「オープンに」と「無配慮」は違う。セックスについて話すとき、私が気をつけていること
「性やセックスについてオープンに語りたい」という人もいれば、「人前でそういう話はしたくない」という人もいます。お互いが気遣い合うためにはどうすればいいのか。ラブグッズコンサルタントのとぅるもちさんが、普段のコミュニケーションで気をつけていることを紹介します。
日本では、少しずつ性やセックスをオープンに語れるような空気が生まれていると感じます。私自身も、SNSなどでラブグッズやセックスについて積極的に発信しています。しかし、もちろん「オープンにしたくない」「人前でそういう話はしたくない」という人も一定数います。
大人数の集まりや飲み会で性の話になったとき、どう振る舞えばいいのか……? 今回は、ラブグッズコンサルタントの筆者が、性やセックスについて話をするとき気をつけていることをご紹介します。
■大人数の集まりの場合
筆者は高校時代、チアダンス部に所属していたのですが、いろんなタイプのメンバーが揃う個性豊かな部活でした。そんな集まりなので当然ぶつかり合うことも絶えませんでしたが、今でも年に一回集まるほど仲がいいです。
10人以上が集まる中で、歳を重ねていくごとに、会話内容も変化していると感じています。最近ではセックスの話もするようになりました。しかし、赤裸々に話をするのは私を含め2、3人です。そのとき、私は「今からセックスの話しまーす!」と前置きしてから話すようにしています。自分から積極的に話すことはしますが、他の人に話を振ったり、同意を求めたり、話すことを強要することはしません。
正直、他のみんながどう感じているのかはわかりませんが、この一言で、“聞きたくない人が聞かないための準備”ができるようにしたいと思っています。以前は「セックスの話してもいい?」と聞くこともあったんですが、イエスかノーのどちらかしか言えない空気に持っていってしまっているような気がしてやめました。
■マンツーマンの場合
親友と呼べるほど仲のいい子、それほどでもない人……どんな相手でも恋愛の話にはよくなりますが、共通して気をつけているのは「相手の価値観を決めつけない」ことです。
セックスの話をオープンにできるとわかっている仲のいい子でも、「性に関するすべてのジャンルでオープンなわけじゃない」と考えて話をしています。人それぞれ、話したいこと話したくないことの線引きが違うわけだから、相談なしにいきなり相手のことを聞き出すことはしません。
相手が年下や後輩の場合、恋愛やセックス の話は控えるようにしていますが、相手が積極的に話を振ってくれる場合はこちらもオープンに受け入れます。ただ、年上で先輩という立場上、話の流れの中で、いつの間にか相手に話を強要しているという場合があります。そんなときはいつでも「NO」を言い出せるような空気を作ってあげることが大切です。
恋愛やセックスの話をするにあたって、不安や恐怖を感じることなく自分の意見を伝えられる状態、いわゆる「心理的安全性」は最も大切だと思います。
もしあなたが先輩で、後輩と関係を築き上げている途中なのであれば、性にまつわる話は控えたほうが良いでしょう。
■大切なのは、相手をきちんと見て気遣い合うこと
性について話すときは、公共の場でないか、子ども連れの方が周りにいないか、などTPOを考えることが大前提です。親しい相手でも、コミュニケーションを取る中で、どの話題なら相手が不快にならないか、どの話題ならすすんでできるのかを見極められるようにしましょう。いつもは性の話がOKな人でも、その時その場の状況によって、話したくないこともあります。
このコラムで紹介した内容が、誰にでも有効なわけではないでしょう。大切なのは、目の前の相手と向き合い、自分の気持ちをきちんと伝え合うことです(これはセックスの話に限りませんが)。
筆者自身、元々コミュニケーションが得意な方ではなかったのですが、性について話すようになってから、以前より相手のことを気遣いつつ話せるようになった気がします。
逆に、性の話をしたくない、聞きたくない場合は「NO」を言いましょう。言わないと相手に伝わらないこともあるので、その場合の相手への気遣いは不要です!(※) より性やセックスをオープンに語れるようにするためにも、みんなが互いを気遣えるようになれればと思います。
※相手が上司、先輩、仕事関係の取引相手など、パワーバランスに偏りがあり簡単に「NO」が言えない状況の場合、まずは信頼できる人やセクハラ相談窓口に相談することをおすすめします。ボイスレコーダーで会話を録音するのも有効です。
ラブグッズコンサルタント。オススメアダルトグッズを紹介したり、世界のセックスミュージアムを駆け巡る女です。