.1』書籍情報

著者 ジャスト日本さんプロフィール

プロレス考察家/プロレスブロガー
1980年5月11日、福岡県生まれ(和歌山県在住)。
1992年にテレビ放映されていた『ワールドプロレスリング』で新日本vs誠心会館の異種格闘技戦を見て、リングから放たれた圧倒的熱量に魅了され、プロレスファンとなる。
新日本、全日本、UWF系、インディー団体、アメリカンプロレス、ルチャ・リブレとありとあらゆるスタイルに触れることで、プロレスというジャンルとプロレスラーという生き方に深く興味を持つ。現在アメブロで「ジャスト日本のプロレス考察日誌」を更新中。
https://ameblo.jp/jumpwith44/

Text/池田園子(DRESS編集長、DRESSプロレス部 部長補佐)

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DRESS編集部

人生を自分らしく楽しむ大人の女性たちに、多様な生き方や選択肢を提案します。

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