愛する人と共有する大好きな香り、L’INTERDIT
エマちゃんが愛用中の香水「L’INTERDIT(ランテルディ)」。GIVENCHYから発売されているそれは、エマちゃんが大好きなオードリー・ヘプバーンが愛した香水で、旦那さんから贈られたもの。そんなエマちゃんとL’INTERDITとの物語。
夫はなぜかプレゼントセンスがいい。
「なぜか」というのには理由があって、夫は“オシャレっぽい”ことにはいかんせん無頓着。服はだいたいユニクロだし、Chloe(クロエ)のことは「チョロエ」って言うし……。
「エマちゃんの旦那さん」ということで、世間にはさぞオシャレ男性なのかと思われているんだけど、彼のよさといえば素朴さ。だからハイエンドな世界とは無縁なのです(笑)。
だけども、そんな夫が私の誕生日やバレンタインデーになると、まあそれはそれは素敵なプレゼントをくれる。夫はプレゼントを選ぶとき、表参道に出向き、インスピレーション任せでハイブランドのショップの中から、プレゼントを決めるそう。
私ひとりなら絶対選ばないようなバーバリーのクマのチャームをくれたり、ときには行き慣れないセレクトショップに出向き、難しいデザインだけど私好みのバッグを選んできてくれたりする。
定番ではなく、私をイメージして選んでくれるプレゼントはどれも変わったものが多くて、でもオシャレでセンスがいい。だから私は夫からプレゼントをもらうのをすごく楽しみにしているのです。
■初めて男性から香水を贈られた日
去年の誕生日、私は夫から香水をもらいました。ちょうどお誕生日のお祝いを兼ねた旅行中のこと。
私がお風呂から上がり部屋に戻ると、ベッドの上には「GIVENCHY(ジバンシイ)」の紙袋が。
夫とはGIVENCHYのショップに一度も入ったことはないし、私自身もGIVENCHYのお洋服やバッグは持っていない。お化粧品を数点愛用しているくらいでした。だから何が入っているんだろう……とドキドキ。
袋を開けると、素敵なピアス。そしてもうひとつが「L’INTERDIT(ランテルディ)」という香水だったのです。
私は香水のプレゼントにものすごく驚きました。なぜなら男性から香水をプレゼントされたことがなかったから。
香水を自分が選んで買ってもらったことならあります。でもあえてこう言うなら、「勝手に香水を選ばれた」ことがなかったのです。
■夫からの香水は、過去最高に好きな香りだった
私にとって香水とはすごくパーソナルなアイテム。
「この香りは好き」「この香りは苦手」と好き嫌いが顕著にあらわれるものだし、自分が気に入るものより、万人が好むような香りを身につけるのも、また違うと思っている。
だから私自身も香水を選ぶときには「こういう女性でありたい」という女性像を思い浮かべながら、それに近しい香りやカラダが違和感を覚えずに、幸せな気分になる香りを選びます。
目をつぶって深呼吸しながら、全身の感覚を研ぎ澄ませ、慎重に選ぶのです。
そのくらい思い入れを抱きながら選ぶものなので、友達にも香水の類はプレゼントをしたことはない。
恐らく事前に男性から「オススメの香水を買ってきてあげる」と言われたら、即「いや香水はいいや」とお断りしていたかも知れません。
だからこそ夫からの香水のプレゼントは驚いたのです。
香りを嗅ぐ前に「めちゃめちゃ苦手な香りだったらどうしよう……」とドキドキしていたのはここだけの秘密。
でもね、香りを嗅いだらその心配は吹き飛んで。
シュッと吹きかけた瞬間に「わあ! この香り大好き! すごくすごく良い香り!」と歓喜に溢れる香りだったのです。
ただ甘ったるい香りのする香水が多いなか、ランテルディはどこか神秘的でオリエンタルな香りが漂い、心地よい甘さのなかにスパイスがあって、奥深さを感じました。
私これまでに世界のいろんな香水を嗅いでは集めてきたし、小学生の頃から母と香水選びをしてきたくらいなんだけど、「歴代で一番好きかもな……」と笑っちゃうくらいに。
そのときは「やっぱり結婚するほどの運命の人が選んでくれたものは香りまで当ててきてしまうんだ」と謎に運命を感じました(笑)。
■オードリー・ヘプバーンが愛した香水「L’INTERDIT」
夫がなぜこの香水を選んだかというと、私がオードリー・ヘプバーン大好きなことを知っていたから。
オードリーの魅力って、世界が認めるその美貌に限らず、コンプレックスをうまく隠し、自分の良いところを活かしたファッションやメイクのそのセンスの良さにあります。また、晩年にはユニセフでの慈善活動にも精を出すなど、人間性の素晴らしさも含めて美しい女性だと感じます。
スマホの待ち受けにしていていたり、お家にオードリーのグラフィックアートを飾っていたり、オードリー展なんかがあればすぐに行くほど。
オードリー関連の情報があれば、夫から「今度あそこで展示やるらしいよ! 観に行く?」と教えてくれることも。
オードリーとGIVENCHYとの関係は深く、かの有名な映画『ティファニーで朝食を』のリトルブラックドレスも、「パリの恋人」の膝丈スカートのウエディングドレスもGIVENCHY。
彼女の美しさを引き立て、ファッション界のアイコンにしたのはGIVENCHYと言っても過言ではないですよね。
そしてこのGIVENCHYが出した「L’INTERDIT」という香水。ここにもオードリーとのエピソードがあるのでした。
フランス語で“禁止”を意味する「ランテルディ」。ジバンシイがオードリーに捧げたこの香りを、一般発売してもいいか尋ねた際に「お気に入りの香水だから私以外は使ってはだめ」と言ったというエピソードから名付けられたそう。
この一言からも、オードリー自身がこの香りに対してこだわり、大事に思う気持ちを持っていたことがわかりますよね。
時を経て私も同じ香りを身に纏っているのかしら……と考えると、いちファンとしてもうれしい。そんなエピソードを背景に、夫がドンピシャな香水を選んできてくれたのも、さらにうれしいことでした。
■愛する人が選んでくれた、お気に入りの香りをまとう喜び
それから私は他の香水を差し置いて、こればかり身につける毎日。まさか人に選んでもらった香水をこんなに気に入ることになるとは思ってもいませんでした。
ちょっとミステリアスで媚びることのないこの香りは、年齢を重ねて落ち着いてきた今の私にもぴったりと思えます。まさに大人の香り。
もしかしたら私のことは自分よりも、夫のほうがよく知っているのかもしれないですね。
香水を並べているのは、玄関の飾り棚スペース。全ての身支度を整え、玄関を出る前に香水を吹きかけてお出かけの準備が完了。香りでスイッチを入れ、外に出るのです。
いつもだったら「ただ好きな香り」を身にまとうだけだったのが、そこに夫の愛情も加わってなんだか心強く感じるようになりました。
愛する人に選んでもらった香水のなにが良いって、彼もその香りを好きなこと。好きな人に「エマちゃんの香りが好き」と感じてもらえるのが、いちばんうれしい。
「好きな香りを共有する」。そんな喜びを教えてくれたことも、大胆にも香水を選んでくれた夫に感謝するのでした。
小悪魔と呼ばれていた恋愛戦士も今や人妻。芸能芸術のお仕事をしています。