祖母から孫娘へ。時を超えて受け継がれるジュエリーの魅力
亡き祖母は、若かりし頃にジュエリーデザイナーをしていました。祖母の想いが込められたジュエリーは、宝飾品という概念を超え、かけがえのない宝物として、祖母から母へ、母から私へと受け継がれています。ジュエリーを用いたファッションやジュエリーのメンテナンス、収納方法などをお伝えします。
物心ついた頃から、ジュエリーデザイナーだった祖母が手がけたジュエリーを目にしながら過ごしてきました。
祖母のジュエリーを少しずつ身につけるようになったのは、私が25歳の誕生日を迎えたとき。母親が一粒ダイヤのイヤリングをネックレスに加工してプレゼントしてくれたことがきっかけです。
使用している石やデザインによっては、似合わないものもあります。好みのデザインに作り変えることもできますが、凝ったデザインのものは、祖母の強いこだわりがあるような気がして、なんとなく手を加えづらい。今よりもっと年を重ねたときには、しっくりくるだろう。と、何もせず眺めるのですが、そうしてただ見ているだけでも幸せな気持ちになれるからこそ、人々はジュエリーの虜になるのでしょう。
■シンプルな装いには、ダイヤモンドで輝きを添えて
もともと華美な装いはせず、デコラティブなデザインもあまり選びません。手に取るのは、黒いワンピースばかり。そんなシンプルなスタイリングには、輝きを添えてくれるダイヤモンドがよく合うと思っています。いつだったかどこかで、「ネックレスやイヤリングは対面する人の目を楽しませ、指輪やブレスレットは自分の目を楽しませるもの」という文章を目にして以来、ネックレスに加えて指輪をはめることが増えました。
中でもお気に入りが、このふたつ。
もちろんシーンは選びますが、だからこそ湧いてくる特別感。かつて祖母がそうしていたように、時折、あえて指輪に視線を移して美しい輝きを楽しむ。守られるような穏やかさと優雅な気持ちに包まれるのが、幸せなひとときです。
■華やかさをわかりやすく演出する、ゴールドアクセサリー
ファッションはシンプルなもの、ジュエリーはプラチナやホワイトゴールドを好みますが、たとえば真っ赤なワンピースを着てみたり、ときどき派手な装いを楽しみたいことがあります。そんなときに選ぶのはゴールドアクセサリー。
写真のアクセサリーのうち、イヤリングが祖母のデザインです。買い付けた金ボタンに、留め具を付けただけのシンプルなもの。少し大ぶりなこともあり、鏡を見て「派手すぎるかな……」とうろたえることもあるのですが、普段が控えめな分、派手さを楽しみたいときは、むしろこのくらい思い切ってみるのがいい! ということにしています。
画像最下部の6連リングはカルティエのトリニティ。ご存知の方も多くいらっしゃることと思います。もうひとつ、ボールデザインのリングはティファニー。ほんのり無骨な雰囲気が気に入っていて、使用頻度が高いリングのひとつです。
■ジュエリーを長持ちさせるためのメンテナンス・収納方法
メンテナンスといっても、大して特別なことはしていないのですが、
・使用後は柔らかい布(ジュエリークロスでなくても可)で軽く拭く
・皮脂汚れが気になるときは中性洗剤で軽く洗い、乾かしてから収納する
・使わないときはリングケースに収納しておく
・傷やくすみが気になるときは専門店でクリーニングをお願いする
上記4点を必ず守っています。特に指輪の場合は、すべてをひとつのジュエリーボックスにまとめるのではなく、指輪ごとにリングケースを用意して、指輪同士がぶつからないようにして保管しています。年を追うごとに母から譲られ、私の手元に少しずつ増えていく祖母のジュエリー。いつか訪れる、私から愛すべき存在に受け継ぐその日まで、大切に使い続けたいと思っています。
広告代理店勤務