「死」の瞬間に、わたしは何を感じるのだろう

「死」の瞬間に、わたしは何を感じるのだろう

必ず誰もが「死」を迎える。その瞬間について考えたことがあるだろうか。恐怖? それともその未知の瞬間を迎えることにワクワクする人もいるのだろうか? 誰も知らない世界だからこそ、抱くイメージはさまざまだ。


30代半ば。働き盛りだし、人生これから! と思っていた。でも、子供を産むなら35歳までのほうがいい、なんて一般論を聞いたとき、ふと怖くなった。

日本人女性の平均寿命は85歳を超えている。その数字から考えると、まだ折り返し地点にもたどり着いていない。けれど、なんとなく、急に死が近づいたような気がしたのだ。

病気になったり、突然の事故や天災で、いつ人生が終わるかもわからない。「死ぬ」とは一体どういうものなのか。

■「死ぬ瞬間」について考えたことがあるか

死んだらどうなるんだろう。
これまでにも、身近な人が亡くなるシーンに直面したことは何度かあった。
直近でいうと、私の場合、祖母の死だった。

脳梗塞で倒れ、2年間寝たきり。その2年間で意識が戻ったという話は聞いたことがなかった。
祖母の記憶は一体、どこが最後なんだろう。そもそも自分が死んだということに気づいているのだろうか。

私は臨終の瞬間に立ち合っていなかったけれど、あとから話を聞くに、とても穏やかな最期だったという。

苦しいのか、痛いのか。死んだら自分の意識はどこにいくのだろう。暗闇に飲み込まれ、消えるのか。それとも、天国だの地獄だの、そういった場所に向かい、意識はどこかに生き続けるのだろうか(ちょっと非現実的な考え方かもしれないけれど)。

自分の肉体がこの世から消える、ということより、「私」という意識がなくなってしまうことに恐怖を感じているのかもしれない。

■「死」に対する「期待」は人それぞれ

私は「死が怖い」と思ってしまっている。しかし、私と同世代の女性が抱く「死」への想いはさまざまだ。

何度も手術を受け、そのたびに全身麻酔を体験している人は、「死ぬ瞬間って麻酔を打たれたような感じなのかな」と思ったのだそう。麻酔を打たれ、フッと意識を手放す瞬間がとても気持ち良いのだとか。だから「死ぬ瞬間が少し楽しみ」だと言っていた。

また別の女性は私と同じように「怖い」と言う。

彼女には子供がふたりいて、その子たちがどんな人生を過ごすのか、今から楽しみで仕方がないのだそう。「願わくば子供と同じタイミングで死にたい、無理だけれど」と笑っていた。

おそらく、それぞれの人生経験によって、「死」に対して抱く印象というのはまったく異なるものなのだろう。

■「いつ死んでもかまわないと思っている」は本心なのか

個人的には、体がうまく動かなくなって、周りに迷惑をかける前に死ぬほうがいいのではないだろうか、と思うことがある。大事な人たちが死ぬのを見なくて済む、という独りよがりな考えもある。

とはいえ、死への恐怖が変わるわけではない。

一方で、30代のころから「もういつ死んだって悔いはない」と話す人もいる。

それはすべてをやりきったからなのだろうか。それとも、このあとの人生、たいして楽しいこともないと考えているから?

10代のころは、嫌なことがあるとすぐに、「死んでしまいたい」などと口走っていた。

20代のころは、大変な出来事に直面すると、「死ぬ気でやればどうにかなる」と言い聞かせた。

30代に入ると、辛いことや悲しいことがあったとしても、「死ぬよりはマシだ」と思うようになった。

それは無意識のうちに自分が死に近づいていき、死を身近なものとして感じているからなのかもしれない。

だから、「いつ死んでもかまわない」という人は実際のところ、まだ死を近くに感じていないのかも、とも思う。

誰も教えてくれない、死の向こう側。何も知らないからその先は真っ暗だ。そして、知らないからこそ、死への想いはさまざまなのではないだろうか。

暗闇に飲み込まれていく姿を想像したとき、一体、どんな感情がこみ上げてくるだろう。

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この記事のライター

シナリオライター。1982生まれ、大阪府出身。大学卒業後、2006年よりライターとして活動を始める。現在は胃が虚弱な痩せ型男性と暮らしながらラブストーリーについて考える日々。焼き鳥とハイボールと小説、好きなアイドルのライブに...

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