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過去の大失恋、どう立ち直る?【座談会:30代、改めて「恋」を考える】

勢いや感情任せではなかなかうまくいかない大人の恋愛。みんなはどうしてるの? 大失恋、同棲解消、離婚、不倫、セックスレス……さまざまな出会いや恋を経験し、酸いも甘いも噛み分けてきた30代の3人が赤裸々に語ります。全3回の座談会。

過去の大失恋、どう立ち直る?【座談会:30代、改めて「恋」を考える】

■離婚、不倫、三股……30代の恋愛事情はよりどりみどり

左から、れいさん(34)、まことさん(37)、あみさん(33)

――まずは自己紹介をお願いします。

れい:いま34歳で、20代のときに一度結婚して、離婚しています。その後は、今年の3月に4年半付き合った男性と別れて、それから別の男性と不倫関係になったんですがその人とも別れて、今はフリーです。

れい「今はお付き合いしている人はいません」

まこと:会社員をしています。30代前半の頃、子宮系の重い病気にかかってしまい、子どもを生めなくなっちゃって。同じ頃に、7年付き合った彼と別れています。今の恋愛は……いろいろこじらせてぐちゃぐちゃしてますね。歳は37です。

まこと「かなりこじらせてます」

あみ:私は今年34歳の会社員で、れいさんと同じく20代で一度結婚して離婚してます。今は婚約中の人がいて、年内に結婚する予定なんですけど、今その人の他に彼氏が3人くらいいて、清算しようと頑張っているところです。

あみ「婚約者の他に、彼氏が3人います」

――いきなり情報量が多い! あみさん、彼氏が3人というのは……?

あみ:言葉通り、みんな彼氏です。それぞれとちゃんと付き合ってます。

れい:バイタリティがすごい。それは、みんな完全に「俺はあみちゃんの彼氏」って思っているの?

あみ:「彼氏は俺だけ」と思っている人がひとり。不倫の人がひとり。あとは、なんとなく漂っている感じの人がひとり。今、1カ月くらいかけて清算活動をして、そろそろ終わるかな。

――婚約者の方は、もちろんそのことは……。

あみ:もちろん知らないです! バレたら婚約破棄になっちゃう。

――ちょっとまたあとで、いろいろ聞きたいです。れいさんは、今どんな感じなんですか? 不倫相手と別れたばかりとのことですが……。

れい:長く付き合った彼と3月に別れて。その後、既婚者の男性とお付き合いしていたんですけど……。これが思いの外ハマっちゃって。

でも、長引いてもしょうがないから別れを切り出しました。気持ち的には引きずりつつも、今はやっぱり別れて良かったなという気持ちが強いですね。

すごく性格的に合っていて。相手が独身だったら絶対結婚していると思うくらい、今までの恋愛で一番楽しかった。

――不倫にハマってなかなか別れられないという人は多いと思うんですけど、別れようと思えたきっかけは何かあったんですか?

れい:一緒にいてすごく楽しいからこそ、別れたいと思ったんですよね。もっと楽しい関係を築きたい、将来のこと、子どものこととかも考えたいと思ったら、ただ付き合っているだけじゃ限界があるから。年齢も年齢だし。

いくら性格がマッチしてても、思い描く将来がマッチしないのはやっぱり難しい。少なくとも今じゃないね、という話になって、「別れましょうか」と。

別れたあと、不倫をする自分の心理とじっくり向き合ったときに、やっぱり不倫って間接的な親への攻撃とか自己攻撃があるなとすごく感じたんです。

――自分や家族を傷つけるということですか?

れい:そう。不倫を続けるという状態に自分を置くことは自分を軽んじる行為だから、やっぱりそれはしたくないなと。その辺の気持ちの整理はついています。

■「誰かと出会って別れたりする体力が、もうない」

――まことさんは、長く付き合った方とお別れして「こじらせている」とのことですが……。今、どうですか?

まこと:7年くらい一緒に住んでいた人がいて。全部が合う人だったんですよね。生活をしていても嫌なことがない。いろんなことが原因で別れたんですけど、こんなに合うのに別れがくるってどういうこと? と思っちゃって。

その人と別れてから病気になって、恋愛どころじゃなくなって。手術したりいろいろなことが終わってから、新しい人と出会ったりデートしたりはしているんですが……。50人くらいデートしても、誰にも1ミリもときめかない。

そのまま2年半くらい経っちゃったんですけど、実は1カ月くらい前に会った年下の男性に久しぶりにきゅんとして。

――おお!

まこと「久しぶりにときめく出会いがありました」

まこと:でも、誰かと出会って付き合ったりする体力がないというか。傷つきたくないんです。別れが嫌なんですよ、もう。誰かと向き合って、また別れがくるのが耐えられない。7年付き合った彼と別れたとき、家族がいなくなったような感覚になったから、もうそんな思いをしたくないというのが、一番にあるんです

――一緒に住んでたら、もう家族同然ですもんね。

まこと:ずっと友達に怒られてます。「踏み込まないと一生前に進めないよ」って、ずっと言われているんですけど……。傷つきたくないから彼に連絡もできなくて。相手からしたら「なんで連絡くれないの?」って、謎なわけですよ。でも、「怖いからできない」なんて言えない。こじらせてます。

――お友達がおっしゃることもごもっともですけど、友達は代わりに傷ついてくれないですもんね……難しい……。あみさんとれいさんは、過去に離婚を経験して、その後にまた新しい恋に踏み出していますよね。まことさんと同じような気持ちになった時期ってありましたか?

あみ:離婚後は、人に重心をかけられない時期が長かったですね。もう一生恋愛なんて無理、誰かに心を開くなんて無謀な行為だ、と思って。世間に背中を向けて生きていた時期がありました。

私の場合は、友人が「そんなんじゃだめだよ」とものすごい数の出会いをセッティングしてくれて。行きたくなかったんですけど。周りの人から「男の傷は男でしか癒えないんだから行きなさい」と言われて。本当におっしゃるとおりだと思って、頑張って行くようにしたんですよ。

幸い、私はたぶん、人のことを好きになりやすいタイプなんですよね。「この人おもしろいな」と思ったら、それだけでちょっと気持ちが晴れるようなところがあって。だんだん回復していきましたね。まことさんの気持ち、すごくわかります。一生無理だってずっと思っていましたもん。

――それを経て今は3人とお付き合いを。

あみ:彼氏が何人もいるような状況になったのは、離婚した反動だと思うんですよね。それまでは、浮気とか1回もしたことなくて。元夫がすごく遊びまわって離婚したんですよ。それがつらくて。だからちょっと、バグが生じたんだと思います。復讐とか、そういうのじゃないんですけど。

れい:離婚したのは何歳のとき?

あみ:26歳です。遊びはじめたのは28歳くらい。もうすぐそういう時期は、終わろうとしています。

れい:何かがあったんですね、気持ちの中で。

――でも「一生恋愛なんて無理」というところから、すごい進歩ですよね。無理じゃなくなるときって、くるんですねえ。

あみ:くるみたいですねえ。

あみ「一生恋愛なんて無理、と思っていましたが立ち直りました」

――れいさんはどうですか?

れい:私は、基本的に別れた後の余力を残さないんです。くたくたになるまで相手に向き合うから、引きずることがない。だから、すぐ次にいけますね。

――余力を残さないとは?

れい:うまくいかないには、うまくいかないなりの理由があると思うので。そこに徹底的に向き合うって、話し合うことが多いかな。
 
――「これ以上近づけない」くらいのところまで?

れい:そうそう。やるだけやる。「もうこれ以上できない、もう好きじゃない」と思うくらいまで向き合います

――バイタリティありますね。1回使い切っちゃったら、へとへとになりそう。

れい:使い切るからこそ、次に使いたくなるんですよ。

この前別れた不倫の彼は、生まれてはじめて余力を残したまま別れたんですけどね。ただ、その余力を自分を見つめることに使っているから、「戻っちゃおうかな」と思わずにいられています。

れい「基本、別れた後の余力は残しません」

――いい循環ですね。みなさん、昔の恋人と会ったり友達に戻ったりします?

れい:エネルギーを使い切るから、基本的にはないですね。友達にも戻らない。

まこと:私もだいたいそうですね。前に、別の女性と結婚した元彼から連絡がきたので会ったら、彼の奥さんにバレてモメたことがあって……。向こうから連絡してきたのに、私が悪者にされてすごくモヤモヤしました。

あみ:元夫は超泥沼の離婚ですごくしんどかったので、金輪際顔も見たくないですけど、他の元彼のことは全員今でも尊敬しているし、いい友達です。

別れて傷ついて立ち直るというよりも、ずっと味方でいてくれる感じ。すごく自分の都合の良いように解釈して、次に進んでいます。全員に、ありがとうって思ってます。

れい:戻ったりしないんですか?

あみ:この間、元彼とデートしたんですけど。手をつないだりキスしたりしたら、また繰り返しちゃうなと思って。だから、絶対に脱げないようなヨレヨレのパンツを履いて、ムダ毛も処理せずに行きました。結果的に、いい関係で、いい女のまま終われたなと思います。戻らないための努力はしていますね。

■「好きなのに、怖くて踏み込めない」

れい:まことさんは、その年下の彼に恋しているんですよね?

まこと:しているけど、でも、彼と結婚はできないなと思いますね。身を預けられない。自分の話を全部しようと思わないから。私のことを何も話さないです。それに不信感を覚えられている今日この頃です……。

れい:俺のこと信用していないの? みたいな。

まこと:そうそう。

れい:たとえば、どういうことが言えないんですか?

まこと:私が子どもを生めないこととか。あと、どういう生活スタイルなのか。いつも何をしていて、どういう人と交流があって……とか、そのあたりも話してない。

――彼は、聞いちゃいけないと思っている?

まこと:この間、「何も言わないけど、いつも何をしているの?」と聞かれて。私も「友達とごはんを食べていたよ〜」みたいに、流しちゃうんです。そこからは踏み込まない、お互い。変な感じですよね。

ただ、踏み込まないくせに、やることはやっているんですよ。だからもっとややこしい。

あみ:それはたしかにややこしいですね。体を重ねれば、だいたい踏み込む勇気が出るというか、勢いがつく気がするけど。

まこと:もう、人と付き合うとか向き合うとか、どういうことだっけ? という感じになっちゃってます。

れい:信頼することですよね、ベースは。

まこと:自分から話すということ?

れい:私も口ばかりで、ちゃんとできているわけではないですけど。やっぱり、愛を持って接すること。彼氏だけじゃなくて、友達とか、仕事関係の人もそうだし、それぞれの適切な関係の中での愛は大事だと思っていて。それができるように、自分を整えて接するようにする……という感じですかね。

でも、こわい気持ちはすごくわかります。今の私が同じ立場だったら、もうちょっとゆっくり考えるかな。

好きなのに踏み込みたくないと思ってしまうのは、自分の中に原体験というかトラウマというか、そういうのがあると思うんです。だから急がずにもう少し考えてみるのがいいんじゃないかなって、話を聞いていて思いました。


▼第2回に続く
大人の“出会い”はどこにある? 【座談会:30代、改めて「恋」を考える】

text/べっくやちひろ

DRESS編集部

いろいろな顔を持つ女性たちへ。人の多面性を大切にするウェブメディア「DRESS」公式アカウントです。インタビューや対談を配信。

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